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リアル『世界の車窓から』BGMはカーペンターズ【中国・北京⇒西寧】

『世界の車窓から』が好きだ。車窓という限られた世界から眺める風景と石丸謙二郎の淡々としていながらも、ふとした瞬間に暖かさを感じるようなナレーションにディレクターが取材した乗客の話。そして何よりBGMの選曲が好き。旅の高揚感や孤独感、その回、その回にぴったりとはまった知らない曲を紹介してくれる。
世界一周中は何度か列車も使って旅をしているが、一番『世界の車窓から』感があったのは、中国の鉄道だった。

2016/5/23投稿

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さて、今回は北京最終日の話。宿のチェックアウトを済ませ併設されているカフェで調べ物をしていると、万里の長城ツアーでガイドを務めてくれたMarkさんが声をかけてきました。「今日、北京から移動するんだ」と話すと、「切符は買った?見せて!」と切符の見方を教えてくれて、切符だけでなく、宿のもう一つの最寄り駅「珠市口(ズーシーコウ)」(北京西駅まで1本で行ける)までの生き方も地図を書いて説明してくれました。

さらにMarkさん、今日はカフェの担当だったらしく、オレンジジュースをサービスしてくれるという至れり尽くせり!
…が、私、かんきつ類が世界で一番嫌いな食べ物でして…せっかくサービスしてくれたのに飲めませんでした。こういうとき本当に悲しい。
最後は、熱い抱擁を交わしお別れ!
レオホステルの皆さん、本当に優しくてMarkさんはもちろん皆、拙い私の英語をどうにか理解しようと本当に親切でした!


宿を出たのは13時。初めての中国鉄道なので、少し早めに北京西駅へと向かいました。
16時の列車でしたが13時半過ぎには着いてしまいました。おなじみの保安検査をして改札の中へ。
ちなみに、中国鉄道ではすぐにホームに行けるわけではなく、
待合室みたいな場所で自分が乗る列車のアナウンスがあるのを待ちます。
多分、列車到着の30分前くらいにならないとホームに行けません。また、あまりにギリギリに行くと閉め切られてホームに行けなくなってしまうみたいです。

早めに行動しておいてよかった…!…とはいえ、2時間も待ちぼうけ。イスに座ってずっとボケーっとしていたら、突然、待合室に怒号が響き渡ります!
20代くらいの男性でしょうか?そうじのおばちゃんに何やら怒っているようです。
この男性、スキンヘッドで、顔が芸人のあばれる君に似ていたので、以下、あばれる君とします。

大声で叫んでいるので、待合室にいる100人以上の人が一斉にあばれる君の方に頭を向けています。
時々、おばちゃんのことを突き飛ばしながら、かれこれ10分くらいはずっと怒っているんじゃないでしょうか。
駅員が仲介しに来て、おばちゃんが一回別の場所に退避したのですが、おばちゃんがまた持ち場に戻ってきたら再びあばれる君が暴れ始めます。
元ちとせの「月光」なんてかかるような雰囲気じゃない。

次は若い女性に突っかかり始めました。女性がその場を離れ、別の場所のイスに座っても追いかけてきます。そして、女性のキャリーケースを持って待合室の外に出ようとしているではありませんか…!
あばれる君は女性に対しても一方的に怒鳴っています。あああ、さすがに暴れすぎだよ。

全く怒りが収まる様子がないので、野次馬で見ていた人も段々と飽きてきています。かく言う私も飽きてしまって、次に気にしたときには、もうあばれる君を見つけることはできませんでした。


そんなすったもんだもありつつ、列車が北京西駅に到着したようです。
みんな一斉に車内へ乗り込みます。

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ちなみに車内で切符をカードと交換するので、切符はすぐに出せるようにしておいた方がいいです。
(そして降りる前に再びカードと切符を交換する)

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私が乗ったB寝台は上中下の三段にベッドがついていて、明るいうちは、まだ横にならずに、1番したの座席に座ったり窓側の席に座ったりしながら皆思い思いの時間を過ごします。(人がいたのでわかりやすい写真撮れませんでした)


寝台列車の旅のお供はこちら。

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プリッツ!中国では「グリコ」は「グゥリィコォ」というような発音らしいですよ。


そんな中国列車旅ですが、一番驚いたのがBGMがずっとかかっていること!
トラディショナルなものから、歌謡曲っぽい曲、アイドルソングっぽい曲、ロック、テクノポップ、CMっぽいものまで…様々。
流れる風景とナイスなミュージック…これってリアル『世界の車窓から』じゃん!
なんて思いながらぼーっとしたり、本を読んで過ごしました。
ちなみに1回だけ、カーペンターズの曲が流れて泣きそうになりました。やっと知ってる曲きた!ってね。
目の前に広がる知らない土地の景色、耳から入る知らない言葉…異国で感じる心細さを優しく包んでくれるような曲調が、こころに染みていきました。

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そして、5月18日14時。列車は22時間ほどかけて、青海省の省都・西寧に到着しました!

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