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世界中の人が簡単に言える名前を持つということ【タイ・チェンマイ⇒バンコク】

2016/10/11投稿

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今回はタイ国鉄の寝台列車に乗ったときの話。[2016/7/17]


鉄ちゃんではないけれども、鉄道の旅が好きな私。当初ベトナムを鉄道で縦断しようと思っていたものの、バスと比較してその値段の高さに撃沈。泣く泣く諦めたので、タイではどうしても寝台列車で旅がしたかった…!

ということで、チェンマイからバンコクへは寝台列車で戻りました。
チケットはチェンマイ駅で前日にGET。2等寝台は上下2段。人気路線なのか既に選べる列車は1つのみ、ベッドも上段しか空いていませんでした。

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(791バーツ=約2306円)


当日駅へ向かうと既に列車は到着済。これから始まる列車旅のワクワクが体中から溢れ出しそうで、本当はプラットホームをスキップしながら進みたいほど興奮していましたが、もう27歳だからね。そんな気持ちは押さえて、淑女的な振る舞いで乗り込みます。

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が、乗り込んだ列車がなんと日本製!至る所に日本語の表記を見つけて、もう興奮が抑えられない!1番最初に乗り込んだのをいいことに写真を撮りまくりました。

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出発30分前。他の乗客たちがぞろぞろと乗り込み始めました。

車内は4人ずつのコンパートメント。私の前にやってきたのは、ポーランド人のおっちゃん。「ハロー」と挨拶を交わしただけで、窓の外を眺めたりケータイの充電をしたり…この初めましてのそわそわした感じも列車旅の醍醐味の一つだと思ってる。

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私たちを乗せた列車は、緑がまぶしい平野を駆け抜け、ジャングルのなかをぐんぐんと突き進む!その力強さたるや!惚れ惚れとしてしまうほど!

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乗客たちは、最初こそ熱心にカメラで車窓を切り取っていたものの、段々と楽しいしゃべり声が車内に響き始めます。

さきほどのポーランド人のおっちゃんは、なんとタイ在住。仏教徒になってタイにやってきたらしい。仏教の慎ましさ。静けさ。己と向き合う姿勢。そういうところが魅力なんだって。

仏教の国を旅していると、実は仏教に改宗したという欧米人によく出会います。そして彼らのほとんどは母国を離れ、仏教の国で暮らしている。日本では宗教、ましてや改宗なんて多くの人にとっては身近じゃないけれども、キリスト教圏の彼らにとっては、これは特段珍しいことではないのかもしれません。


窓の外の景色がオレンジ色になってきたころ、席を立って食堂車へ向かいました。
憧れの食堂車。日本には駅弁という素晴らしいお弁当があるから、わざわざ高い食堂車を使おうとは思わなかったけれども、この寝台列車に乗ったら絶対食堂車で食事をするんだって決めてたんだ。

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この食堂車では、そのほとんどのメニューが、何故かチャイニーズフード。グリーンカレーとか食べたかったんだけれどもないみたい。残念。ということで酢豚とカレー小鉢のセット。170バーツ(約496円)

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暮れゆく車窓を眺めながらの食事。開けっ放しになった窓からは、しっとりとした風が入ってきて首にまとわりつくけれど、それすらもなんだか心地よい。列車を追っかけて走るタイの子供に手を振ったり、発車ベルの大きさに驚いて向かいに座っていた欧米人のお姉ちゃんと顔を見合わせて笑ったり…。

ああ、なんて贅沢な時間なんだ!

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席に戻ると、ポーランド人のおっちゃんのとなりに若い男性が。ベルギー人のY。実はずっと隣のコンパートメントにいたそうです。というのも彼は家族旅行の途中。席は全部で5つ確保していて、ひとつだけ私たちのコンパートメントになるみたい。

Yは、日本の文化に割と詳しくベルギーで空手を嗜んでいるそうです。こういうとき、私は他国の情報をしらなさすぎるなって、日本にいるときからもっと海外に目を向けていたらなって本当に後悔する。ベルギーと言われても、ビールとチョコレート、ワッフルしか思い浮かばなかったもんなぁ。


ところでこのY。娘さんが3人いるのだけれども、一番下の子の名前が「Aiko」というそう。
「驚いた!アイコって日本ではすごくポピュラーな名前だよ。」って言ったら、「日本のプリンセスの名前と一緒だよね」って。

なんでその名前にしたのか聞いてみたところ、「世界中の人が発音しやすい名前にしたかった」んだそうです。そうかなるほど。そういう命名の仕方もあるんだなぁって。


実は世界を旅し始めて、自己紹介に苦労したことは一度もありませんでした。どうやら「オーミ」って、どの国のどの人にとっても発音しやすいみたい。(今まで行った国では)。でも他の日本人に話を聞いていると、どうしても発音できない音があってあだ名にしていたり、アジアの他の国だとイングリッシュネームを付けている人もチラホラ。

日本レベルで見ると珍しすぎて浮いていて、この名前があんまり好きじゃなかった時期もあったけれども、これからもっともっとグローバル化されていく世界レベルで見ると浮いているとかもう関係ないんだな、と。

世界中の誰もが簡単に言える名前を持っていることに感謝しようと思いました。まぁ、うちの親はそんなこと全然気にしてなかったと思うけれど。


楽しい時間はあっという間に過ぎ、就寝の時間に。


朝、車掌さんが駅名を連呼するする声で目が覚めて、クーラーが効きすぎて冷蔵庫と化した車内に耐えきれずホットティー(40バーツ=約117円)を注文して、まるで朝霧のようにのぼる湯気を吸い込みながら、ポツリポツリと会話しているところで列車はバンコクに到着しました。

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