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「エシカルフード基準」セッション対話録 第7回

『エシカルフード基準』最終セッション(2022年2月25日9-13時)

「エシカルフード基準のしきい値を確定させる」
参加メンバー:五十音順
井出留美さん
佐々木ひろこさん
須賀智子さん
中西悦子さん
平井巧さん
藤田香さん
藤田友紀子さん
森枝幹さん
山本謙治さん
「Tカードみんなのエシカルフードラボ」事務局メンバー


(瀧田)
今日もよろしくお願いします。いよいよ、最終セッションということで、『エシカルフード基準』のバージョン1を今日作り上げることができたら良いかなと思っています。とはいえ国際的な進捗や日本の進捗の状況や、『エシカルフード基準』バージョン1を世の中にその公開してからは、様々な方面からご意見をいただけることになると思っていますので、常にブラッシュアップする意識は持ちつつ、この対話も続いていくのかなと思います。一旦今日は最終セッションというような区切りにはなっていますけれども、今後も続けていくことができたらと思っています。本日4時間どうぞよろしくお願いいたします。

セッションを始める前に今後のロードマップについてです。今まで何回かお話をさせていただいている部分もあり重複するところはありますが、今日しきい値を確定していくに際して今後どうなっていくのかもう少し解像度上がらないと、イメージもつきづらく、対話もしづらい部分もあるかなと前回感じましたので、お話しできればと思います。

1点、今まで『エシカルフードスコア』と言っていたサービス名ですが、正式に『エシカルフードアクションスコア』に決まりました。エシカルフードスコアというと商品にスコアがつくようなイメージで捉われてしまいがちでしたので、あくまでも生活者のアクションにつくスコアというところで『エシカルフードアクションスコア』を正式名称にしました。

今1年以上をかけて対話を続けている『エシカルフード基準』作りですけれども、『エシカルアクションフードスコア』でより良い商品を選択できる生活の指標を提供するための基準です。
この資料の左にあるのがエシカルフードで、今作っている『エシカルフード基準』をメーカーさんに採点をしていただき我々のデータベースにフラグ付けをします。右側の『エシカルフードアクションスコア』というのが、エシカルな商品を買っていただいた購買履歴を集計してスコア化し、会員に付与するものです。それをT会員の皆さんに見ていただいて、自分のエシカル消費がどれくらいなのかなとか、それを構成する商品群や、商品の情報を見ていただけるようなインターフェイスがあるようなサイトをゆくゆくは作りたいというところです。

こういった仕組みなのでTカードの購買履歴がベースになります。何を買ったのか、その中でエシカルフードをどれくらい買っているのかというところがベースになりつつも、それだけではなくその方の知識や姿勢を問うようなアンケートのスコアだったり、我々に入ってこない購買履歴をお客様ご自身の選択で連携をする仕組みがあったりなど、アクションも含めたスコアになります。

前回、メーカーさんと流通さんにも入っていただいて、私自身もすごく学びや刺激があり、考えることが多かったセッションでした。今回はしきい値を最終的に決めていくというような形になると思います。

今後『エシカルフード基準』バージョン1ができた暁には、スモールスタート企画を始める準備として、『エシカルフード基準』にどれくらい当てはまる商品があるかをメーカーさんご自身で採点していただくフェーズが始まります。採点に協力くださるメーカーさんの数によって、『エシカルフードアクションスコア』の対象となるSKU数も決まっていきます。

当初は多くのメーカーさんに協力いただけるわけではないと思うので、すごく点数が少ないと思いますがカテゴリの網羅性を担保したいところもありますので、可能な限り企業数とSKU数を増やしていきたいと思っています。

我々のデータには商品マスタがない生鮮食品を除き、約5,000社の食品メーカーさんがいらっしゃいます。この方々をどう巻き込んでいけるのかが今後のラボとしてのチャレンジになるかと思います。カバー率80%で見ても271社の企業を巻き込んでいかないと網羅性は担保できないということです。

しっかり『エシカルフードアクションスコア』を通じて実現したい世界というのがあるわけで、それはより良い消費を選択する消費者を1人でも多く作っていきたい、もしくは消費者側の目線でいくと、少し意識を変えて消費行動を変えてみるというような、そういうアクションに繋がってほしいという思いがあります。それをまずはスモールスタート企画で検証しながら結果が出れば、メーカーさんもそれを見て参加してみようかなと思ってくださるわけなので、最終的には網羅性を高めていく。スモールスタート企画では、先週のセッションでもたまたまお話されていましたけれども、特定の商品カテゴリにおける実験運用を当初から予定していまして、そこからメーカー数を2割ぐらいまで巻き込めるようなところにいくといいのかなと思っています。

そこの巻き込み方ですけれども、エシカルに親和性の高いカテゴリからというのは皆さんもおっしゃっていたことだと思います。あとは2:6:2の法則でいくと6割のフォロワー企業が追随しやすいように、大手のトップ企業にまずはご賛同いただきたいという思いがあります。一方で食品業界の9割以上が中小企業であるということを踏まえると、先週のセッションでも食品メーカーさん、流通さんからの話にもありましたけど、頑張っている中小企業にフォーカスする、消費者から見たときに中小企業の食品が並んでいるようなカテゴリの棚もあるのに、そこの中にエシカルと推薦されているものがないのはどうか。という話もあって本当にその通りだと思っています。

まずは大企業スタートというのは変わりませんが、スモールスタート企画の時点でも中小企業を巻き込んでいけたらいいと思っています。当初は大企業向けの基準をリリースした後すこし時間をおいて、中小企業向けに着手していけばいいと思っていましたが、スモールスタート企画のスケジュールと合わせて4月以降すぐに中小企業向けの基準に着手し、初夏ぐらいまでに完成させたいと考えています。

こちらについても皆さんとの対話を引き続き行わせていただければと思っています。ですので、ロードマップというにはあまりにも直近の話しかできていないのですが、『エシカルフード基準』のバージョン1の枠組みに合意できればと思っております。

(芝池)
ありがとうございます。今皆さんと基準を決めている中で、前回の食品メーカーさん、流通さんのセッションを大企業だけでなく、中小企業も招き入れていきたいですとか、ハードル低くスタートして広げていきたいよねという話は出ていたのですが、それが今後具体的にどう実現されていくのかをイメージできたほうがこの後の話もわかりやすいと思ったので、瀧田さんに冒頭共有をいただきました。

今日の論点としては、まずは『エシカルフードアクションスコア』のもとになる『エシカルフード基準』。リコメンドするエシカルフードを決めていくために、項目としきい値を決めるというところですけれども、その先にどんなふうに参加企業が増えて、消費者に『エシカルフードアクションスコア』がどう付与されるのかを少しイメージしながら考えていただければなと思います。

ポイントはいきなり一足飛びには進まずに、親和性の高い商品カテゴリーから始めて、徐々に参加企業が増えてリコメンドされる商品数も徐々に増えていく、そこが本当にステップバイステップだろうなというところを改めて認識共有しておけるといいなと思っております。

では今日のセッションの目的を改めて資料ベースでも共有します。繰り返しになりますが、今日がこの『エシカルフード基準』を設定する最後のセッションで、1月に2回『エシカルフード基準』の項目としきい値の議論をし、それに対して食品メーカーさんと流通さん、3社の方をお招きして、フィードバックをいただき、今日はそのフィードバックをもとに実際に確定していくことが目的になります。

大企業向けの『エシカルフード基準』の項目としきい値に関して、有識者の皆さんと合意確定させたい3つがあるのでこれまでの流れを踏まえて整理をしています。

1点目は「企業評価」のしきい値です。2022年度最低限満たしてほしい基準を全て満たさなければいけないと設定していいのかどうか。

2点目は「フード評価」の項目です。前回食品メーカーさんと流通さんを招いたセッションで「フード評価」は項目も多く負担が多いハードルが高いという声がありました。それを受けて、大項目の調達と包材は残して、製造、表示、ロジスティクスは、「企業評価」に移動させてしまいシンプル化してもいいのではないかという案が出ていましたが本当にそれでいいのかどうか。

その上で「フード評価」のしきい値ですが、前回一点豪華主義として、廃棄食品をうまく活用して商品にしているとか、エシカルな食材を調達して作っているなど、1個いいところがあれば、それでクリアでいいのではという話がありましたが、一点豪華主義はそもそもどういう意味か。中身のところはまだ深められていないので、皆さんそれぞれの考えを改めて共有しながら、「フード評価」のしきい値を決めていければと考えています。

今日の流れとしては恒例のチェックインをさせていただいた後に、食品メーカー、流通セッションの振り返りをさせていただき、その後先程の3つの論点を話すのに、『エシカルフード基準』の運用についても皆さんの認識を揃えておけるといいなと思いました。
『エシカルフード基準』が運用され始めた3月以降、スーパーやコンビニなどの棚に並ぶ商品のうち、どれくらいの商品がエシカルフードとしてリコメンドされて欲しいのか。これが例えば、5割なのか3割なのか2-1割なのか、もっと少ないのか。なるべくハードル低くリコメンドされる商品増えて欲しいというイメージがありつつも、具体的にどれくらいの割合で棚に並ぶと思っているのかは、意外とイメージがバラバラで統一されてないのかなあと思っています。

ここをまずはみんながどう考えているかを共有した上で、なおかつエシカルフードとしての信頼性を担保した上で、どう項目としきい値を決めていければいいかを皆さんと全体での会話として進めていきたいと思っています。

最初は恒例のチェックインということで、お1人ずつ順番に2分ぐらいでお願いできればと思います。今日皆さんに共有いただきたい問いとしては、去年の3月にスタートして、何回もセッションを重ねて皆さんにお時間をいただいてきて、一応今日が最後のセッションになります。内容を合意していくにあたって、今日ここについては絶対に話しておきたいなというポイントがあれば、それを共有していただければと考えています。

(山本)
先日のメーカーさん、スーパーさんのお話を聞いて、やはり大変だなあと感じました。これまで基準を厳密に作ろうと思っていたのが押し戻され譲歩しようかなと思った瞬間もありました。でもその後いろいろ考えて、社会を変えていこうと思っているからにはと逡巡しているところもあり今日話したいのは、みんなにとって譲れない部分はどこなのというところだと思います。

(芝池)
みんなにとって譲れない部分がどこか、まさに事務局でもそこを話したいなって思っていました。この後、一緒に話していければと思います。

(佐々木)
奇しくも山本さんがおっしゃったのと全く同じことを私も考えていて、皆さんの譲れない部分はすごく聞きたいのですが、基準を作った側の意識というものが、私としては有識者の皆さん全員にほぼ共通なのかなという勝手な思い込みがある程度あったのは確かです。そうではなくて、やはりこれだけたくさんの方々が入ってらっしゃるのでもっと向き合わなくてはいけないと思っております。ただ、やりやすいように持っていくことが社会を変えることにはならないのも事実だと思うので、そこをきっちりお話しできればと思っております。

(藤田香)
前回参加できず議事録を拝見させていただいて食品会社との話し合いがいろいろ弾んだことがよくわかりました。たまたま月末記事を書いていたのですが、ちょうど私達が議論している人権は今すごく世界で動いています。例えば、アメリカはウイグル産の食品を使ったものは輸入しないとか、輸出規制とか、ヨーロッパが人権デューデリジェンスを法制化したり、日本政府もいろんな製品企業に対して、人権デューデリジェンスをちゃんとしているかを調べましょうというガイダンスを今年の夏に出すなどの動きがあります。そういう中でアパレルもそうですけど食品メーカーが大きく動いているので、タイミングとしては皆さんの関心が集まる時期なのかなと思っています。それだけに責任が重いというか、スーパーの商品にどの程度該当するのか、本当にこれってエシカルなのかという消費者の目もより厳しくなりそうなので責任重大だなと感じながら、参加させていただいております。

(藤田友紀子)
前回のスーパーさんのコメントが心に残っていて、「ボードメンバーでさえ、担当のバイヤーでさえ、このことをあまりよく知らない、興味ないよ」とおっしゃっていて、流通の先端の方々がまだまだというのを実感しました。その現場感とこういう有識者の方々の意識の高さはすごく乖離していると。でも高すぎてもついてこられない、その現場がまだまだというところをどうやってしきい値に収められるのかなと感じていて、グレードを下げちゃいけないけど夢のような、理想のようなところでもいけないと思いますし、そこの皆さんの譲れない部分をしっかりと話し合いながら、最後決めていきたいなと思いました。

(平井)
いつもこの予定をカレンダーで確認するたびに、日が経つのは早いと実感していました。最後なので、改めてこの時間をかみしめたいなと思っています。僕も前回参加させていただいて、ポジティブな意見で言うと、ああいった意見を伺えてよかったなと思いました。改めて現場レベルなど今藤田さんがおっしゃったようなことと、我々がやっていることの溝や距離も感じたのですが、一方で今考えていることが世に出たときのインパクトや期待も感じられたので、ますます上に出るべきだなというふうに感じました。出た先でどうやって進め広めていくのかが重要になっていくのだろうなと思いました。今日のゴールは大企業向けのものを形にすることですが、その先のこと、みなさんが消費者になったときの視点も個人的な意見でいいのでぜひお話できたらいいなと感じました。

(井出)
前回のセッションに参加し、本当に大手メーカーでいいのかなと考えてしまいました。山本さんが紹介してくださったイギリスのエシカルコンシューマーのリストが元になって始まっていると思いますが、そこでは、私がかつていた、いわゆる大手食品メーカーのものは買うな、小さいメーカーのほうを買ってと書いてあります。日本でも、消費者の立場に立って考えたときに、エシカルコンシューマーの人は本当に大手メーカーの醤油を使っているか、お酢を使っているかと考えたら、そうではない気がしています。美味しさとか値段だけじゃなくて、本当に食を大事に考えたら、持続可能にしなきゃいけない。持続可能にするには、今の大手メーカーがやっている大量生産モデルはあり得ない。と考えると、今回は大企業ということですけれども、前回のセッションに参加してから、そこにクエスチョンがついています。皆さんの意見を伺いたいです。

(森枝)
僕も溝というか僕たちと大手メーカーもそうだし一般消費者もそうですけど、思っていることは皆さんが言ってくださいました。ただ僕はいろいろ食べ物の商品を作っている会社として、企業が自分でチェックしてとなると割とお任せになり、投げっぱなしみたいな感じになるのかなと思うところがあります。監査ではないですけど細かいルール作りやチェック体制みたいなところもポイントになりそうだと思いました。細かい運用のフローみたいな話はこの場ではないのかもしれませんが、もう少しお互い緊張感を持ってできる方法はあったほうがいい気が僕はしています。

あと大手メーカーの人たちはやってもらって当たり前の感覚で、アクションスコアももらえるのが当たり前みたいなスタンスは少し違うと僕は思います。

(須賀)
先日の企業の皆さんとの会議で、スコアリングに対する彼らのニーズが垣間見えた中で、どちらかというと消費者側への働きかけで、懸念点を払拭しニーズを満たしていく側面が大きいと感じました。メンバーと話したいというよりは、実際もうすぐリリースというタイミングになってきているので、消費者がどのようにスコアと向き合うのかを念頭にイメージを持ちながら話を進めていく必要があるのかなと感じています。最終的なエンドユーザーである一般の生活者の行動が変わっていくことをめざしたスコアですので、彼らがエシカルフードの基準まで見てくれたときに、視点が1側面でなく、網羅的にカバーされていること、偏った印象ではないことと、自分の行動、購買が、企業努力や活動に繋がっていく。その両立が垣間見られるといいと感じています。

余談ですけれども、自分の仕事や研究の起点になっているのが、ちょっと誤解を生む表現になるかもしれませんが、「人は知るだけでは変わらない」ということです。どうしようもないこの事実と向き合ってきた十数年だったので、知ることは必要ですけれども、知ったことを知識として活用してもらわないと、それはただのファクトのみで終始してしまうので、重要なのは「知り方」だと考えています。こうしたフードスコアが企業側にとっても影響し合い、消費者側にとっても、常態化している自分たちの購買活動あるいは生活といったものに、問いを持った上で向き合う。その知識やアクションが重要だと感じています。その辺りを念頭に、議論を進められたらなと感じています。

(芝池)
事務局のメンバーからも簡単に一言ずついただければと思います。

(瀧田)
私も皆さんと同じで、しきい値の捉え方というか多くの企業に協働、参加してほしい一方で、これがエシカルフードだとラボとして推薦するわけなので、それが本当にエシカルなのかという観点も大切かなと思ったときに、バランスがとても難しいなと思っています。厳しくしすぎると後で出てきますけど、世の中のSKUの2パーセント、1パーセントもないくらいになってしまいます。それで本当にいいのかとか、我々はスーパーで普通に売っているものの中からも、エシカルを選び取れる、食を考えるという話がいいのかなと思っているのでそこのバランスが難しいなと思いながら、答えは出ていません。

(湯浅)
私も前回のセッションを受けて大企業と中小企業の境についても考えながら、この1週間スーパーに行って買い物をしたときに、実際に買っている商品をどんな企業が作っているか商品の裏側を見てみると、知らない会社名ばかりでした。そういった商品を買っている自分もいます。今回、大企業のしきい値が決まりますけれども、あまり時間を空けないうちに中小企業の基準も作っていきたいなと思いながら過ごした1週間でした。

今日は大企業向けの最後のセッションですので、皆さんのご意見をたっぷり吸収し、リリースに向かいたいと思います。

(深井)
皆さんがおっしゃる通り、改めて前回の流通さんメーカーさんの話を聞いて、現状とギャップがあると非常に感じました。とはいえ、エシカルを流通させていくために我々お話してきたなという思いもあるので、難しいかなと思いますが、ここに参加された皆さんが納得できるような形でローンチできていけるような流れになったらいいなと思っております。

(中岸)
今回メーカーさんのお話をお聞きして、どれくらいを基準にしていくのかがすごく難しいけれどもポイントになるところだと思います。CCCが本プロジェクトをやる意義として、普通の消費者が少しだけでもエシカルのアクションをしていけるという状態を作ることができる、ものすごく意識の高いパターンだけではなく、広げていけるというところがいいなとおっしゃっていただいたりもしたので、そういう形になるように作っていきたいと思っています。

(有福)
私も前回の流通、メーカーの方々の現場の話を聞いて、これまで皆さんと一緒に作ってきていた部分のどこに着地させるのが良いのかは難しいなというのを改めて感じました。ラボとしては多くの方々に少しでも良いアクションをとっていただきたいところで、あまり高くし過ぎてもそもそも存在すら知られないみたいな形になってしまいます。それよりは、いろいろご意見もらいながら、どんどん社会に出してブラッシュアップしていく姿勢なのかなと感じているところです。この辺だったらいいのではというところも、1つのゴールが見えるといいなと思っております。

(芝池)
皆さんのお話をそれぞれお伺いして、今日、何をしっかり深めていきたいかは目線が合っていると改めて感じました。藤田友紀子さんの、「グレードを下げすぎてもいけないし、夢、理想が高すぎてもいけない」というところはわかりやすかったですね。食品メーカー流通さんに対してもそうだと思いますし、消費者にとってもそうだと思いますし、それぞれにとって下げすぎても駄目だし、理想が高すぎて夢でも駄目だし、ちょうどいいラインがどこだろうかを深めていけるといいなと思いました。

2点ほど気になったのが、森枝さんがお話してくださった今後の運用フローがどうなっていくかという点は今日はがっちりと話す時間はないと思うので、事務局で今後リードしていきつつ、皆さんにご意見いただいく形で今後もコミュニケーションさせていただきたいと思います。

あと井出さんより、これ本当に大手企業向けでいいのかとのお考えを共有していただきました。疑問が本質的で大事なポイントだと思ったのですが、今日は大手企業にフォーカスをしていくことになります。井出さんの意図としては、「大手企業を入れる必要がない」とおっしゃっているわけではないですよね?そこら辺もう少し理解しておけるといいなと思っていましたが、いかがでしょうか?

(井出)
確か、前回、小売の方が、消費者として見る必要がある、とおっしゃっていましたよね。そうしたときに、エシカルコンシューマーと言われる人たちが、本当に大手メーカーの商品を評価するのかというクエスチョンがあります。私が勤めていたのはいわゆる世界的な大手メーカーでしたが、アメリカのスーパーで、ホールフーズやトレーダージョーズには置いていませんでした。ターゲットみたいな大衆向けのスーパーには置いてあるっていうことで、大手にはそういうものが多いのではないかと思われます。

日本だと、名が知られているとか、ブランドが認知されていることが評価されやすいけれど、果たしてそうなんだろうかと思ったわけです。将来的に持続可能な食料システムと言っている今の時代に、果たして大企業を評価して中小企業を評価しないとは、大丈夫かなと感じました。日本の中にもエシカルコンシューマーがいるわけですが、その人たちが見たときに、大手が評価され、中小が評価されてないってどうなの、大手におもねっているんじゃないのと言われないかしらと。そうなると、このスコア自体の信頼性や信憑性はどうなるのか、というところでした。

(芝池)
信頼できる基準にしていきたいところは、皆さん共通かと思いました。『エシカルフード基準』だったり『エシカルフードアクションスコア』がどんどん広がっていった先の未来には結果として大手企業の商品よりも中小企業の商品の方が選ばれるようになっている。みたいな未来があるかなと聞きながら思いつつ、まだまだ日本の現状だと、先なのかなという気もしたので、過程として、今回大企業向けと中小企業向け、それぞれ検討できるといいかなと私は井出さんの話を聞いて思ったのですが、思ってらっしゃることと、相違はない感じでしょうか?

(井出)
そうですね、さっき湯浅さんも、自分が選んだものの裏を見てみると、意外と知らない会社ばかりとおっしゃっていました。結構ここにいるメンバーは、エシカルコンシューマーだと思います。食を仕事にしているけど、みんな食べているわけで、食べ物を自分でコンシューマーとして選んでいるわけで、皆さん、どうやって選んでいますか?というのは伺いたいですね。

大手企業か中小企業かで選んでいるわけじゃないと思います。だけれど、皆さんの鑑識眼で選んだときに、案外小さいところを頑張っている小さい企業という結果になることも多いのではないかなと、こだわって請けているお店なんかは、もうそういうふうにしてるところもありますね。

(芝池)
セッションの目的として構造上、大企業と中小企業向けに分けて整理していこうという方針で特に大企業から始めるというのを変えるのはなかなか難しいかなと思うんですけれども、ご自身のエシカルコンシューマーとしての視点を捉えるというのが、今ので明確につけ加わったと感じました。

そんな感じで、皆さんが大事にしたいポイントについてこの後具体的に深めて対話をしていければと思います。最初に前回の食品メーカー流通セッションの振り返りからスタートさせていただきます。

『エシカルフード基準』に対して、3社の食品メーカーさん、流通さんからどんなフィードバックがあったかというと、「企業評価」に関して、大企業目線では項目としきい値でそこまでハードルが高いわけではなく結構クリアできるのではないかというご意見だったと認識しています。

「フード評価」は大企業目線でいくとハードルが高く、SKUの商品改廃も多いので、SKUが増えると評価作業の負荷も結構大きくなりそうだなという意見もありました。
これは裏を返すと、多くのSKUでこの基準をもとに評価してみたいと考えていただいたというポジティブな面もありつつも、実際にはなかなか負荷が大きいということですね。

他にどんな観点が上がっていたかというと、『エシカルフード基準』と親和性の高い商品カテゴリと、取り組みづらい商品カテゴリがありそうだと。実際にスーパーの棚を思い浮かべたときに、カテゴリの偏りが出るのではないかというお話もありました。

続いて冒頭でも共有させていただきましたが、多くの基準を満たす考え方ではなく、一点豪華主義の評価でもいいのではという案もありました。その場では皆さん共感しつつ、今日のチェックインで共有いただいた内容を考えると、ハードルを低くしすぎて、信頼できないような甘めな基準になってはいけないと思うので、一点豪華主義にしていくとしたら意味のある一点豪華主義にする必要があるかなと思っています。

あとは、項目数が多いとなかなか評価作業の負荷も大きくなるというところで、大項目の製造やロジスティクスを「企業評価」に移動してもいいのではないかという案です。これはSKU単位で評価するよりも、製造している工場単位や、全社単位で評価するのが実情に即しているという背景です。

こういったフィードバックも踏まえたふえで、冒頭でも共有させていただいた今回のセッションの論点を整理させていただきました。まずは大企業向け「企業評価」のしきい値ということで、現状の項目でもそんなにハードルが高すぎないというご意見や、実際2社の食品メーカーさんからテスト採点していただいた結果を確認しても、2022年に最低限満たして欲しい基準は、ほぼ満たしそうな状況でありました。

ただ「ほぼ」がポイントになるかなと思っていまして、8ページを見ていただくと、「企業評価」は最低限満たしてほしい基準を満たさなかった項目が5つありました。2022年最低限満たしてほしい基準は、すべて満たす前提で、最終的にこの基準を満たすと、大項目ごとに☆をつけるしきい値の考え方を共有していたと思います。
「企業評価」だと☆四つのうち二つ取ればいいのか、一つ取ればいいとするのか。それとも、全ての大項目で最低限満たしてほしい基準をすべて満たすのはなかなか難しそうなので、例えば80%以上とかでしきい値を設けることによってハードルを下げて、バランスよく大項目をとれるようにするのか、しきい値の置き方として、大きく二つ考え方があるかなと事務局では考えていました。もしかすると他にもパターンあるかもしれないですけれども、有識者の皆さんに、何が一番イメージに近いかご意見を伺って、しきい値の考え方を確定させていきたいと思います。

論点の2点目は、「フード評価」の項目です。「フード評価」に今ある大項目、製造、表示、ロジスティクスは、SKU単位というよりは工場単位、全社単位で評価するのか実態に合っていることを踏まえると、「フード評価」には調達、包材を残して、製造、表示、ロジスティクスは「企業評価」に移動してもいいのかなと事務局では話していました。「企業評価」の主には環境に紐付けて整理できそうだというところまでは、確認できました。移動させること、項目数を減らしてスリム化させて評価をしやすくするところに関して、皆さんがどう思うか、ご意見を伺っていきたいと思います。

最後3点目は「フード評価」のしきい値で、前回一点豪華主義という案が出てきましたが一点豪華主義とはそもそも何を意味しているのだろうか。これを採用するなら、皆さんと合わせた上でしきい値として具体的に確定をしていければと思っています。これは事務局案ですが、一点豪華主義を改めて考えたときに、調達はまさに商品そのものなので何かしら項目をクリアしていないとエシカルとは言えないんじゃないかと思いました。

例えばFSC認証を取った包材で作られていますだけに◯がついたら、エシカルと言っていいのかという話です。なので調達一点豪華主義に、言い換えることができるとも考えていました。

あと大企業は包材に関して取り組みが進んでいることを考えると、調達は必須でプラス包材又は表示の二点豪華主義を求めたとしても、意外とクリアできるのではないかなというところも事務局で話しました。これたたき台にしながら意見を伺いできるといいと思います。
瀧田さん、何か補足事項ありますでしょうか?

(瀧田)
今「フード評価」の中で、「企業評価」項目で移動しようと言っているのが、製造、表示、ロジスティクスになっているので、今の論点でいうと一点豪華主義というのは、調達と包材の中でどうするかですね。

(芝池)
この後三つの論点について皆さんと議論していきたいと思いますが、その大前提として、最初に『エシカルフード基準』の運用に関して、実際にどれくらいの商品がリコメンドされるものとして棚に並んで欲しいかの認識合わせを最初にしたいと思います。時間軸としては2023年を置かせてください。この基準がリリースされてスモールスタート企画が親和性の高いカテゴリーからはじまり、積み重なって、『エシカルフードアクションスコア』ベータ版として運用できそうなタイミングを想定した時にスーパーやコンビニなどの棚に並ぶうち、どれくらいがエシカルフードとしてリコメンドされてほしいか。

消費者が買い物に行ったときにこれくらいあってほしいという観点もあると思いますし、食品メーカーさんにどれくらい頑張ってほしいかもあると思いますし、信頼性が担保できるか、実際どれくらいが現実路線なのかという、いくつかの観点が織り交じる部分だと思います。理想とする商品ボリュームとエシカルフードとしての信頼性の担保が両立できるのか。こういった観点で話しながら、認識を共有していければなと思っています。

現状の基準ではどれくらいがリコメンドできそうだいう数字が出せれば理想なんですけど、それは出ないので湯浅さんの方で参考になりそうなデータを共有していただいてから対話に移れればと思っています。

(湯浅)
ある大手スーパーさんのPB商品の事例です。この大手スーパーさんはPBに注力をされていて認証付きの商品取り扱いの拡大を戦略としておかれていますので認証付きの商品自体が多い企業である前提で見ていただければと思います。

まず全体の商品数としては食品のみで3,700弱ですけれども、今MSC・ASCそれからオーガニック有機JAS認証それからRSP0認証、あとフェアトレードの認証商品が266点です。つまりPB商品のうち約7%の商品が認証をとっているような実態になっています。

MSC認証では魚、ししゃも、たらこなど、オーガニックについてはトマトジュースやカット野菜、冷凍食品の野菜、RSPOについてはカップラーメン、フェアトレードについては、コーヒーやチョコレートなどが入っていてこの比率になっています。これだけ先進的に取り組みされていても7%なので、議論の中で出ていた2割という数字は結構高いハードルになってくるかなというふうに私自身も感じたところです。

また実際のスーパーの棚を想像してというところですけれども、皆さんのイメージが膨らみやすいように一般的なスーパーにおける食品カテゴリを羅列しています。取り扱っているSKUが食品問わず日用品雑貨も含めて2万点くらい、そのうち食品だけに限ると、企業さんの戦略によって割合は変わりますが7割から8割ぐらいです。つまり1万6000点ぐらいを取り扱っているとお考えいただければと思っています。その中で今回の『エシカルフード基準』にあてはまりやすいカテゴリなのかも考えていただければと思っております。

(芝池)
あくまでも一企業のデータですが、実際にその商品棚でどれくらいリコメンドされるだろうと考えるときの参考ということで共有させていただきました。
ここからですが、最近全体で話すのが続いていましたけども、2グループに分けて、それぞれ対話し、その後全体で共有する形で進めていければなと考えています。

(芝池)
皆さん、どうでしたか?私は2グループにいましたが思った以上に皆さんの認識が揃っていました。1グループから共有いただければと思います。

(有福)
私が代表して話しますけど皆さんも補足あればお願いします。先程の大手企業のデータでは認証付き商品は7%ぐらいの割合になっていましたが元々売り場を作って、売り場でちゃんと認知を広げていったから、ある程度インパクトがある形で生活者とコミュニケーションできていると思います。もしかすると、SKUの何%という考え方でなく、流通さんとうまく協力しながら棚を作り、最初2%もいかないかもしれないけれど、少ない数でもちゃんとエシカルフードがあるというところのコミュニケーションが重要ではないかと話をしていました。

面ができると印象が変わるところもあるし、いっぱいあると表現できるのではというところで、パーセンテージに捉われなくてもいいのかもしれないという話が総論です。最後エシカルフード100とかそういうわかりやすいコミュニケーションも大事なのかなという意見もありました。

(瀧田)
あとは、エシカルオタクを相手にするのではないという話がありましたね。

(有福)
ホールフーズとかで大手メーカーの商品がそもそも売ってないというお話がありましたが、エシカルオタクの人たちは元々取り入れているので、今後絞り込みすぎてしまうと結局今まで買い続けていたエシカルオタクの人しか買わないのでは効果はないという話ですね。社会におけるインパクトは薄くなります。7,000万人のお客さんとコミュニケーションしていくのが今回の取り組みで、普通の人が10回に1回でもより良いものを買ってもらえるとか、裾野を広げていくところを形にしていけるといいのではという話をしておりました。

(芝池)
今ある棚の何%シェアをとる考えとは別で、新しいカテゴリを作っていくという話かなと聞いていました。グループ2については私のメモなので認識が違えばご指摘ください。グループ2は、想定として2割、3割、15%などの話も出ていたのですが、さっきの大手スーパーさんの事例を見ると、普通のスーパーで目標は10%ぐらい、実際には5%ぐらいがリコメンド対象になるのではないかという話でした。

実際にこだわりやさんで扱っている商品だと8割ぐらい取れそうという力強いコメントをいただいた一方で「フード評価」はとれるけど「企業評価」は難しそうだという現実的な話もありました。

2023年のその先の話も出ましたが、多分そこは『エシカルフード基準』と『エシカルフードアクションスコア』がスタートして、参考にする消費者が増えて、こだわりやさんやこだわりのある流通で買い物する方が多くなるという流れになるのか。そうだとすると、結果として、大企業も変わっていかないといけないというプレッシャーがかかってエシカルの流れが加速していくのではというイメージの話がありました。
あと大企業は「企業評価」はできるけど「フード評価」がなかなか実現しにくいし、中小企業は反対に「企業評価」が難しいけど「フード評価」は実現しやすい。この二律背反の状態のところで、大企業のために「フード評価」のハードル下げるという方向でいいのだろうかという問題提起をいただきました。大企業は調達のところをもっとがんばってもらうように引き上げてもらって、そこは中小企業にしっかり点を取ってもらうのがいいというしきい値と関連する話も出ていた感じです。

最初の問いに戻ると、普通のスーパーだと目標の中で、実際5%ぐらいからスタートして、時間をかけて2割ぐらいに上げていくような話がこちらでは出ていました。
両グループの話を踏まえた上で、運用が始まったときのリアルな棚のイメージをみんなで共有しながら、この後論点の議論に入っていければと思いますが、瀧田さん、ここまででいかがですか。

(瀧田)
おそらく一般のスーパーで2割という目標は、この『エシカルフード基準』、『エシカルフードアクションスコア』が世の中に出て消費者も変わり、大企業も変わるようになって、商品の質や内容が変わっていった暁に達成できるような少し先の話なのかなと思いながら聞いていました。

一方で、やはりこの『エシカルフードアクションスコア』はTカードが使える流通の購買履歴しか見られないわけなので、対象の売り場はスーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストアです。

そのためまずはいつものお店で実はエシカルなものがある、というテーマで、自分の消費を考えるところに繋がるといいのかと思うので、それ以外の流通さんにどう広がっていくかは時間がかかるお話だと思います。ロードマップ的には5、6年ぐらいかかるようなお話なのかなと聞いていました。

まずはスーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストアの気軽に買える商品の中でエシカルな割合がどれくらいなのかでいくと、数%っていうことなのかなというふうに思います。

(芝池)
私はグループ1の新しい棚を作るというのが具体的な数字として想像しきれなかった部分もあったのですが、グループ2で話していた2023では10%目指したいけど、実際5%ぐらいになるのではないかというのは、皆さん、リアリティを持ってイメージできるラインでしょうか? 例えば目標10%でも実際5%のところを考えると、しきい値の最終的の着地というか、イメージがどこら辺か改めて皆さんにお伺いしたいのですが、どうでしょうか。

(森枝)
パーセンテージの認識をみんなで合わせることを考えると、商品数でいったときに、スパイスのブランドが沢山取ってくれたら、スパイス60種類あった場合100%に近くなります。まずSKUの数が多いものを中心に狙っていけばパーセンテージを上げられるのではないのかなと。

大手企業のプライベートブランドも結局重さと数が違うだけで、SKUとしては1つの商品にカウントされるマジックはあるので、スーパーでSKUが多いもの、同じブランドでフレーバー違いが10種あれば10個ゲットみたいな感じでも狙えます。パーセンテージという概念だけだといけるのではないかと思います。SKUが多いものを狙うという考えです。

(芝池)
その辺は山本さんとか藤田さんとかが詳しい部分かと思いますが、今の森枝さんの話は、親和性が高いところを総取りしてくという話だと思いますが全部総取りしたとしたら、目標10%とか15%というのは、簡単に達成できる感じですか?

(藤田友紀子)
この前の小売さんがおっしゃっていましたけど、カテゴリによって偏りがあります。本当にその通りで、ドライフルーツとかコーヒー、紅茶、オリーブ油になると、かなりエシカル度が高くなり、水産系になると下がりますし、加工度が高いとまた下がるなど、カテゴリによってはすごく偏りが出てくると思われます。現場感で言うと商品数が30から50入っているとしたら、その中の5%はたった1、2アイテム。一つ90センチ×150センチぐらいの棚に1、2アイテムって大したことないですよね。現場の目線としては、森枝さんがおっしゃるように、スパイスはほとんどが今オーガニックだったりするので、偏りはあっても5%は夢の数ではないとは思います。

大手スーパーでもエシカルコーナーは増えています。肉野菜のコーナーとか、先ほど話に出たライフのビオラルコーナーとか、イオンさんのオーガニックの野菜のコーナーがあったりするので、コーナーになるとインパクトがすごくあるという印象を持っています。

(芝池)
山本さんは、グループ2で結構リアルな数字イメージをお話してくださいましたが、総取りの考えでスパイスは8割ぐらい取れるみたいな感じのことを想定しても10%くらいですかね。

(山本)
森枝さんが言ってくれたようなテクニカルなことで、こうやったらエシカルフードはいけるなというメーカーが現れるくらいならいいけど、それを踏まえても10%いったらすごいと思います。でも本当に『エシカルフード基準』の上位を狙った商品を作るとして、それが本当に美味しくなるのか、売れるものになるかは別問題ですし、一つ考えなきゃいけないのは、森枝さん的な発想をするメーカーがいたら、ほぼ国産品を使わないはずですね。エシカルの点数を取れるのは、圧倒的に海外のものが多いわけで、ビオセボンの店頭を見ても国産品よりも海外のものが多かったりするわけですよね。

(芝池)
そこは調達とも関係してきそうですね。

(佐々木)
私はいまいちピンときていなかったかもしれませんが、さっき藤田さんがおっしゃった棚の中で、一つあれば達成。そりゃそうかそうかと思ったのですが1店舗のスーパーの商品点数、SKU単位でだいたい2万点のうち食品になると1万6000点という数字の提示があった中で、5%というと1店舗当たり800点ないといけないことになります。

それは無理だろうと思いました。グループ1のほうでは、最後須賀さんが1店に100点あればとおっしゃって、それはそうだなって私は思っていました。

(芝池)
最初に湯浅さん言ってらっしゃった1万6000点は、スーパーの棚に常にそれが全部並んでいるわけではないのが大前提になる感じですか?

(湯浅)
年商3000億4000億ぐらいの大手スーパーさんではそれぐらい並んでいると理解しています。

(芝池)
そう考えると10%相当頑張っても目標やっぱそういうことになるのでしょうか。

(瀧田)
2022年度の基準が適用されて2023年度に『エシカルフードアクションスコア』が世の中にある程度の形で出ていったときの話ですよね、この数値がどれくらい難しさを持つのかが、正直わからないですがこのあとのしきい値にも関わってくると思います。認証がマストになったら、もう正直厳しいですね。

(山本)
瀧田さんがおっしゃっていたTカードが導入されているのが、コンビニ、ドラッグストア、スーパーですよね。そこをターゲットにすると厳しいと思ってしまいました。

(瀧田)
購買履歴を取得できないと、システム的にスコア化して生活者に付与することができないのでまずはその流通をターゲットにしています。ただエシカルな食品は当然その流通さん以外にもあるので、消費者がいろんなお店でお買い物をして自らレシートを通じてデータ連携するシステムを稼働させることができたら、Tカードの提携店以外、例えばこだわりやさんのレシートを連携していただけたりして、そういったものが購買履歴の中の集計対象に入ってくると、山本さんのおっしゃっていたような世界に近づくのかなと思って聞いていました。

(芝池)
少し雑ですがまとめると、2023年にスタートして1年ぐらい経ったタイミングでは、スーパーの棚を見たときにはカテゴリごとの偏りがあるだろうと。その中でも1棚、2棚はエシカルフードコーナーみたいなのが並んでいるといいのではないか。それが正確かどうかわからないですけどシェアの数字で表すと、やっぱり目標10パーセント、実際5パーセントというところに落ち着く感じですかね。

(佐々木)
5%もいけますか?

(瀧田)
2023年度ですもんね。まだメーカーさんが商品の作りを変えたみたいなことが起こってないときです。

(芝池)
3%くらいですかね。

(山本)
ドラッグストア、コンビニでやるとやっぱり3%も厳しいのでは。

(佐々木)
逆にそのパーセンテージを上に持っていこうとすると、しきい値を下げていかなくちゃいけないということですよね。

(芝池)
そうです。そういう意味では、皆さんが今大事にしたい、譲れないポイントを貫くと、最初はボリュームが出ないのでその認識は揃えておく必要がありそうです。最初から2割3割と思っていると、相当基準のハードルを下げないと無理だと思います。そうなると、信頼性の担保ができるのかという話になりますので、皆さんの物差しが今ずれないようにしたいなと思っています。

(須賀)
もしかしたらご指摘を受けることかもしれないので、ぜひご意見いただきたいのですが、私がこの割合をイメージする際になんとなく思い浮かべていたのが有機JAS認証や第三者認証を取ることができる農家さんのことです。彼らの状況を踏まえると、全体の中で1%にも満たない、コンマいくつみたいな取得率だと思います。でも実際には有機JAS認証や第三者認証を得られているような生産者より、ストイックに栽培を手がけているような小さな生産者さんがいて、手間やコスト面でそういった認証を得られていないような、得ようとしていないといったところも含めて、いらっしゃいます。そういったところも、すくい上げられるような基準だろうと思っています。

それを大企業と中小企業に置き換えてみると、掬いきれないところもちゃんと掬い切る、網羅的にしていくことでなんとか1%以上はいくかもしれない、5%という数字は将来的な希望として置いておくようなレベル感で、1、2%あたりをイメージしていたところです。一次産業の生産者さんと食品メーカーは全然違うのですが割合のイメージを持つのに、そういったことを考えてはいました。

この辺り専門家の山本さんから見ると、考え方のアプローチ、捉え方が違うかもしれないですが割合に関してはそういうイメージを持っていました。

(芝池)
大手だけじゃなくて、中小含めちゃんと丁寧にすくい上げて、目標5%に到達できたらいいくらいのラインで須賀さんがイメージされていたという感じですね。

(山本)
そういう考え方ももちろんありますよね。全然、関係ないのですが有機に関して「みどりの戦略」が、農水省から発表されたことで、国として有機を増やしていく方向に舵を切ろうとしていて、今第三者認証というすごく厳しい認証制度を通過しないとJAS有機認証されないわけですけれども、それがちょっと緩和される方向性になりつつあります。PGSという方法で。その地域にいる人たちであるとか消費者であるとか流通業者が相互に承認をしていくみたいなプロセスが国際的な機関では導入されていて、それが今、業界内で会話されています。日本でも導入されるのではないかと。

そう考えると、2023年度ではどうかわからないけれどもこれから5年ぐらいのうちに緩和と言いますか、裾野が広がっていく制度が設計できてくると思います。山梨県がしばらく前にアニマルウェルフェアの山梨県ルールみたいなものを出したのですがこれも業界内では、驚かれています。
そういう感じで今までエシカルの足かせになっていた、広がらなかった部分が、やや広がりを見せていくような方向になっていると思うので、僕は希望的な数字をそんなに低めにしなくていいと思っています。

(芝池)
2023年スタート時点では最大3%くらい、そこから3から5年ぐらいかけて5%、10%とどれぐらい増えていくかというのは、世の中の後押しみたいなのもいろいろ影響してくるので、まだここでは正確に読みきれないところはあると思います。でも感覚値は揃ってきたかなと思うので、この後それを念頭に置きながら、しきい値の議論を進めていければと思います。皆さん、1回ここで11時15分まで休憩とりましてまた再開いたします。

(芝池)
残り1時間半くらいでしきい値と項目を確定させていかなければいけません。多分議論は発散と集中を繰り返すので、アイディアが出てきたりする場面はあるかと思います。それは遠慮なくお話していただきたいなと思いますが、今日最後のセッションなので、皆さんと最後に項目としきい値について合意確定をさせていかなきゃいけないというのを斜め上に常に思い浮かべながら参加していただけると大変助かります。

先ほど中西さんが入ってきてくださったので、一言お願いします。

(中西)
5%とかいろいろお話されていたので状況は理解していますが、実際どれくらいがいいのかは、自分としてわかっていません。

(芝池)
あんまりこういうイメージがかけ離れすぎていると、しきい値の置き方の物差しが変わってきてしまうので、一応2023年度は頑張って3%、その後3〜5年かけて5%〜10%に上げていく感じぐらいで話していました。実際スーパーを思い浮かべると最初スタートしたときは、棚に一つ二つあったりするくらいかなっていうところを思い浮かべていただけるといいと思っています。

ではここから今日のメイントピックの一つでもあります項目としきい値の話に進みます。この後の論点としては3つあるのですが、大企業向け「企業評価」のしきい値は有識者の皆さんが設定してくださった2022年最低限満たしたい基準もほぼほぼ満たしそうではありますが、2社のテスト採点だと、全部満たすという状況ではないというのを鑑みた上で、しきい値をどう設定するか。事務局案としては、すべて満たすことを前提とした上で、環境、動物、人、社会と4つある大項目のうち、それぞれ☆がついてしきい値として設定することにするのか、それとも2022年最低限満たす地域のうち、80%をクリアしてほしい割合を設けてなるべく4つの大項目にバランスよく☆がつくような商品を増やしていきたいのか。事務局案としてはこの2案です。

2つ目は、大企業向けの「フード評価」の項目に関しては調達と包材を残し、製造、表示、ロジスティックスを「企業評価」に移す件です。

最後3点目が「フード評価」のしきい値で、前回一点豪華主義案も出てきていましたが、ここのしきい値をどう設定していけると良いだろうかという部分に関してです。

「企業評価」の話と「フード評価」の話を、分けて話したほうがいいかなと思っていまして、まずこの「企業評価」のしきい値に関して、お一人ずつお考えをいただきたいです。この二つのうちこっちかなでもいいし、代案があれば出していただければと思います。

(山本)
おそらく大企業が取りやすいのは、前者だと思います。というのも、バランスよくといったときに、こっちの項目は取れるけど、こっちの項目は取れないというのが大企業は出てくると思っていまして、それを考えると、前者のほうで強みを生かす方がいいと考えました。強みがあるので、こっちの☆が取れたみたいな感じのほうが、満たせる人が出てくる気もします。すくい上げるっていう考え方です。

(芝池)
強みを生かす。ありがとうございます。

(井出)
私も前者です。後者だと大項目に凹凸があるというか。こういうのを評価するときはこの項目が全体の中の何%とか、この項目は何%みたいに設定すると思いますが、今からそれはしないと思うし、同じ80%でもこの会社はこっちの項目、この会社がこっちの項目ってなると、何かフェアじゃない感じがします。

(芝池)
項目ごとの難しさが変わってくるから、企業によって満たす項目が80%の中で変わってくると、フェアじゃないということでしょうか。

(井出)
80%と言っても、どの80%なのかは違うような気がします。項目のどれに重きを置くのかも、本当はあると思うので。海外のシンクタンクがやっている評価では95項目ぐらいをやっているけど、項目ごとに重みづけみたいなのをとっていたりします。

(佐々木)
私も前者です。先ほど藤田香さんのお話でもありましたように、世の中政府を挙げていろいろ変わってきているようなときですし、実際調査したときにほとんど満たしそうな勢いであるというお話もありますし、ここはもう絶対条件として大企業には守ってもらいましょうという方向でいくのがいいと思います。

(中西)
自分も前者がいいと思っています。シンプルに消費者の方や実際見る側から考えたとき、わかりやすさも重要です。後者も見せ方の問題だけかもしれませんが、今の段階だと上の方がわかりやすいです。

(芝池)
そうですね、最低限満たしてほしい基準の何%満たせばというのは積み重ねだからややこしいですよね。

(平井)
私も今の意見と佐々木さんの意見と同じです。最低限満たして欲しいと言っている以上、これはすべて満たそうというのはある意味エシカルフードのメッセージでもあるかなと思います。

(藤田友紀子)
私も前者です。やっぱり、企業さんが最低限満たしてほしい基準なので、上の方がいいと思います。

(森枝)
僕も『エシカルフード基準』を読み返してみても、これくらいはできてないといけないのかと思ってもらえるようにしたほうがいいと思いますので前者です。

(藤田香)
私も前者です。後者の80%はわかりにくいので一番上でいいと思います。ちょっとごめんなさい、私の勉強不足ですが☆4つとは、どのことですか?

(芝池)
最低限満たさないといけない基準を全部満たしたら大項目ごとで、環境に☆がつく、動物に☆がつく、人に☆がつく、政治に☆がつくというふうに、最大四つ☆がつきます。☆四つは満点です。☆が二つつく、3つつくという感じで見せられるといいかなという考え方を前提にしています。

(藤田香)
それ全てを目指すのではないのでしょうか?例えば動物は目指してなくてもいいってことですか。

(芝池)
そこがこの次の話です。☆四つが満点で、☆四つ取ってないとエシカルフードとしてリコメンドしないよという話にするのか、☆四つは満点ですが、そのうちの三つなのか二つなのか一つでもいいのかどこをしきい値にするかがこの次の議論になるかなというふうに思っています。

(藤田香)
そうなのですか?満たしてほしい基準は全部クリアすることが前提だと思って今まで喋っていたのかと思いました。8割ないし50%もあるということですか。

(芝池)
すべて満たさないといけないというふうに置くのももちろんあります。ただ現実問題としてテスト採点2社行ったうち、いくつか満たしてない項目がありました。なので、結構頑張っている大手企業でも、☆4つを満たすべきとすると、エシカルフードとしてリコメンドできない状況になると思います。

(藤田香)
なるほど、そういうことですね。

(須賀)
皆さんと同じように前者でいいと思います。公平性があり説明がちゃんとできる形になっているので。後者に関して元々はBコープ認証の一番初めにある企業アセスメントを参考にしていたのですが、おそらく200個ぐらい項目があるうちの、例えば80%を満たすような形でしきい値を設けないのであれば、後者でも理由がつくということはいえます。でも今回は、しきい値をちゃんと設けて満たしてほしい基準とは何なのかを議論した上でのものなので、前者が適切な選択だと思います。

(芝池)
そうすると二つの選択肢のうち、前者の満たして欲しい基準は、全て満たして欲しいを前提にした上で、先ほど藤田香さんのご質問に対してお答えように2社ではあるものの、テスト採点では満たして欲しい基準のうち、いくつか満たせない項目も現実問題ありましたと。

現状全て満たして欲しい基準を全部満たしていると、大項目ごとに☆が付く考え方で進められればというふうに思っているんですけども、ここの☆は、何個でエシカルフードとするかというところに関して、皆さんにご意見を伺いできるといいかなというふうに思っております。
エシカルコンシューマーの話を聞いた時に、環境と人、社会のところはマストで、日本の状況を考えてみると、動物とか政治はこれから取り組んでいくところかなという話をしていたので、初期の頃は大項目のどれと言わずに、☆何個という置き方もあると思います。少なくとも、環境と人、社会は☆がついてないと駄目という項目縛りの置き方もあるかもしれません。ご参考にいくつかパターンを出してみましたが、しきい値の置き方についてご意見を伺いできればと思います。

☆1つ、☆2つ、☆3つ、☆4つと、☆を項目縛りにする。の選択肢で投票機能を使いましょう。どの項目を縛りたいのかは、個別に聞いた方がいいと思うので、1回これで全体的に見て、それをもとに、話していけるといいですね。

(投票)

一番人数が多いのは、項目縛りで☆をつける派。続いて☆3つ。☆4つ。要は項目しばりで全部だよっていうのがほぼイコールっていうことですね。基本的にはこの三つの中で、どこかに着地をしていくことにこの後はなるかなというふうに思っております。

(佐々木)
ごめんなさい。変えていいですか。項目縛りにしていたのですが、やっぱり☆4つにします。基準として最低限満たしていなければならない項目を置いているのであれば、全部満たすのが筋かなと思いました。

(藤田香)
私も☆四つにするか項目しばりにするか悩みました。基準なのだから全部満たすのが筋でそこからまた何割とかにするとややこしいし公平性にかけます。ただ、テスト採点で全て完璧というところがないとおっしゃったので、0だと意味がないと思ったので、項目縛りにしました。ある項目は日本企業が世界標準から著しく落ちているのだから、そこは今後の努力目標として再来年ぐらいにしておいて、来年は例えば環境とか、人権とか先にやったらいいことにしておいて、動物福祉とかはちょっと遅れて1年後としてもいいのかなと思って、項目しばりを選びました。本来であれば、足並み揃えた方がいいと思っていますが。

(佐々木)
私も藤田さんと同じように逡巡しましたが☆4つ揃うのが正ですという形で最初スタートした方がわかりやすいですよね。

(芝池)
若干難しいところは、テスト採点は2社なので、それがどれくらい一般的かっていうところです。

(瀧田)
テスト採点2社ですけども、開示をしていいとおっしゃった企業はリーディングカンパニーで、それでも◯がいくつかつかなかったのが現実としてあります。

(芝池)
そこを外せば、他の企業も取れるっていうふうになるのでしょうか。

(瀧田)
逆に言うとその企業で◯が取れなかったら他は絶対取れないぐらいだと思います。それでいいかというところですね。でも、やっぱり信頼に足りる基準にしたいっていうのも一方ではあるので、最低限のラインがどこなのかなと思います。

(芝池)
次に多い項目しばりで☆をつけるに回答された4名の方にも、どの項目を縛って☆何個かを聞ければいいかなと思いましたが、いかがでしょうか?

(中西)
私の理解が違っていると思いました。最低限満たす基準を決めるのに、皆さんで今赤くなっている項目のところは今年中に満たして欲しいとして選んだと思いますが、その項目に全て◯がついたものに関して、その大項目に☆が1個つくというイメージですよね。そうすると全体的にはこの項目を、大項目とかどこの項目にするかですけど、一番いいのは例えば五つ☆がつくけど、満たしてないものは☆がつかないので、三つになるとかということ?違っています?

(芝池)
☆5つはなくて、「企業評価」が4つしかないので☆は最大4つです。最低限満たしてほしい基準がいっぱいあると思いますが、環境の中の最低限満たして欲しい基準を全て満たしてれば、環境に☆がつく。動物の中の全て満たして欲しい基準にすべて◯が付いてれば☆がつくといった形です。

(中西)
では最終表記は、この企業さんのこの商品がエシカルですよというただそれだけの表記になるのか、それともその☆が記載されるのでしょうか。例えば環境の☆がついているとか、☆がついている箇所がわかればそれでもいいような気がします。そうではなく、これはエシカルか、エシカルでないかという話になると、☆の数をいくつかという話になります。今の状態を見せるという意味では、例えば環境のことをケアしていることが気になっている消費者は、環境に☆がついているものを最低限選びたいなとなるし、逆に人権とか動物とか、その辺に☆がついているものを選びたいなとなるので、その4つの項目が見えているほうが、最終的なコミュニケーションの見え方としてもいいですね。

(芝池)
見せ方としては、この商品はどの大項目に☆がついているかは消費者も見える状態になります。中西さんの話だと、どれについてればわかればいいとなると、しきい値を設けないという考え方だと思いました。それだと環境は頑張っているけど他はできていない商品も同じエシカルフードとして紹介されることになることになります。

(中西)
そうすると2022年最低限満たして欲しい基準で、☆がついてないのがわかるようになっているけど、それはエシカルとは言わないということですよね。

(芝池)
要は、☆が1個でもついてさえいればエシカルフードとすると、人、社会だけクリアしている商品もエシカルフードとしてリコメンドされます。

(中西)
その一点豪華主義はまた後かもしれないですけど、この段階のときは本当にエシカルかそうじゃないかをしっかり見せる最終的な表現に、どう使われるかっていうところですね。

(森枝)
すみません、☆三つに変えたいです。もちろん☆四つが理想ですし、最低限満たしてほしい基準を決めたというのがありながらも、参加企業があまりにも少ないと、どうだろうと思います。人権や政治とか、もちろんその四つを取るために頑張っている姿勢がある前提で☆三つかなと思います。

(佐々木)
そうすると、動物、人社会、政治で☆を取って、環境は☆がないみたいなところも出てきます。

(芝池)
大手企業さんのテスト採点でクリアできない項目が1個2個ぐらいだったと思うので、その基準だけ外して、基本的にはすべて満たして、☆4つとする。そうしなければ「企業評価」はクリアできないという結論でしょうか。

(佐々木)
そういう思いがありつつも、そうすると先程の5%の目標は絶対達成できなくて、3%も達成できなくて、1%かそれ以下になってしまう可能性があるのではないかと思いながらのポイントでした。

(芝池)
今日の一番のジレンマポイントですね。

(佐々木)
でも今の状態だと2段階のハードルがあるのですごくわかりづらいですね。もう少しクリアにできないかなという思いもあります。

(中西)
私も☆4つだと思っています。満たしてほしい項目を全て満たすとしているので、基本的には満たしている前提で☆も四つつく。今年満たすのが難しい基準があるなかで、今年満たしてほしい基準を選んで、それに☆がつく商品をエシカルと呼ぼうと言っていたことなので、やっぱり☆四つなのかなと考えました。

(芝池)
一旦これに対して、ちょっと違うなと思っている方がいらっしゃったら、その違和感を残さず合意していければというふうに考えています。大手企業さんがテスト採点で◯がつかなかった項目がどれだったかわかりますか?

(瀧田)
「二次供給者も含めて全てのサプライチェーンで森林破壊を防ぐためサプライチェーンに対して働きかけを行ったか」というところですが、採点時は古いバージョンの表記「二次供給者も含めて全てのサプライチェーンで森林破壊に関与していない」だったので、◯がついてないのですが、文言を変えたあと、どうかはわからないですね。

(湯浅)
動物の権利の「取り組み結果の公表までしているか」も◯がついていません。

(瀧田)
政治活動の関与を開示しているかも◯がついていませんね。

(芝池)
古いバージョンのテスト採点結果ではあるもののこの三つは◯がついていなかったので、2022年満たしてほしい基準からをはずして、それ以外の項目で「企業評価」をクリアにするというのはどうでしょうか。

(井出)
あるグローバルのレポートで、森林破壊に関わっている会社が日本で2社ありました、という中に、今回採点された大手企業さんが入っていました。今年に入ってからの記事でしたが、東京五輪のライセンスの商品もパーム油の調達で、調達コードに違反した疑いがあるということで、組織委員会に通報があったとも書いてありました。採点された大手企業さんが一番優れているかというと、必ずしもそうじゃないのかなとも思います。

(瀧田)
五輪の話は、その大手企業さんともお話したのですが、五輪の調達基準には満たされているけれども、RSPO認証の観点でNGOより申し入れがあったということだそうです。ただ五輪の調達基準には満たされていたというお話をされていました。

(井出)
今、アイスクリームに賞味期限は入れなくていいのですが、業界の中でその大手企業さんだけ入れています。

(芝池)
テスト採点結果で◯がつかなった項目を満たしてほしい基準から外すかどうか、また一つオプションとして出てきていますが、その項目を外してすべて満たすことにするのか、外さずにすべて満たすとするのか、どうでしょうか?

(須賀)
私は☆4つが意見です。シンプルにと佐々木さんがおっしゃっていたのに賛同します。

(芝池)
では「企業評価」のしきい値に関しては、2022年最低限満たして欲しいところは全て満たし「企業評価」はクリアすることで、しきい値を置いていければと思います。

ここからは「フード評価」に話を移しまして、まずは「フード評価」の大項目に調達、包材を残して、それ以外の製造、表示、ロジスティクスは「企業評価」に移動させるという案が前回のセッションで見えてきました。ここについて皆さんどう思われるのか、これでいいと思われる方は、リアクションのいいねをあげてください。

山本さん、井出さん、中西さんは、移動させないほうがいいのではというご意見であっていますか。お三方のご意見、理由お伺いしていければと思います。

(山本)
「企業評価」に移動したほうが僕は難易度が高くなると思っています。工場単位だから、企業評価に製造、ロジスティックスの項目を移行して◯付けするのと、商品そのものに対してそれを評価することの違いは、省力化でしかないと思うのでそんな大手術をする意味があるのかと思います。

(井出)
私は一部移動してもいいと思いましたが、果たしてこの項目でいいのかなとちょっと考えています。

(中西)
調達とかは「企業評価」にいれた方がいいのかなとも思って、移動自体が駄目というより、調達と包材残す、それが簡易化という部分を考えると、調達方針みたいなことは会社として企業評価にあった方がいいのではないかなと思いました。製造とか表示とかロジスティクスまでやった方がいいのかは悩ましいなと思ったところです。

(芝池)
認識が若干ずれているところがあるかなと思ったのですが、調達方針に関する項目は「企業評価」にもあります。その上で、SKU単位でこれがどういう包材を使っているか、SKU単位でも調達を見ようということで、「フード評価」に調達を残そうということです。企業に評価に移動するのは、製造、表示、ロジスティックスをSKU単位で聞く必要が本当にあるのかどうか、「企業評価」に移動させてもいいのではないか。というのが趣旨でした。

(中西)
「企業評価」に移動するのは商品ひとつひとつではないからシンプル化されるってことですよね。企業さんの負担を減らすというのは賛成です。でもこの三つでいいのかがわからないです。

(芝池)
皆さん、その実際に項目が移動した時にどう変わるかを見ないと判断しにくいのが本音のところだと思いますが、この1週間では事務局もサンプルをつくりきることができませんでした。事務局でシミュレーションした結果としては、基本的には「企業評価」の観点が、SKU単位でも実践できているかという作りで、「企業評価」と「フード評価」にわかれて
いるので、「企業評価」で基本的には吸収できるような形にできると想定しています。どう移動させるかは、多少委ねていただく部分もあるかと思いますが、瀧田さん、有福さん、補足あればお願いします。

(瀧田)
そうですね、全員が賛成ということにはならないのかもしれないですが、一旦、事務局のほうで引き取らせていただき後ほど最終的な基準と、どう世の中に見せていくかをセットで皆さんにお送りしてご確認をいただくようにしたいと思います。

(山本)
ここでスタックするほど僕はここを重視していません。

(芝池)
最終的にはこの後のしきい値の話と関連してくると思うので、最後の論点である一点豪華主義の話に移りたいと思います。事務局としては、調達1点豪華主義、もしくは包材一点豪華主義なのかなあと思っています。

純粋に「フード評価」のあるべき姿とは何だろうかっていうところで、ご意見いただければというふうに思います。そのときに、一点豪華主義の話をもう少し思い浮かべながら見ていただければいいかなと思います。

(山本)
一点豪華主義で突破したメーカー商品があったとして、消費者にはこの商品は一点豪華主義でエシカル商品になったということ、それともバランス派でエシカル商品になったということがわかるのでしょうか?わかるのであれば僕はいいと思います。個人的には1点豪華主義は取り入れてもいいかなと。

(芝池)
明確には決まってはないのですが、こういう一点豪華主義だっていうのは定性的な内容も含めてコミュニケーションしていくのかなというふうに想定していました。

(瀧田)
先ほどの「企業評価」は2022年版満たして欲しいところに全部◯がつくという話でした。「フード評価」は、2022年度満たしてほしい項目に全部◯がつくのと、一点豪華主義で1個に◯がつく人が共存するわけではなく、もし一点豪華主義をしきい値として皆さんで決めたらそれのみの評価です。「フード評価」でバランスよく取った人と、一つだけ取った人は共存しません。先ほどの☆の考え方でいくと、調達に☆がついているとか、一点豪華主義になった場合の消費者への見せ方っていうのは正直まだ詰め切れていないのが現状です。

(山本)
そうなると一点豪華主義があまり成立しにくいのかなと思います。僕は想定していたのはケージフリーの卵を100%使っていますが、包剤に関してはごめんなさいというのを認めるということです。

(瀧田)
そうです。なので、もし一点豪華主義を取り入れるなら、「フード評価」はそれがしきい値になるということです。バランスよく◯つけている人と、ひとつ☆がついているというのは共存しません。

(芝池)
皆さんが最低限満たしてほしい基準が、最低限ではなくなり、その中のどれか一つ満たしていたらOKとなるので、最低限の意味合いが変わりますね。

(佐々木)
中小企業はありかと思いますが、大企業向けは違うかもしれないと思います。

(芝池)
実際は多分、大手企業の方がすべて項目を満たすのが厳しく、中小企業の方が満たしやすいのが現実です。

(瀧田)
項目にもよりますよね。包材は中小企業が難しく、大手企業が取りやすくなります。調達は認証がしきい値になってないので大丈夫かなと思いますが、もしかしたら中小企業のほうが◯がつきやすい項目もあるかもしれないですね。

合わせて今の山本さんの一点豪華主義でわかりやすい項目を立てるのであれば、現状の項目も基準は踏まえつつ、少し追加していかなくてはいけないのかなと思って聞いていました。ケージフリーの卵100%を使っているなら◯というようなのに当てはまるような項目がないです。

(芝池)
アニマルウェルフェアの認証を取っていたらイコール◯でしょうか。

(瀧田)
ただそこがしきい値になっていません。現在、2022年度満たさなければいけない項目、ピンクの中の何か一つに◯がついているなかの一点豪華主義とするなら、違う話なのかなと思います。ただ、2022年度満たさなければいけない項目も見直すのであれば、これも取り入れられるのかなと思って聞いていました。

(芝池)
事務局同士で話しても仕方がないと思うのですが、今現状アニマルウェルフェアは最低満たして欲しい基準として、畜産物調達も設けられています。仮に100%ケージフリーを使っていたら、そこの基準を満たすので、一点豪華主義のどこかさえ満たしていればいいという考え方をするのであれば、現状のままでも◯がつく。特に項目を見直す必要はないと私は理解しているのですが。

(瀧田)
そうすると、この基準としきい値を正として、この中で一点豪華主義的なところを議論するということで認識として合っていますか。

(芝池)
項目を直す必要ないというところです。そろそろ時間も無くなってきたので、お1人ずつ順番に、このフードのしきい値に関して自分はこれがいいと思っているところを表明していただきたいと思います。

(井出)
包材はクリアしやすいっていうことで、包材と調達の両方の一番最後がいいです。得てして調達の部分で、大企業は、サプライヤーに対して無理な要求をしやすい、そこも見たいなと思います。小さい会社であればあるほど、生産者さんや、原料を入れてくださる方と対等な関係を築いているところが私の認識では多いと思います。塩にしても油にしても、人じゃないような扱いをされたり、下請け業者みたいな扱いをされたりしているので、大企業に関して、そこもみたいですね。

(芝池)
ちなみに調達と包材のクリアの観点でいうと、今皆さんが設けてくださっている最低限満たしてほしい基準のうちどこか一つクリアしてれば、調達に◯、包材に◯という理解で大丈夫ですか。

(井出)
そうですね、そこは悩ましいところですね。でもまずは第一歩っていうところですね。

(須賀)
前回のディスカッションから私自身が受け止めた一転豪華主義の意味合いの説明になるのですが、おそらく企業個々のビジネス環境下で、トライしていることがあるのではないかと思います。それを定性的な声として、この基準とは違うところで「自分はこういうところを頑張っている」といった声をすくい上げて今後の基準のアップデートなり、何かしらに活用していくイメージでいました。なので、全体最適を考えると、現状、最低限満たしてほしい基準をある程度整えた中で、個別のことを埋め込むのは難しいのかなと感じていました。

一点豪華主義をこの論点と違う捉え方をしてしまっていたので、定性的、でも個々の事業ごとに何か向き合いの中で見えてくることを今後に生かしていくイメージでした。

(芝池)
一点豪華主義も、もしそれを取り入れるならという仮定の話で、須賀さんがおっしゃっているのは一点豪華主義をしきい値にしないということですよね。その場合は、今置いている最低限満たしてほしい項目は全てクリアする必要があるというのが、須賀さんがイメージするしきい値ということですね。

それもあると思っています。一点豪華主義はあくまでも前回出た意見で、なんとなく皆さんいいねという雰囲気になったので、入れています。一点豪華主義はそういう意味じゃないよねというお考えも含めて、共有いただければと思います。

(中西)
調達はやはり入れた方がいいし、包材もやった方がいいと思います。1点豪華主義で、しきい値に決めたものの、どこかの項目だけ☆がつくようなことであれば、フードについてはOK、調達とそれでOKというふうにするでいいと思う。

ただ、それをどう見せるのかっていうところとセットだなあと思っています。ある意味その項目のここしかできてない、できているも含めた表現とセット。もしそれがわからないとすれば、やっぱりちゃんと満たしていることをお客様に伝える方が誠実な気もするので、表現とミックスなのかなっていう感覚です。

(芝池)
最低限満たしてほしい基準をすべて満たすかどうかは、中西さん的にはどうですか。

(中西)
そうですね、さっきもう一度見たのですが、全て満たすにすると悩ましいなと思います。ただ変えないのであれば、どう表現するかでクリアできちゃう話なのか。その辺、須賀さんがおっしゃったような何かおまけのメッセージがついたりするのかとか。

(佐々木)
解決の方向になるのかわからないけど、やっぱり調達は重要ですよね。フード基準なので調達が何より先に来る。以前藤田さんもおっしゃっていましたけれども、重要な要素だなと思います。包材は大企業にとって有利なのはわかりますが、それだったらいっそのこと包材も「企業評価」に移動して、調達だけ「フード評価」基準にしてしまうのもありではないでしょうか。例えば「フード評価」加点3倍という形をするとか。

(芝池)
「フード評価」を調達だけにして点数を変えるというのができないと思いますが。佐々木さんが言わんとしていた意図は、「フード評価」の重みを増やすということでしょうか。

(瀧田)
佐々木さん、中小企業も視野に入れて発言されていますか?

(佐々木)
それも入れています。

(瀧田)
それでいくと、今日はあくまでも大企業向けのもの『エシカルフード基準』バージョンなので、中小企業向けは「企業評価」項目も変わってくるでしょうから、今後作っていくっていう観点で言うと、いかがですか。

(佐々木)
もちろんそれはわかっているのですが、1点豪華主義を取り入れると、先ほど言っていたような企業項目で4つ☆をつけるというところから観点がずれてしまうという話があったので、それだったら全く別にしてしまうっていうのはできないかなと思いましたが、難しいですかね。ちょっと考えます。

(芝池)
確かに、「フード評価」を調達だけにするのは私も最初それでいいかなと思っていたぐらいでした。事務局は、基準を成立させないといけないという気持ちが働いていたので、基準を満たしてもらわないとなっていう考えが皆さん以上に働いていたのかなと、今意見を聞きながら思いました。

(藤田友紀子)
「企業評価」に4つ☆を満たしている場合は、調達も念頭に入っているので満たすのではないかと思います。一点豪華主義は中小企業を救う意味でいいと思ったのですが、大企業だったら一点じゃなくてもっと厳しくてもいいと考えています。大企業ならできるのではないかと。原料、油、カカオ、砂糖などは調達する力あると思うので、一点豪華主義は大企業にはちょっと甘いという部分があって、考えが変わりました。

(芝池)
最低限満たしてほしい基準を全部満たしてもらうということですね。

(森枝)
僕も今の意見に大賛成です。大きいところ、大きいロットでちゃんとクリアしてほしいです。

(平井)
色々考えて前回の一点豪華主義の言葉が出てきたところも思い出していたのですが、僕の認識だとどなたかもおっしゃっていましたけど、大企業向けのものではなく、中小企業向けの言葉として定義づけられたらいいなと思うので、大企業向けの話として考えたときには、最低限満たして欲しい基準は全て満たしてほしいという考えですね。

(藤田香)
調達は企業にとってはマストですし、全部満たすすべきだと思います。だけど包材は二の次と言っては悪いですけど、やった方がいいのですが、全ての食品ができているかというとそうでもないし、食品の種類にもよると思います。例えば、飲料メーカーだったら水とか認証を取得した紙パックとか、ペットボトルでプラスチックも減らしたりしています。でも匂いが残ったり油がついたりする食品が同じようにできるかというとそうではないです。調達はマストにして、包材は、全て満たさなくてもいい、でも頑張ってくらいにしたほうがいい気がしました。企業評価のときもそうですけど、どこまで満たしたら合格とするかみたいなしきい値をつけてしまうとまた面倒くさくなりそうな気がして、満たしてほしい項目をみんなで決めたのだから満たしてくださいと思います。

(山本)
調達が一番大事なところで包材はスペシャリストじゃないので、大企業と中小企業の状況がよくわかっていないのでなんとも言えません。一点豪華主義の話では、さっき瀧田さんがおっしゃったように一点豪華主義を取るのと全体のバランスが共存しない構造になっていることを再認識したので、だったら一点豪華主義を認めるのはやってはいけないことだと思っています。

(芝池)
最低限満たしてほしい基準を全部満たすべきという考えですね。皆さん全員揃ったところで、ラップアップすると、そもそも調達、包材以外は、「企業評価」に移せばいいのではないかと話ができました。そして、皆さん調達もしくは包材も基本的に最低限満たしてほしい基準は全て満たして欲しいということが一貫していて、事務局が変に気にもみすぎていたのだなと改めて思いました。

佐々木さんのフードはわかりやすく調達だけにしてもいいのではというのが新たなオプションとして見えてきましたが、とにかく調達は最低限満たしてほしいところは全部満たしてほしい又は、包材も残して、両方とも満たしてほしいかが着地点かなと感じていますが、皆さんどうでしょうか。

個人的には何か調達だけに絞るのが、わかりやすさも重視とすると、ありかもと思いました。

(藤田香)
対象企業には飲料メーカーも入りますか?入る場合には、飲料メーカーは調達よりも包材のほうが頑張っています。三大飲料メーカー各社包材で頑張っていますというリリースを沢山出しているし調達ももちろん頑張らなきゃいけないですが、包材はFSC認証の紙の調達も簡単になっているので、切り替えているところが多いです。なので包材があってもいいと思います。

飲料メーカーだと調達は果汁で使った果物が持続可能か程度くらいになってしまいます。包材での頑張りもマストではないけど、調達をメインにしつつ包材は頑張れば加点されるみたいな。調達だけに絞らなくてもいい気がします。

(芝池)
そうすると、調達と包材を両方全て満たしてないといけないという意見もあったので、最後は投票でマジョリティーに従うというのがやりやすいですね。

選択肢としては、

●フードは調達だけにして、調達をすべて満たしてほしい。
●フードは調達と包材で、調達だけ全て満たしてほしい。
●フードは調達と包材で、調達も包材もすべて満たしてほしい。
となります。

(投票)

(芝池)
僅差ですが、「フード評価」は調達と包材を項目として残し、満たしてほしい基準はすべて満たすとして、いいでしょうか。

1時になってしまったので、最後ラップアップさせていただきたいと思います。まず一つ目の論点、「企業評価」のしきい値は2022年の満たしてほしい基準はすべて満たした場合に、「企業評価」をクリアにしましょう。「フード評価」の項目に関しては、調達と包材のみ残して製造、表示、ロジスティックスは「企業評価」の方に移動させますので、事務局で編集したものを皆さんにも見ていただき、気になるとこあったらコメントいただきます。

一点豪華主義はなくなり、調達、包材は2022年の満たしてほしい基準はすべて満たしたらクリアとします。この結論に則り、リリースに向けて進めていきます。最後は瀧田さんからコメントお願いします。

(瀧田)
皆さん、ありがとうございました。この1年間セッションと基準のドラフト作りを含めて本当に密度が濃い時間で気づきと学びのオンパレードでした。今日の結果を受けて、本当は最後に、今退出されてしまったのですが、藤田香さんに「企業評価」の動物、政治のしきい値について本当に世の中の企業が対応できるのか、そこだけ確認して終わりたかったのですが追って確認しお伝えすることにします。
今回の結果を踏まえて、もともとお伝えをしていたロードマップがどこまで実現できるのか、現実的なラインなのかというのは、改めて受けとめ直さなければいけないと思っています。

前回のセッションでは、スモールスタート企画としてまずチョコレートから始まる話もあって、少し動き始めていましたが、本日皆さんで決めたしきい値を目の前にしたときは難しいという気がしています。先日テスト採点にご協力いただいた大手企業さんがまず乗れないです。動物、政治のところのがしきい値になるとほかのチョコレートメーカーも乗れない可能性が高いと思っています。世の中の企業の0.5%も乗れないと思います。

ラボとしては、当初からずっとお伝えしていた通りTカードの購買履歴を使って『エシカルフードアクションスコア』を付与するので、スーパー、コンビニ、ドラッグストアにある商品の中で売っている大手企業の商品からスタートする、そこを踏まえて生活者がどう意識を変えてアクションに繋がっていくのかは変わらずというところで考えていきたいと思います。

今日の結果と、本来のラボの思想を踏まえて、どういう落とし所があるのか今私の中では整理ができていませんので、少し時間をかけて検討していきたいと思います。そしてきっとわからない点がまだまだあるので、今お話したことを考えていくにあたって、もしかしたらお時間をいただいてご相談をさせていただく点があるかも知れません。あとは冒頭にお話した通り、中小企業向けのものを本当に急いで作る必要があると感じていますので、そちらについても引き続きご一緒させていただければと思っています。

長時間ありがとうございました。

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