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「エシカルフード基準」セッション対話録 第5回

エシカルフード基準セッション(2022年1月25日14-18時)

「エシカルフードの基準のしきい値を検討する」
参加メンバー:五十音順
井出留美さん
河口眞理子さん
佐々木ひろこさん
須賀智子さん
中西悦子さん
藤田友紀子さん
ぺオ・エクベリさん
森枝幹さん
山本謙治さん
「Tカードみんなのエシカルフードラボ」事務局メンバー


(瀧田)
こんにちは。昨日のセッションは多様な観点で議論が行われ、私は終わってからも興奮冷めやらずというような状態でしたが、ラボの活動はこのプロセスこそがとても大切だなあといつも思っているので、すごく有意義だったと思います。

今日はいよいよ2022年度の『エシカルフード基準』で何を満たすとエシカルフードなのかというしきい値の対話に移ります。『エシカルフード基準』はラボのミッションでもある「持続可能な未来に繋がる食の循環」に必要な観点をステップで示し、関わるステークホルダーの皆さんにとって指標になり、もっとエシカルであるためには何をすれば良いのかまでが垣間見られるような基準になっていくといいなと思っています。今日皆さんで対話をするしきい値はその第一歩だと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

芝池さんにバトンタッチします。

(芝池)
今日も長時間になりますが、よろしくお願いいたします。今日は平井さんと藤田香さんが欠席とのご連絡をいただいています。
このメンバーでベストな検討をして一緒に決めていければと思っております。
今日の進め方ですが昨日皆さんにたくさん議論いただき最後のまとめを踏まえ、最初に三つ共有しておけるといいかなと思っています。
1つ目は、現状の項目と基準は粒度に違いがあり、できればフラットにきちんと整っていることが理想ではありますが、それはどうしても知見のある・なしで差が表れているとして、まずはこれを受けとめるという姿勢で進められればと思っています。決してこの項目や基準が完成系というわけではなく、今後も必要に応じて修正をしていきますので一旦この時点ではこれが最大限ベストな状況であると受けとめて、1個議論を前に進められればと考えています。

2つ目は、現状の項目と基準をもとに2022年最低限満たしてほしい基準を皆さんに事前入力いただいていますので、それをもとに2022年最低限満たしてほしいしきい値を決めていければと考えています。

3つ目は、このしきい値を考えるにあたり、参画する企業や消費者にとってどう見えるか、どう伝わるかはすごく大事なところですが、今日はそのポイントを議論すると、決めるべきしきい値の議論に到達できない可能性があるので今日のセッションでは詳細について検討はせず、今後継続的に検討していくポイントにできればいいと考えています。

この後もう一度、しきい値の考え方を復習させていただいた後、2022年最低限満たしてほしいしきい値のラインをどのように決めていくかという本題に入っていければと思っております。せっかくなので今日も最初に皆さんに一言ずつコメントいただいてからスタートできればなと考えています。
一晩経ってみて、昨日の感想、気づき、発見ですとか昨日どんなふうに過ごして今日この場にどういう気持ちでいるのか、共有いただいてからスタートしたく準備のできた方からお願いいたします。

(ペオ)
改めて本当に素晴らしい動きに間違いありません。本当に革命的だし、やっと日本でも進んできたと思います。最初は認証制度ほどの厳しさにならなくてもいいと思います。まずはいろんな参加者が集まることが一番大事。私たちも北海道から九州までの中小企業30社のネットワークを運営し、私はその会長もしているし、大企業のネットワークも8社の企業が参加しているので、参加しやすくなるその基礎をまず作りいろいろなところが参加すればいいと思います。
もちろん既存の認証システムは尊敬すべきですがまずは、いいスタートになればと思います。ザンビアで「クヤンバヤンバ」と呼ばれている言葉、「始めましょう!」です。

(瀧田)
ペオさんのお話を受けて、ゆくゆくは企業の規模に関わらず、それぞれの観点で頑張っている皆さんと一緒に共創していけるラボになるといいなと思っています。
ただステップがあるのと、どのようなスケジュール感で進めていくかが悩ましいところです。まずは大手企業にお手本になっていただくというところから、でも中小企業の中に既にお手本がいる可能性も高いですが、ゆくゆくは中規模小規模の企業も巻き込んでいくようなロードマップを描いていければと思います。今はとにかく走りながらアップデートしていますが、少し落ち着いたタイミングでロードマップを描いていけたらなと思います。やっぱりゴールは多くの仲間が集うことなので、形にできたらと思っています。

(井出)
食品メーカー勤務のときのことを考えていたのですが、私が勤めていた会社はアメリカが本社で、ある時、栄養素のしきい値で、一食あたり、エネルギーは何キロカロリー、その中でナトリウム230mgと言われました。これは食塩1グラムにも満たない量なので、日本、韓国やインドなど食塩の摂取量が多い国が声を上げたことがあります。というのも、トクホだと、組成を変えると、また申請し直し、トクホ取り直しになってしまうのです。何が言いたいかというと、しきい値を思い切って決めて、そこから修正していくという方法もある、ということ。昨日ペオさんが言われた、教育や啓発の意味もある、というのは、確かにそうだなと考えていました。

しきい値を打ち出すことで、世界的には食塩の摂取量はいろいろな病気、疾病のリスクや死亡率にも関わることが伝わります。当時、アメリカはオバマ大統領だったのですが、配偶者のミシェルさんがすごく栄養関係に熱心で、食品企業にもプレッシャーをかけて栄養のバランスを決めてきた、ということもあります。そのように、一度「ここ」としきい値を決めて、あとは関係者の反応を見る方法もあると思います。

冒頭のお話で、最低限満たしてほしい基準というお話だったのですが、しきい値を低いレベルに置いてしまうと発展しない感じがします。高くしたとしても、そこからディスカッションが起きれば、それはそれで意味があるのかな、とも考えていました。

(河口)
昨日は4時間かかりましたが、事務局のご苦労を思いつつ、やっぱり全く新しいものを作ろうとしているので、逆にこのぐらいの時間で済んでいることが結構スムーズなのかなとも感じました。

認証というと、それぞれの思惑やセンシティブな情報もあり企業は神経質になります。またTカードが1企業で行うことと言いつつも、その1企業のその影響力たるや一企業どころではないところもあるので、非常に身構えるところもあるだろうと思います。だからこそこれは生みの苦しみとして議論し尽くしておくのはいい、ここで議論しなくても、今後誰かに言われる可能性が高いので徹底的に作るのはいいことだと思いました。

(湯浅)
昨日初めて有識者の皆さんとのセッションに参加させていただいて、いろいろご指摘はありながらも皆さんが一つのことにこんなに想いを持って向かっていることに感動しながら参加させていただきました。最後の山本さんがおっしゃられていた「全部の基準に想い入れがある」という言葉もグッと重みを感じました。また見せ方ついてもいろいろなご意見をいただいて最終的にはメーカーさんにもしっかり採点いただかなければいけない、その観点も踏まえてアドバイスをしっかり受け止めて反映できたらと思っております。今日もよろしくお願いします。

(佐々木)
私達は『エシカルフード基準』のベースを作った側としてかなり煮詰まっていたところがあり、蒸発しちゃっていたところもありました。かなり時間をかけて作ったものですから、逆に新しい視点をいただいてびっくりしましたけど、そうだった。と思い至ることもたくさんありましたし、今日はちょっとフレッシュな気持ちで臨みたいと思っております。よろしくお願いいたします。

(中西)
昨日は4時間がどんな時間なのだろうと思っていましたが、目一杯に使われていて驚きながらも、皆さん自由に意見をしながら、活発な意見を出しながらというのをできる状態にしてくださっていることに感謝しています。このプロジェクトに自分が参加した理由を改めて考えましたが、やっぱり民間でありながら、仕組みのところではあまりゆるくせず、参加していくことで結果的にその行動が大きく変わっていく可能性を秘めているところに、すごくパワーも感じています。行動変容に最終的に繋がるようにというところで、意識しながら進めたいなと思っています。

(森枝)
項目に思い入れがあるという山本さんの話、僕もぐっとくるものがありましたし、わかりやすさも大切だと思いました。何かを言うとき、ぱっと一言で何かを返すことが難しく、勉強すればするほど、何か一言加えたり何かエクスキューズを入れないと言い切れないことがあまりにも多く、そこの部分をどこまで省略して良いのか、しっかり言わなきゃいけないのかというのが、本当に難しい話になってくるのだろうなと思います。企業の人とか色々な方にできるだけ短いセンテンスで何かを伝えることをしていかなければいけないのがすごく難しいと思いながら、聞いていました。ちょうどいいしきい値になれたらいいと思います。

(藤田友紀子)
昨日はお疲れさまでした。私も昨日終わってから、大企業とは、中小企業とは、零細企業とはを考え、日頃中小企業のメーカーさんとお付き合いすることが多いので、本当は高いグレードにいたいけれど、低いところの地域社会みたいな部分もありすごく悩ましい部分があります。でも最終的にみんなが求めるところは高く、環境保全やエシカルなどに着地するにはどうすれば良いのかいろいろ段階があると思います。

メーカーさんが先なのか、消費者の考えが先なのか、買ってくれる人がいるから作るのか、作る人がいるから買ってくれるのかといったところの循環がある中、どうしたら両方相互しながら高いところにいけるのか。しきい値を決めるときに、高いところに置きたい、でも頑張っているところも評価したい、その両方をみなさんのご意見で考えられればいいと思います。さらに消費者がついてきて消費者に認められるような、いい着地点ができたらいいなと考えながら、今回も参加させていただきます。よろしくお願いします。

(山本)
昨日僕が全項目に思い入れがあると言ったわけですけれども、もうそんなこと言っていたらまとまらないので、今日はもうこの我が子のような項目をばさっと切っていきたいと思います。よろしくお願いします。

(須賀)
この十数年ずっとその食に関わる仕事をしていて、食品企業とのお仕事を本当に多くご一緒させていただく中で、そういった企業さんを念頭に、この項目と向き合うとどのように感じるかなということをずっと考えていました。皆さんの言葉からもありましたように、基準や項目が示されているということが「やらなくてはならないこと」ではなくて、自社の事業として、新たな価値を生み出せる、そういうマーケットが見えてくるような内発的な動機に繋がる項目であって欲しいなと強く感じていました。

どうしても食のサプライチェーン上の色々な問題を、正論で真正面から伝えても、それで行動変容できるかというとそうではない部分もあるので、価値変容、行動変容に多くの企業が前向きに取り組んでいただくには、食のエシカルに関わることで、社会課題と市場課題を二律背反的に捉えるのではなく市場課題として捉えられるような視点が必要だと思っています。

そういった視点が得られやすい項目になっているといいなと昨日の議論でもずっと思っていましたので、内発的な動機に繋げていこうよという気持ちで、しきい値も決めていけるといいと考えています。よろしくお願いします。

(有福)
今日も長時間になりますが、よろしくお願いいたします。進めていく中では結構現実を見ていくというところと、本来どういうことを理想としていたのか、理想と現実をいったり来たりみたいなところがありながらも、皆さんと議論させていただくと、本当に忘れちゃいけないことに立ち戻ることができているなと思い、本当に皆さんと豊かな議論させていただけていることに感謝しております。今日はどこに着地させればいいのかを皆さんと決められるといいなと思っております。

(深井)
それぞれ一つ一つに専門性とか想いみたいなものを改めて感じるのが昨日の時間でした。ずっと更新し続けなくてはいけないというお話も胸に、ぜひ固めていきたい、進めていきたいと思います。ご協力よろしくお願いいたします。

(中岸)
昨日は非常にたくさんのご意見をいただきながら、常にアップデートしていくというラボの姿勢を再認識するとともに、何のためにやるのか、誰にどういう状態になってもらいたいかという軸をぶらしではいけないと常に認識しようと改めて昨日思いました。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

(芝池)
なかなか難しいテーマではあると思いますが、だからこそ、これだけたくさんの知見が集まった皆さんが協力してくださって一緒に創る価値があるものだと思うので、どこを最低限のラインにするか、ちょうどいいラインを皆さんの知恵で見いだしていければと思います。よろしくお願いいたします。

ここからしきい値の話に入りますが大変ややこしくなっているので、改めて復習をして論点に入っていければと考えています。

このページは、昨日お話した内容に議論の内容を付け加えていますが、しきい値の考え方について『エシカルフード基準』は、認証ではなくリコメンドであり全体の底上げが狙いです。
その上で、「企業評価」における大項目、「フード評価」における中項目ごとに、まずは2022年度最低限満たしてほしい基準というものを設定しましょうということになります。

①の2022年度に最低限満たしてほしい基準を設定するだけだと、ハードルが低い、バランスが悪いなど不都合がある場合には、②の大項目、中項目ごとに何個以上〇がついているといいというような条件が加わってくるのかなと考えています。この①と②を、クリアした「企業評価」、「フード評価」の大項目および中項目ごとに☆をつけて、全部で大項目が9つあるので、☆9つのうち「企業評価」「フード評価」ごとに何個ずつ☆がつくとエシカルフードとしてリコメンドできるかというのが最終のしきい値になるかと考えています。

このしきい値を設定する上での方向性としては、皆さんもおっしゃってくださったように、参画する企業にとってハードルを上げすぎないようにしようという考えがあったと思います。

まずはスタートし今後徐々にエシカルになってもらいたい、この基準を通じて学んでいただき、改善に繋がってくというのも同時に大事な視点としてあるかと思っています。

あと企業のターゲットとしてはもちろん大企業も中小企業も想定はしていますが、企業の規模によってどこまで対応できるかはリソース的にも異なってくるので項目の内容自体も変わることは考えられます。
現状、大企業用、中小企業用として一気に整備することが難しいので、今回の基準は基本的に大企業を想定し、中小企業については今後徐々に整備していく予定です。

資料の文字情報だけだとイメージがつきにくいと思いますので皆さんに見ていただいたスプレッドシートにしきい値のサンプルというシートを追加して、今の話をビジュアルに表してみました。少しでも理解が深まればと思います。

前提として、項目に付随している基準は、aが一番高い水準で、上から下という順番に並んでいます。
まずは皆さんと2022年度時点最低限満たしてほしい基準のラインを決めていきたく、現状このピンク色の網掛けがついているものが、8人以上の人が2022年度最低限満たしてほしい基準と考え○をつけたものになります。

例えば環境報告だと、bの監査まで受けてなくても、公表はして欲しいという内容の基準が最低限満たしてほしい基準として置かれていますが、仮に答えた企業が監査まで受けている場合にはaに○をつけます。
つまり、最低限満たしてほしい基準のbには○がついてないけど、aはbより基準が上なので、ここに1が付く形です。
環境報告の場合はそもそも項目が1つしかないので、1つ中、最低限満たしてほしい基準が1つ。それが満たされている場合は、1分の1となります。

気候変動の場合だと、3つ項目があるうちの、最低限満たしてほしい基準が1つですね。1番目の項目がそうですが、bの目標値を設定して取り組み結果を公表しているに最低限満たしてほしい基準が置かれていて、仮に企業がbに○をつけている。3番目の項目は最低限満たしてほしい基準ではありませんが、再生エネルギーを積極的に利用しているに○をつけていたとすると、○は2個。というような形で採点いただくことになります。
廃棄と汚染の場合は、7つの項目のうち、ピンクの網掛けの6つが最低限満たしてほしい基準の設定がされています。例えばこの項目の5番目は最低限満たしてほしい基準はaですが、採点結果はb、7番目は最低限満たしてほしい基準で設定されていますが、ここは取り組みができてないという場合は、最低限満たしてほしい基準が全部で6個ありますが、この企業は4つしか満たしていないとなります。

生物の生息域と資源については7つの項目のうち、最低限満たしてほしい基準が3つあり、その項目に加え、最低限満たしてほしい基準になっていない項目を2つ満たしている場合には、まず最低限満たしてほしい基準が満たされているかどうか。

要は大項目の環境の中で、仮に○が何個以上つけばエシカルフードとすると設定する場合、これは私が適当につけた数字で何の根拠もありませんが、例えば全部で環境は18項目あり仮に11個が最低限満たしてほしい基準が設定されていて、企業採点結果が○が9つだった場合、最低限○がついて欲しい数が満たせていないということになります。

この最低限満たしてほしい基準と○の数が満たせると、環境という項目に☆がつくという考え方なので、この例でいくと排気と汚染のしきい値及び○の数が満たせていないので☆がつきません。

今と同じ構成で、例えば動物の場合は動物実験、工業型畜産、動物の権利3つの中項目があって、それぞれ一つの最低限満たしてほしい基準を満たしている。また満たしてほしい○の数も、3個満たしていた場合両方満たしているので動物には☆がつきます。

このような考え方で、全部を採点したときに、人権は☆がついたけれど、政治に関しては、最低限満たしてほしい基準の水準に至ってない場合にはここに☆がつかない。そうすると「企業評価」としては、環境、動物、人/社会、政治で☆が4つあるうちの、この回答結果の場合だと、動物に☆、人/社会に☆の合計2つに☆が付くことになります。

実際に多分ホームページ上とかで公表する場合には、動物に☆、人/社会に☆などになるので、パッと見た時の一次情報としては、詳細までは見えないのですがどこに○がついているかの情報を公開することによって、その企業が具体的に何を満たしてこの☆がついたのかをフォローできる状態にしようというのが、現時点で今事務局が想定しているプランになっています。

瀧田さんここまでで補足ありますか?

(瀧田)
今芝池さんにご説明いただいたのがこの②の○の数の考え方も採用した場合ということですね。これからの議論の中で①の2022年度最低限満たさなければいけない項目のバランスと、そのハードルがちょうどいい場合にはそれで終わる可能性があるというところで、一番複合的な場合のしきい値の考え方をご説明しているということになります。

(芝池)
今の話で言うと、多分「フード評価」を見た方が○のイメージがつきやすいと思いますが「フード評価」の調達は、項目としては全部で6つあり、6つ目の「倫理的に所有する製品を原材料として使用しているか」という項目が、作っているものによって使っている原材料でもちろん異なってくるので、該当するものが選べるように、ここが詳細基準で細かく枝わかれしています。

今のところ皆さんの事前のフィードバックだと項目の4番しか必須にしたほうがいいという項目がありませんでした。
このまま進むと、調達は4番さえクリアしていれば☆がつくという状態になりますがこれだとハードルが低すぎる、観点としてのバランスが足りないという場合には、例えば具体的な詳細基準で満たすラインを設けるのではなく、◯の数でバランスを取る案も考えられてくるのではないかなと思います。

「フード評価」も先ほどと同じようなロジックで、最低限満たしてほしい基準を満たしているか、仮に○の数が設定された場合に、それがクリアされているだろうか。この観点を両方踏まえると、中項目目に☆がつく。今仮で設定してみると、この回答の結果の場合に調達、製造、包材、表示に☆がつき、「フード評価」は、☆が4つ、「企業評価」は☆が2つといった採点結果になるとイメージしています。

このしきい値の考え方を踏まえた上で、今日話したい項目は、皆さんが先ほど仰ってくださった通りで、まずは2022年度の最低限満たしてほしいラインをどこに設定するのか。いろいろ意見はあるのですが、仮決めで1回結論を前半1時間ぐらいで出してみたいと思っています。その上で、全体像を見てみたときに、そのラインがちょうどいいかどうかを皆さんと検討しながら、場合によっては最低限満たしてほしい基準の数を減らしたり、増やしたり、基準を減らす代わりに○は何個以上取って欲しいという条件を追加してみたりと、調整の仕方は色々ありますがそのラインを調整していければと思います。
ここまでで何か確認されたいことがある方いらっしゃいますでしょうか。

(河口)
質問です。絶対満たさなければいけない基準を設定する方法と、数で考える方法と二通りあるということですよね。

(芝池)
そうですね、基本的には絶対満たさなければいけない基準を設定する考え方が一番シンプルでわかりやすく、ベストです。でも仮にそれを増やしすぎてしまうと結構ハードルが上がってしまう、減らすと、今度はハードルが低くなりすぎるので、その解決策として○の数という考えが出てくると思います。

(河口)
絶対に満たさなければいけない基準にプラスアルファで点数とれないとクリアできないというのは結構ハードル高いので、今回は10個のうちの6つ○がつけばいいというレベルにしておいた方がいいと思います。

(瀧田)
それは、例えば項目に○を多くつけていますが、人権など絶対に大切な項目に○がついていない。でも10個のうち6個○がついていればクリアとする。というケースも含めて、認めてもいいのではないかということでしょうか?

(河口)
現実的に、絶対に必要な項目を満たせずに、他の周辺だけを全部満たして数が稼げるということが、ケースとして想定されるか。周辺ができているのであれば、みんなが必要だというところは、まずクリアされているのではなかろうかという気もします。そこが満たされてないところは他にも○がつかず、結果として駄目になるのではないかと推測します。その絶対に満たさなければいけない項目を回避してそこ以外は全部○がつくというのが現実的にあり得ないのであれば、スキームとして複雑にしないほうがいいかと思います。

例えば7項目あったら半分以上の4つを満たしていれば良いくらいにしておいた方がいいのではないかと思います。

(芝池)
河口さんの今のご意見、最終的な着地として大いにあり得ると思います。ただ、今、人権と社会で○を何個とればいいか数を決めようと思うとそこの勘所がつけにくいので、1回基準単位に見て、どこが満たすべき基準のレベルかを皆さんと確認できればと思います。その上で、この基準で縛りをつけてしまうとハードルが高くなりすぎるというのであれば、それはやめて、○を何個以上に検討できればと思います。
さっきの論点で言うと、1回設定した上でちょうどいいラインはどこかをオプションとして持ちながら、進められるといいかなと思うのでそれで1回進めさせていただいても大丈夫でしょうか。

もし他に質問コメントない場合は、ここの最低限満たしてほしい基準のラインをどこにすればというところに入っていければと思います。

ピンクの網かけのところは8人以上の方がこれは最低限満たしてほしい基準として必須というところなのでここはほぼ既定路線と考えています。有識者の皆さんの偏りがあったところ、3人から7人のご意見だった項目に今グレーの網かけをつけていますので、ここを最低限満たしてほしい基準として設定するかどうかをまず決めていければと思っています。

ただ、オープンクエスチョンにするとまたいろいろと発散してしまう可能性があるので、昨日の話を思い出せればと思います。基本的に皆さんの意向としては、あまりハードルを上げすぎないとあったので、もしabcdの基準でどこに設定するかで割れている場合は、基本的には低いところでと思います。

最低限満たしてほしい基準としてそもそも設定するかどうかは、増えれば増えるほどハードルが上がることになってしまうので、基本は追加しないというのを基本方針として1回置いた上で、それに対して「いや、それは入れておくべきじゃない?」という意見がある場合には議論する、そのやり方で進めていければと思っております。

早速「企業評価」から見てきたいのですが、気候変動2のところ。ここはaとbに4人、cに5人つけていまして、ハードルを上げすぎない観点でいくと、低い水準のcになります。皆さん、いかがでしょうか?

それはどうなの?という意見がある方は、コメントいただければと思います。手を挙げていただくほうが、意思の表明としてわかりやすいですね。一定の時間待ってみて、手を挙げる方がいらっしゃらないようであれば、一度、仮決めをして、次にどんどん進んでいきます。

続いて再生エネルギー。ここは4人の方が選んでいて、ハードルを上げないという観点だと項目からはなくすという選択になります。ご意見ある方いらっしゃいますか。

(中西)
逆にその再生可能エネルギーがカーボンニュートラルするには一番影響力あると思います。半分以上削減していけるポイントになるので、そこを進めようと思って積極的に進める方向性も出てきています。今はそのRE100も日本企業さんは70弱入られているので、食品メーカーさんも入っていますし、細かいところですが、少しハードルが高いかなというのはむしろ積極的なので、再生可能エネルギーの使用割合は聞かず、取り組んでいるにすれば、◯もつけられるかなという気がします。

(芝池)
最低限満たしてほしい基準に入れるとハードルが高すぎる可能性はあるけれども、とはいえ、取り組みの一歩としては、わりかし実践されている部分なので、背中を押すというか、道筋を見せるという意味ではこれが必須であってもいいのではないか。というのが中西さんのご意見でしょうか。

(中西)
そうですね、比較的にやろうとなると目標立てるだけでも取り組みしやすい部分もあるのかなと思います。逆に「食品メーカーさんだと違うよ」などあるかもしれないので、その辺もお聞きしたいです。

(河口)
必須項目にするかどうかは別として、この評価で世の中に出回ったときに、『エシカルフード基準』に再生可能エネルギーのさの字もないのはどうなのかなということはあります。現実問題としてどこまで導入できているかはあるけれども、かなり頑張って導入していますと言っているところも増えてきました。担当者レベルとして何ができるかといったら再生可能エネルギーは少しでも、と第一歩として思う。「取り組んでいるのにそれを聞いてくれないの?」となるのであったほうがいいと思います。

(ペオ)
例えば最初はその再生可能エネルギーを積極的に利用しているかどうかにして、レベル2では割合を入れるのはどうですか。再生可能エネルギーは無視することができない時代ですので、無視すると化石燃料を使い続けながらも、エシカルということになってしまいます。

(瀧田)
そうですね。『エシカルフード基準』の項目としてはもちろんなくしません。最低限満たしてほしい基準として2022年度に設定すべきかどうかの論点としてはどうでしょうか?

(ペオ)
私は必要と思います。割合はその次の段階でいいと思いますが、積極的に利用している項目は必須としていれたいです。

(須賀)
私が○にしたのは消費者へのコミュニケーションとしても、再生エネルギーの利用はわかりやすいと思ったからです。この『エシカルフードアクションスコア』自体の目標を少しでも消費者自体の行動が一歩前に進むようにと考えると、双方向のコミュニケーション上、企業のメッセージが打ち出しやすいと思います。もしかしたらその基準をワーディングとして「積極的に利用している、もしくは導入予定がある」みたいな表現に落とし込んで、きちんと最低限満たしてほしい基準として設定するのは、折衷案としての着地としてありかなというふうに今思えました。

(芝池)
そうですね。導入予定があるが入ると途端にハードルは下がる感じはします。
今、これは必須項目にした方がいいというのが優勢になっています。

(ペオ)
そうですね。あとは、いつまでにといれるか。2055年の時に導入する予定があるなど言いやすくなってしまうので、例えば1年以内になどにしないと気候変動対応も間に合わない。今ちょっと冗談で言ったのですが。

(中西)
企業の進み具合だと、導入予定がある場合は2030年までには下げる方向にくらいに進められるようにしているので、それを考えると2025年までに導入計画を立てる、導入することを予定しているといった感じではないでしょうか。

(ペオ)
2025年までには遅すぎると思います。例えば10%導入する予定でも90%はまだ環境破壊が続くので、それなら今再生可能エネルギーを積極的に利用しているとした方がいいと思います。次のステップでは例えば2025年までに何%導入するとか、いつまでに何%に変えていったほうがいいと思いますね。

(芝池)
つまりは、今、一つの基準になっていますが、まず再生エネルギーを利用しているか。利用してないけれど導入の計画があるか。の2段階で基準を示す方がいいという理解で合っていますか?

(中西)
基準を分けた方がいいと思います。再生エネルギーを利用しているを最低限満たしてほしい基準として○がつけられるようにしておき、ここからプラスのコミュニケーションが生まれていくようにしたほうがいいのではないかと思います。

(河口)
私も再生エネルギーを利用しているのと、計画ではレベル感が違うので基準は分けた方がいいと思います。

(ペオ)
私のお客さんの中でも例えばいくつかの工場を持っていても1ヶ所だけはソーラーパネルをつけている。それは積極的に利用していることになる。今後全て切り替えるのですがまずは1ヶ所から。100%ソーラーにするのは少しずつ。積極的に利用していればすごくいいと思います。

(井出)
オフィスを想定していたので、最低限満たしてほしい基準として○をつけませんでした。というのも、サステナブルレストラン協会でこれと同じような評価をやったときに、入っているビル全体で契約しているから変えられない、という答えがあったので、オフィスだとそういう会社も多いのかなと思いました。ただ今回は大企業に絞ると決まったので、メーカーだったら大企業で自社工場を持っていない会社はほとんどないので、工場だったらできると思います。オフィスは六本木ヒルズだとビル全体の話になってしまうけど、自社工場で今、再生可能エネルギーを取り入れていない大企業があるのかなと思うくらいなので。メーカーにしぼるのであれば、工場とオフィスがあることも考慮した方がいいと思います。

(芝池)
ではここは必須で設定するっていうことで先に進め、また最後全体で確認できればと思います。

続いて廃棄と汚染です。6番の「正しく食品廃棄されているかモニタリングする仕組みが構築されている」というところが、今5人で、必須項目に設定するかどうかなのですがここは除いてもいいでしょうか。
項目としては大事なのですが、そもそも廃棄と汚染は法規制を守らないといけないのが比較的当たり前のラインとしてあって、それをどんどん必須項目とした結果、かなり満たさなければいけない項目の数が増えている状況です。

(瀧田)
○をつけている方に聞きますか。
井出さん、河口さん、森枝さん、あと佐々木さん。

(河口)
大企業でこれができていないということはない、基本的にマネジメントシステムがあったらば、これはできているだろうと思います。中小企業だとそのあたりが難しいという気はしますが大企業だったらもう当たり前です。ただモニタリングしている仕組みが構築されているという項目の中身が、単なるモニタリングだけではなくて、目標を設定して目標達成に向けた取り組みを公表しているとなっているので、左に書いてある項目と右に書いてある基準の中身がちょっと違いますよね。

モニタリングだけのほうが楽ですよね。だけど右に書いてあるのは基準を作って、より努力を求めているので、よりレベルが高い話になっています。

(芝池)
モニタリングは結局数字を設けてそれに対してPDCAをまわしているかということではないでしょうか。

(河口)
モニタリングは、どれだけ食品廃棄を出しているかチェックしている話だけです。値を削減するために何かをしているわけではなく、ちゃんと処理しているかを言っているだけになりますね、左の項目は。
中身が正しく食品廃棄されているかをモニタリングしているというのを言っているのだけど、基準は正しくではなく削減しなさいとなっているので、削減量の話と廃棄の仕方の両方が混ざっています。例えば担当者が勝手に廃棄していて、そこが非常にひどいことになっていたっていうのを知らないという場合だったら、「正しくモニタリングする仕組みがない」ということになります。でもモニタリングはモニタリングなので、別に削減を要求する話ではないので、混乱すると思います。
それから、食品廃棄の削減なのか食ロスの削減なのかというところもわかりにくいです。

(瀧田)
一応6番と7番で対になっていて、食品廃棄と食品ロス。食品廃棄は、食べられないもの、食ロスは食べられるものになっています。

(河口)
食べられないものなのに食品廃棄と言うのですか?

(瀧田)
食品廃棄は、不可食分ということですよね?

(井出)
農水省だと不可食部も可食部も全部ひっくるめて食品廃棄物と言っています。その中の可食部だけを指して、食品ロスと呼んでいます。細かい話ですが、この基準の対象は、食品メーカーのナショナルブランドだけなのか、小売のプライベートブランドも含まれるのか、どちらですか?

(瀧田)
プライベートブランドも含まれると思います。

(井出)
食品メーカーだけだったら全部削除してもいいかなと思っていました。食品リサイクル法という食品関連事業者の向けの法律があるので、食品メーカーは、リサイクルも含めてきちんとやっていると認識していますが、これが小売になると、できていないこともあります。

(瀧田)
小売のプライベートブランドは遵守していないのでしょうか?

(井出)
小売は遵守できていないからこそ、いまだにリサイクル率も低いです。食品メーカーは90%超えているけど、小売が50%台ぐらい、外食も40%ぐらいです。だから私が○をつけたのは、小売のプライベートブランドも入るのであれば、入れた方がいいと思いました。食品メーカーだけに絞るのであれば、全部削除してもいいと思います。

(芝池)
その場合、井出さん。6の表現、正しく食品廃棄されているかモニタリングする仕組みが構築されているについては、今の河口さんの指摘をいただくと、項目と基準に全然違うことを書いてしまっているとすると、項目と基準で同じことが並んでいればチェックとしては果たせますか。

(井出)
そうですね。もしかするとこの「正しく食品廃棄」という文言よりは、不可食部というのを言ったほうがいいのかもしれないです。

(瀧田)
6番7番で合わせて食品廃棄の表現にしたほうがいいということですか?

(井出)
6番は「不可食で」にして、廃棄よりも優先するのはリサイクルです。たとえ不可食部だとしても、リサイクルできるのであれば、したほうがいい。リサイクルできないとすれば、いよいよ廃棄になります。

(芝池)
この場合はこうみたいに書くのが難しくて、まるめてしまっていました。

(瀧田)
食品の不可食部のリサイクルがまずあって、それができないと廃棄。なんですけども、それは総合的に見ると削減に向けてということですよね。では食品の不可食分の廃棄削減に向けて廃棄の状況をモニタリングする仕組みが構築されているにして、河口さんのご指摘にあった基準も合わせるのが正しいわけですね。

(井出)
そうですね。

(芝池)
1回これにして、おかしいなということがあれば後で修正案いただくほうがいいですかね。この場ですぐは難しいかもしれません。
基本的には大企業であれば、メーカーはできていて当然という話もあったことを踏まえると、必須の数は増えますが、1回ピンクにして後で調整でもいいかなと思いましたが、皆さんいかがですか。

(河口)
このままだと止まっちゃうので先にやってまた戻ってきましょう。

(芝池)
はい。では続いて、生物の生息域と資源です。項目1のb。生物多様性保全の方針に基づいて取り組みを行って、そのPDCA回しているかという基準にところに6人が必須に○つけています。これも絶対必要だという声がなければ、1回取り下げてしまいます。

あと未利用魚の利用に関しても、4名の方が必須に○をつけています。これも取り下げで大丈夫でしょうか?

(佐々木)
大企業はこの項目は使いづらいですね。調達がかなり厳しいので取り下げて構いません。

(芝池)
動物は、意見の偏りがあったところはありませんでした。次は人/社会の労働者の権利です。ここの8番から11番までの項目を選んでいる方と選んでない方とがいた状況ですが、いかがでしょうか?ハラスメントに関しては、統合すると9人の方がどこかしらに○がついています。ハードルを低くすることを考えると、bを残すというのがいいかなと思っております。1回設定をしてみます。

(河口)
ハラスメントがないとは言い切れないのでハラスメント対策にしておいたほうがいいと思います。

(瀧田)
gのダイバーシティを推進するため多様な働き方を実現できる制度を整備しているには4名の方が○をつけています。

(河口)
これも項目を「ダイバーシティの推進」とかにした方がいいのではないでしょうか。多様な働き方を実現できる制度を整備しているというのが基準なのは良いのですが。

(芝池)
次はサプライチェーンマネジメントです。意見が割れていまして、2次供給者を含めてすべてのサプライチェーンにおいて強制労働の禁止が遵守されているか。児童労働が禁止されているか。あとは差別の禁止がされているかというところですね。

基本的にはそのサプライチェーン方針を持っているのは必須になっているので、それが二次供給者まで設定されているかどうか。一旦取り下げですかね。
あとは人数的には少し多めだったのですが、調達方針に基づいた調達を行っているか、倫理的な調達方針に基づいて一部の現在の調達が実際に行われているかどうかという項目ですが、ここはいかがでしょうか?

よりフードに関係する項目ではあるかなと思います。○を付けてくださったのは河口さん、森枝さん、藤田さん、中西さん、佐々木さん。

(河口)
大企業としてそれがないのはおかしいですね。調達段階でちゃんとできていないと。

(芝池)
山本さんと井出さんはもうすべてに適用されているかというところで○をつけてくださっていて、7人の方が調達方針に基づいた調達は大事と考えているという意味では、この低いbのところを必須におきます。

無責任なマーケティングは、2番と3番の項目ですね。グリーンウォッシュを防ぐためのチェック機能が構築されているかは6名の方が○、メディアや消費者団体などからの批判にきちんと真摯に対応しているかは4名の方が○、ここはいかがでしょうか? 
割合的にはこのグリーンウォッシュのほうが人数は結構選んでいます。

(森枝)
グリーンウォッシュをしている人が自分でチェックをするかな?と思いました。

(瀧田)
そうですね。グリーンウォッシュの具体的な事例をここに説明した方がいいとのコメント有識者面談の中でいただきました。
それを踏まえても自分で○つけるかということですよね?

(森枝)
グリーンウォッシュをしている人が自らしていると書くか、です。

(瀧田)
組織内にチェック機能が構築されているかということなので、構築されてないのであれば○にはできないかなと思います。

(芝池)
元々、エシカルコンシューマーは外部評価で、グリーンウォッシュをしているかどうかチェックいますが、確かに自己評価で本当にグリーンウォッシュをしてないかチェックできるかはあります。自己評価できるとしたらチェック機能で防ぐ取り組みをしているかで、判断つくかなと思います。
絶対に必須だという強い声が出ないようであれば、1回取り下げさせていただきます。もしあればいつでも言ってください。

(中西)
私は項目3つ目に○をつけたのですが、NGOとかから声があったときに真摯に対応しているかです。昨日何かの項目でも思ったのですが、対処できていなくても向き合う姿勢が重要だと思っています。後ほどみなさんのご意見をお聞きできればと思います。これを聞かれているだけでも「そうなのか」と意識するところがあると思いました。

あ、思い出しました。ペーパーの話で日本の製紙メーカーでオーストラリアにある企業を挟んでいるので実際には違法伐採の状態のものを使っているのですが、取引上は違法になってないケースがありました。ただNGOからは批判を受けています。もちろん全く対処をしないこともありますが、それに向き合って何かするかとかそういう文言があることで、逆にポジティブに会社が変化しているところも多いです。そういうNGOとの付き合いが日本では嫌厭されがちですがうまいお付き合いになったらいいなと思う意味もありました。

(ペオ)
紙産業で今動いている私達もそれを変えようと思っています。本当にグリーンウォッシュが多い、ひどいところがあります。

(佐々木)
実際今の大企業で、グリーンウォッシュに対する雰囲気はどのぐらいあるのかちょっと私にはピンとこないのですがさっき皆さんがおっしゃったように海外ではNGOがすごく有機的に作用しているので、チェック機能が働きますけど日本ではないですよね。そう考えると、グリーンウォッシュということがある、それはいけないことだということを教育的に示唆するような項目があるべきではないかなと私は思いました。だけどそれをどうやってチェックするのか、その具体的な項目みたいのが作れないので、難しいなというのもあります。アラートを鳴らすような項目は、何とかして入れられないのかなと思いました

(ペオ)
一つは教育者になりましょうということ。例えばグリーンウォッシュはわかりにくい部分もあります。だけどグリーンウォッシュをやらないとかだけでも考えさせられると思います。これは何ですかと社内で会話になる。まずはそこが大事だと思います。同時に私達もいろんな大企業に関するコンサルをしていますが今グリーンウォッシュはどんどん意識が高まっている部分もあります。

だけど同時にグリーンブラッシングもあります。頑張ってもいつも何か批判されるので言わなくてもいい、やらなくてもいいっていう、逆効果になりやすいところもあります。それは日本の大企業も、あまりいい過ぎたくないという考え方。残念ながら。気をつけないといけない部分もあります。バランスだけど教育的な面で見ると、言葉を入れた方がいいかもしれません。

(芝池)
項目としては既にあるので、それを満たしてほしい基準の必須項目として残すかどうかということです。まずその教育的観点というのは皆さん共感するところじゃないかなというふうに思います。その教育的効果が項目として存在していれば気付いてもらえるか、それとも必須項目にしているからこそ、絶対に達成しなければいけないっていう気づきを与えうるか。

中西さんのご指摘は、項目2の方がやっぱりハードル高く感じるので、項目2はありつつも、項目3でまずは真摯に対応しているかチェックを入れられるかどうかが最初のスタート地点ですね。そういう意味では項目3のほうを必須項目にして2と3はセットで考えてというのもあるなというふうに思いました。

(佐々木)
でも項目3に関してはグリーンウォッシュに対する批判という意味ではないですよね。これをぱっと見たときに、項目2とセットに考える人がどれだけいるでしょうか。クレーム対応とも見えます。

(中西)
普段きっとそういう対応をしていると思うので、そのなかにグリーンウォッシュのクレームが入っても、対応すべきかと思います。教育的な意味であれば、例えばその項目にもグリーンウォッシュの批判に対してとか、入れる、入れないということだと思いますが、項目3の方が最低ラインなのかなと思います。

(芝池)
1回また仮置きで、結構グリーンウオッシュについては、皆さん重要だなっていうふうに感じている部分があると思うので、項目2を必須にしておくというところでどうでしょうか? また全体を見てハードルが高いようであれば見直しましょう。

では続いて人/社会の最後ですね。地域/コミュニティ社会の貢献は、結構ばらついておりまして、8人以上がなかったので今必須項目はないのですが、ここの地域コミュニティ社会への貢献をナイスハブな感じで残すのか、それともこの中のどこかは必須項目に設定した方がいいかというところです。いかがでしょうか? 1回白に戻しますね。特にここは必須項目に残したいっていう声があれば、今、共有いただければと思います。

(山本)
こういう項目が出てきた経緯だけ言うと、イギリスのエシカルコンシューマーではこういうようなものはなかったのです。ただ日本独自の項目として、地域社会が内包している問題がすごく多く、例えばその中山間地を抱えている地方の生産地なんかは、本当に中山間地の農業が立ち行かなくなったらもうその地域の環境も荒れ果ててしまうみたいな問題があり、地域というところを面倒見なきゃいけないのは日本固有の問題なんじゃないか。ということで、日本で行うエシカルの評価の中には、地域とかコミュニティ社会に何か貢献しているかどうかっていうのが欠かせないのではという議論があって、こういうのができました。なので、世界の潮流というよりは日本独自のものと言えるかもしれません。その上でまたちょっと考えていただければと思います。

(芝池)
その観点を踏まえると、山本さんは、全部我が子の項目だから、○がついているかと思いますが、今ちょっと改めて絶対残すとしたらここだなみたいな部分ありますか。

(山本)
これでいくと項目1を必須にしていいかもしれません。しきい値として優しめのものを選ぶというのが僕の場合傾向としてあるので、皆さんも票が集まっているのが1ですからそこに合わせるのがいいと思います。

(中西)
私は○をつけていますが、今のお話を聞いても入れたほうがいいと思いました。実際フェアトレードタウンの基準、評価を作るときも地域って特に入ってないのですが、日本にするときに、より障がい者とか社会とかそういう項目も結構深めに入れていたので、これは入れた方が今の日本の状況を見てもいいのかなという気がしました。

(芝池)
そうすると一番選んでいる数が多いのは、高いほうになり「市町村レベルでちゃんと地域に根ざした活動しているか」というところがラインになりますかね。これを1回仮置きで、「企業評価」の意見の偏りがあったところは、すべてクリアになりました。

(佐々木)
すみません、ちょっと追加していいですか。元この項目自体を入れたいと叫んで最後まで粘ったのは私だったので。エシカルコンシューマーの方には全然なくてそれはなんでだろうかと不思議に思って入れていただいたのですが、私が粘ったのは項目2で伝統的な製法の加工食品、例えばいぶりがっことか、そういうものを地方で作ってらっしゃる方々の中小企業をなんとか救い上げたいというような思いでした。それがちょっと広がってこんな形になりました。
想定したのは中小企業だったので、大企業の場合は、そこよりもやっぱり1番の方が重視すべきなのかなというふうに今思っています。

(芝池)
では「フード評価」に移ります。全体はグレーの網掛け割合が多かったですけれども、確認していければと思います。調達の項目1ですね。これは、bが7人で、限りなく8人に近いラインですが必須として残した方がよさそうですか?

(山本)
僕はaでしたがbにします。それで8人にしてください。

(芝池)
ではここは必須項目にさせていただきます。
次は項目2です。倫理的な調達方針を持つ生産者サプライヤーからの調達をしているか、主たる原材料に関してそれが適用されているかが今6人ですがここはどうでしょうか?

(河口)
これ調達方針を持つサプライヤーから調達しているというよりも、サステナブルな素材を調達しているというほうが重要だと思います。調達先は大企業とは限らないので、そこが調達方針持っているかどうかは別として、オーガニックなすごい農業をやっているところで作っているコーヒーなどがオーガニックで作られていたらばいいのであって、そこの農場が方針を持っているかどうかは、取引するときは考えるかもしれないけれども、それはここで見るべきことではないと思います。ものがオーガニックなのかサステナブルかどうかの観点だけにしてサプライヤーに触れなくていいと思います。

(芝池)
項目6以降で、そこをしっかり聞いている構造になっているので、これはもう1回なくしてしまいます。1回それで進めていければと思います。

続いて項目5ですね、昨日この理由などいろいろと議論が沸き上がりましたが地産地消、地域か経済活性化の観点から原材料調達を行っているか。ここを4名の方が選んでいます。
これも強い意見がなければ、必須項目からははずします。

(山本)
さっきの項目がいきたので、こっちは取り下げで大丈夫です。

(芝池)
ありがとうございます。ここから項目6ですね。必須としておくかどうかです。だいたい全部50%のラインが皆さんの意見として選ばれています。オーガニックと農産物は5人、畜産物と魚が3人、多分難易度も考慮してこの結果になっていると思いますがいかがでしょうか。

(山本)
農産物とか畜産物とか、水産物とかそれらの項目の中でどれを残すかっていう議論ですよね?

(芝池)
項目は残りますが最低限満たすべき基準にするかどうかです。

(瀧田)
オーガニックは7人いて一番多いので、一番多く付けられている上に何人いるかっていうところも目安ですよね。

(芝池)
ただ、今オーガニックを見ると、多分ややこしかったのですが、山本さんと森枝さんが「あ」と「う」につけてくださっているので実質5人です。

(山本)
これ、「あ」は何を言っているかというと、その商品自体がオーガニックの原材料を使っているというレベルを超えて、その商品自体がJAS認証とかオーガニック認証を受けているということなのでそれはもう文句なしでオーガニックの価値としては最大のものだというふうに順位付けをしてあげた方がいいだろうなって思ったので「あ」という選択肢があります。

それ以降はオーガニック認証をつけてなかったとしても、そのオーガニック認証を受けた原料を使っているということで、それは尊いことだよねっていうことで段をつけているということです。なので僕は「あ」はやっぱり飛び抜けていいと思っていて、「う」はもちろん努力目標という形で置いています。

(瀧田)
そういう意味では、2022年度最低限満たしてほしい項目は「う」になりますね。

(山本)
はい。

(芝池)
フードとしては実際どういうもので作られているかが一番大事だけれども、とはいえ結構現実見ると難しいので必須項目にするかどうか皆さん悩まれた部分かなというふうに思いますがいかがでしょうか?

(森枝)
オーガニックを使っていて10%がひどい食材使っているということはないと思いますが、ちょっとモヤモヤしたところはあります。そういうのを使っている人なら、余程ひどいものはつかっていないかな。

(瀧田)
しきい値として残した方がいいのでしょうかね。それとも、基本はなくすっていうことに異議がなければなくすと。

(中西)
基準は1年ぐらいでは見直したりとかしようとかありますか?

(瀧田)
1年ごとに更新するのと、世界で大きなトピックスが起こったら臨時で協議します。

(中西)
そういうのもあるのかと思って一瞬私もためらった記憶がありました。心としてはもうぜひ必須に○ですが、それをすることがどうなのかっていうところをちょっと皆さんに聞きたいなと思います。また議論するところに入れといていただいてもいいのかなって思いました。

(須賀)
私は項目に○をつけられなかったです。もちろん気持ちとしてはつけたいですし、つけることに対しアクションしてほしい部分ではあるのですけれども、今現実に世の中にある食品の中で、「あ」「う」にどれくらい着手できているのだろうかと言ったら、そのパーセンテージを考えるとつけられない。あとこの12ヶ月で絶対達成して欲しいとするにはあまりにもハードルが高いと捉えました。なので、しきい値ではなくて、○をどれくらいつけるのかっていったところで見ていくところなのかなと捉えています。

(芝池)
今のを踏まえて、思い入れが強い方がいると思いますが、どうでしょうか?

(河口)
やり方として普通こういうものを作るとパブリックコメントを出しますよね、パブリックコメントを出して意見をもらって吸い上げないと、その辺りの勘所、須賀さんが言われたように、やっぱり無理だよね。そんなこと言われても今はできないしとなってしまうのではないかと思います。ほとんど『エシカルフード基準』を満たすものはないじゃないとなってしまう。だから、できればこういう気持ちはあるので、何らかの形で入れたいけどでも、言われる通りこんなのはできないわよねが、殆どということにもなる。

(芝池)
皆さん、揺れている気持ちは一緒だなと理解しています。あるものをなくす方が調整しやすい気がするので、3人はちょっと少ないので、5人○がついているところは全部仮置きで必須として残してみて、この後全体バランスを見るタイミングか、もしくは食品メーカーさんと流通さんにテスト採点して意見をもらうので、そのタイミングでやっぱりハードル、志が最初から高すぎたということであれば見直してくのでどうでしょうか。現実難しいだろうなというのは、みんな重々承知をしているっていう前提のもとで、ここは5人○がついているところをまずは残させていただきます。

続いて製造です。ここはグレーがついたのが実は項目13だけでして、製造過程において、再生エネルギーの使用に努めるなど電力利用に環境的な配慮を行っているか、ここで6名いらっしゃって、さっきの環境の議論をしたので、ここは必須項目でいいかと思いますが、いかがでしょうか。
製造は22項目あって結構多いのですが今、必須項目は3個くらいです。

ロジスティックスは項目5と項目6。ここは商品の配送時、原材料商品の配送に再生エネルギー可能エネルギーを使用しているか。温室効果ガス排出削減の観点から物流システムの選定を行っているかはどうでしょうか。

さっき大手企業であれば、自社工場を持っていて、そこでの再生エネルギー利用はそんなに難しくないだろうという話がありましたが、物流になるとまた難易度変わってきますかね。どうでしょうか?

(井出)
物流は、今1社で何社もトラックで動くとCO2の発生があがってしまうので、3社以上など、共同で物流に乗せることを、卸、大手メーカーも取り組んでいます。

(芝池)
そうすると項目6は結構始めているところがあるから、こっちは必須にしてもいいのではないかというところでしょうか。仮で、項目5は必須項目から外し、項目6に色をつけてみますね。

いかがでしょうか? もし、この設定で大きな異論がないようであれば1回これを仮置きで進められればと思います。

続いて表示は、無責任のマーケティングに即した表示をしていないかどうかが4名で、消費者が健康的な食生活の観点から理想的な摂取量や接する方法を理解できるような表記をしているかが6名。この2つについては、ぜひ必須項目に残した方がいいというご意見ありますか。

(河口)
エシカルという限りはやっぱりこういうのも入れないといけないと思います。グリーンウォッシュを必須から外したとはいえ、こういうところを悪用してやってしまうケースもあるので。

(芝池)
両方あった方がいいでしょうか?

(河口)
1番目の項目はネガティブをやめましょうという話で3番目の項目はポジティブを入れましょうという話ですよね。3番目も入っている分にはいいと思います。本質的に違うことを言っていると思います。

(芝池)
すいません今、一緒くたに聞いてしまったのですが、まとめてではなく、この1番目と3番目の項目について、それぞれ必須にしたほうがいいかどうかでした。

(河口)
グリーンウォッシュというか、SDGsウォッシュっていう言葉を外した代わりにこれが残っているという理解でいいのでしょうか?

(芝池)
あの話は「企業評価」のところで、一応仮置きで残していて企業全体での姿勢の部分と、その商品に関しては、「きちんと無責任なマーケティングを防ぐような取り組みを表示で行っている」という内容なのでより踏み込んでいる感じです。

(山本)
これ逆に「1番、ドキ!やっているかも」という企業があるなら、それはだめではないでしょうか。そういう意味では必要最低限だと思って○をつけました。

(河口)
特にエシカルという宣伝をしているにもかかわらず、それが間違っていたりしたらまずいです。

(芝池)
では項目1は必須にして項目3は1回外します。

(井出)
山本さんに確認したいのですが、大容量のカップやきそばの話しをしたのはどの項目でしたっけ?3ですか。表示というよりは、私が言ったのは、1食2000kcalを超えるという商品を売るのはいかがなものか、という意見でした。

(芝池)
その井出さんにいただいたご指摘を踏まえて、どこに入れるといいだろうかをいろいろ検討した結果、表示の部分になりました。元々「フード評価」はマーケティングみたいな項目も設けていなかったので表示が近いかなと、それを踏まえて設定された項目基準になっている感じですね。

(中西)
マーケティングとか面白さ的なムーブメントで大きいサイズで提供することが増えてきていて、すごくポジティブに受け止められている社会になり始めているというのはあるとお聞きして思っていました。確かにその個人が自分として摂取してしまったことと、企業としてそれを推奨している形になるのは、違うよなと思います。特にアメリカだったら少し食塩のところに申し上げて、政治でしっかりしようみたいな話もあったっていうぐらい健康の部分ができていますが日本でなかなか語られてないですよね。

(井出)
何か考えようによってはその話も項目1に入れられるのかなと思いました。子どもたちの肥満につながるような不健康な食品とあるけど、大人にもそうなのかなと思っています。一度、人工甘味料を入れたエネルギー0の炭酸飲料を大きなサイズで売ったメーカーがいて、お腹が緩くなるというデメリットがあり、それで発売中止になったことがありました。

あの事例も私はサービングサイズで不健康な飲料に入るかなと思ったので、項目1でいいのかもしれません。

(芝池)
今のお2人の話を聞くと、注意喚起という意味で結構大事な観点ではないかっていうご指摘かなと思うので、ピンクにしておいて後で調整しようと思います。

これでグレーの揺れていた部分に関して、全部最低限満たしてほしい基準に入れるかどうかの判断がついた状態です。その上で、全体を引きで見ると、皆さんに確認いただかないといけないのが、ちょうど黄色になっているところです。面談でのフィードバックを受けて、事務局でアップデートしたところで、ここもいろいろ賛否がまだあるかもしれませんが、1回正とさせていただければと思います。事前にフィードバックいただいたところから内容が変わっているところもあるので、黄色のところに改めて最低限満たしてほしい基準に置くかどうか、皆さんに意思表明をしていただければと思っています。

とはいえ、開始して2時間ぐらいで結構お疲れだと思うので、10分ほど休憩の時間を取らせていただいて、休憩後、黄色のところについてこれは必須にしたいと手を挙げていただければと考えています。

(芝池)
皆さん、後半どうぞよろしくお願いいたします。面談を受けて事務局のほうでアップデートさせていただいた項目、まだ事前フィードバックに間に合ってなかったので、改めて皆さんが2022年度時点の最低限満たしてほしい基準にするかどうか、ご意見を伺っていければと思っています。議論をすると結構長くなるかもしれないので、一度このZoom上のリアクションで手挙げがあるので、必須にしたほうがいいと思う方は手挙げをしていただけますでしょうか。我々のほうでそれをExcelの表に反映させていければと思っております。

まず1つ目が、生物多様性、生物の生息域と資源のところです。生物多様性保全に関して、調達方針にも反映しているかどうかを追加しております。この39行目への生物多様性保全に基づいた調達方針があり、重要品目について目標値を持って取り組んでいる。ここについて必須にしたほうがいいと思う方は手を挙げていただいてよろしいでしょうか? これはゼロっていうことですね。

では、調達方針があるBに関してはいかがでしょうか?

(河口)
生物多様性に関する調達方針はあるけど、生物多様性保全の全社的な方針がない場合もあります。会社としては調達本部で調達方針作るのは意外とできたりするけども、生物多様性保全の企業方針となると管轄するところが違ったりして会社全体としての生物多様性の方針はないけど、調達の中には生物多様性が入っているよということもあり得るので、ここは生物多様性に関する調達方針があるとしておかないといけないと思います。

(芝池)
ありがとうございます。確かにおっしゃる通りですね。bが今3名の方に手を挙げていただいておりました。これを踏まえると、必須から外れますがいかがでしょうか?

(河口)
生物多様性に注目が集まっているのは去年からです。今の状況だとまだないかもしれないけど、これからやろうねというリストには入っていることなので、今現物があるかというとない可能性も高いです。来年か再来年ぐらいにやってくるのでまだ準備段階というか、これから考えるところではないでしょうか。

(芝池)
それも鑑みて1回、ピンクからは外しておきます。では続いて6番ですね。水の持続可能な使用に取り組んでいるかどうか、これに関して2022年時点最低限満たしてほしい基準の必須に設定した方がいいと思う方、手を挙げていただけますか。

欠席の方もいらっしゃって今日は8人なので、ある意味この場での過半数ではあります。皆さんはどうでしょうか?今日この場での過半数ってことで、必須項目にしておきます。
「企業評価」はこれで全部です。「フード評価」のほうに移ると、未利用魚の利用に関して必須項目にする必要あるかどうか。いかがでしょうか?ゼロですね。

続いてパームオイルです。事前に河口さんにご相談をさせていただいて、原材料だけではなく製造過程におけるフライや油の使用も含めるのと、上から全部重量ベースで何%っていう表記だったのですが、そうではなくRSPOの3つのモデルのどこに該当するのかというところと、一番上をRSPOに準拠するような、自社の取り組みを行っているかどうかを供給量の問題で上にしています。事務局もいろいろと悩んだ結果、WWFがパームオイルについてのRSPOについて紹介するページで、こういう問題があるというのを指摘していたので、それに対する独自の取り組みをしているかどうかを観点として、出しているような状況です。

ここに関しても、必須にする必要があるかどうか、順番にお伺いしていければと思います。5人以上の人が選択していたものは1回必須に仮置きしようという話をさせていただいていたので、それと同じで必須に色付けさせていただきます。

包材です。見直すと、場合分けが少しおかしかったところがあったので、事務局で再度整理をし直しました。「容器、カトラリー、包材の3Rが促進される仕組みを構築している」aがリターナブル容器を採用。ここを必須という方は手をあげていただけますでしょうか。bがリサイクル、cがリデュース。今の時点で、今日の人数バランスからいうと最低限満たしてほしい基準として採用となります。

(中西)
リデュースがいちばん表現近いなと私も思ったのですが、サーキュラリティというか、今後3Rという状態じゃないかなというところがあって、この表現でいくのかどうか迷いました。でもその中でもリデュースっていうのは一番大事なのでそこのこととかがいずれでいいのですが加わるといいなと思います。

(芝池)
ありがとうございます。ここは事務局でも優勢に結構頭悩ませたところで、いろんな場合分けがある中で、どう階段を表現すればいいか悩んでこういう落ち着きに結果的になったので、皆さんの知見で、もっといい項目の置き方があればぜひブラッシュアップしていければと思っております。

では項目2に移ります。持続性と環境に配慮した素材を調達している。昨日フェアトレードも入れた方がいいのではという話がありましたが、一応ここは第三者認証を取得したもので、きちんとその持続性と関係の配慮というものが示せるものを使っているかをaにしていますが、aを必須にしたほうがいいと思う方、いらっしゃいますか。

では続いて認証までは取ってないけれども、自主基準を設けて、それを満たしたものを使用している。bを必須にするほうがいいという方いらっしゃいますか。

これは大事だけれども、ハードルをあげすぎずbにしておくということですね。

(河口)
ここであまりプラスチックの容器について言及していないのですが企業がいろいろと頑張っているのは、それがいいかどうかは別として、生分解性プラスチックにするとかそういう動きを進めているので、これだと吸い上げるところがなさそうですね。「FSCの紙など」と書いてあるので、プラスチックはどうするのか。第三者認証ないけれども、生物由来プラスチックか生分解性プラスチックとか、バイオプラスチックだとかに今一生懸命素材を変えていたりするのでそれを持続性と環境に配慮した包材と彼らは言っています。

(瀧田)
bの中に入る認識でも大丈夫でしょうか?

(河口)
となるとbはプラスチック、aは紙と思われていいですか?軸が違うので紙でやろうという会社もあれば、プラスチックでやろうという会社もあるし、製品特性上、液体物はプラスチックじゃないと食品衛生法のいろんなルールもあるから、紙が無理だとかいろいろとあります。

(芝池)
何がより良いかみたいな定義がすごく難しくて、プラスチック削除しちゃいました。

(瀧田)
最初プラスチックも段階を設けていろいろ書いていたのですが、どのプラスチックが基準として一番上なのかが非常に難しくなりました。

(河口)
でも結構そこを頑張っているのに、見てくれないのかというところもあると思います。

(中西)
例えば石油由来、化石燃料由来とかっていうのはどうなのでしょうか。プラスチックはどんどん実際は増えていて、ペットボトルなんかも飲料メーカーは難しかったのをリサイクルしたり、資源量を減らすということを努力的に言うのかとか。それは皆さんいかかですか。そうすると紙とかも、石油由来ではない。みたいな感じになります。最初ワンウェイとかのことを考えましたが実際には食品メーカーさんがきちんと包んでそれを売るとなるとワンウェイよりもそれを包んでちゃんとやらなきゃいけないのだろうなと思ったときに、難しいと悩みました。

(瀧田)
どうでしょうか? ここ悩みました。

(芝池)
そうですよね、紙がいいかというと紙も最後燃やしたりするので何が一番本当に環境に対して負荷が低いのかって一概にこちらで決めきれないというのが、この階段作るときのジレンマでした。少なくともそういう配慮をしていることが、対外的に示せる状態なのかどうかというのが唯一確実に言えるかなという着地が項目2です。

(中西)
確かに気にかけているかどうかだと、いい物をつかむチャンスありますよね。気にかけて企業努力し続けて、それが間違っていたとしてももし本当にまじめにやっていればそういういい情報にたどり着いたり、革新的なものを見つめたりという方向性になるかもしれないですよね。無頓着でいるとやっぱりそこに全くいかないので、LCAとか取るにも本当に難しいし、レジ袋削減もあれでいいのかの議論もすごくあるところだったりします。変にわかりづらいところがあると思うので中身だけに絞って書いてしまうのも、何か紙を推進しているように見えてしまいそうですね。

(瀧田)
あとはメーカーの観点で、さっき河口さんがプラスチックのところ頑張っているというのと、同じように紙を使うことがいいことではないので、認証付きの資源管理のもと伐採された森林からのその紙を使っているというところでも、メーカーさん努力していますよね。両方の視点は多分入れるべきだろうなと思ったのですが。紙を使うのだったら認証のもの。bの表現の中だけだと認証の話が出てこなくなってしまいますね。

みなさんここはFSCとか頑張っているので点がつきやすいところで「中身はできないのだけど、包材を頑張っている」などおっしゃいます。

(河口)
包材からみんなスタートします。包材メーカーが一生懸命それを最終製品として売り込んでいるのと中身を調達するのが大変だったりするためです。包材の努力を認めるか、加点ではなく、マイナス点という考え方もあります。
中身がエシカルでも包材でゴミが大量に発生するといったこともありますし、包材だけ頑張っても中身が全然駄目なのに、それって良いことなのか?となると消費者的には盛り下がるでしょう。

(森枝)
本当にいちばんいいのは、包材なしですよね。自分で瓶を持ってきて入れてもらってなどです。

(瀧田)
でもそれをやっている流通はほぼないですよね。

(河口)
第三者認証を入れ込もうとしているところが難しい。FSCのパッケージを使っていることを評価するなら、それでもいいと思いますが。

(芝池)
FSCと自主基準を並列にするのはどうでしょう。メーカーさんからしてみるとFSCを取得したのに自主基準と同じ扱いになることに疑問を感じるでしょうか?

(瀧田)
ペオさんがザンビアでつながらなくなっているようで意見が聞けません。

(河口)
ペオさんを待って、ここちょっとペンディングにしておいたらどうでしょうか。ペオさんの意見を聞かないことには判断しにくいですね。

(芝池)
最後表示です。これは結構シンプルな整理で、アレルギーを消しています。今の項目4を見て、必須項目にした方がいいかどうかもう一度手を挙げていただけると助かります。

4人という微妙なラインですが、これは必須にしたほうがいいでしょうか?

(須賀)
私は強い気持ちで元々のところに○をしたところです。フード項目の中で現実的な着手としてなかなか○がつけられなかったのですがここは迷わずにつけたところでした。

エシカル、倫理的に対するコンテキストに直接的に関わる部分だと思うのと、国際的なこの議論にこれ以上遅れてはいけないのではないかと思っています。既に市場課題になっている領域なので企業として先行して着手して捉えていいのではと考え、特に表示はコミュニケーションが直接的に関わる部分、わかりやすい部分というところですし、今年のしきい値として設定したいと思ったところでした。

(芝池)
では、ここは必須とさせていただきます。基本的に強い推しがある場合は残すという方針とさせていただければと思います。

では最後項目5ですね、食品ロスの削減に向けて賞味期限の年月表示を切り替えているか、製造努力だけではなく表示のところでも、こういう観点あったほうがいいのではないかということで、項目として追加させていただいています。

(井出)
必須でなくていいのかなと思います。先ほどの食品ロスの項目にくっつけていいと思います。現状としては、年月表示への切り替えは、大手メーカーは、かなりやっています。ただ理想を言えば、3ヶ月以上の賞味期限があるものは、日付を抜くことができるのですが、現状では1年以上のものに限ってやっているところが多いです。今回は、理想を高くするのではなく、ハードルを下げるというお話なので。

(芝池)
まだ皆さん手を挙げていただく前ですが、第一人者の井出さんがそうおっしゃっているところがあり、もし異論なければ、項目としてはもちろん残すのですけど必須からは、下げるということでいかがでしょうか? ありがとうございます。

ではペオさん不在で、ペンディングになっているところを抜くと、全部必須かそうでないかのチェックがついた状態になっております。先ほど、今この論点1が、満たしてほしい基準のラインが一度設定できたっていうところで、ここから先は、そのラインがちょうどいいのか、今項目が増えているので「これだと難しいよね」なのか、冒頭に河口さんが項目を固定で縛ってしまうのではなく、それを参考にしながら、大項目もしくは中項目ごとに○何個以上っていうぐらいにしたほうがいいのではないかと意見をいただいていたので、そのラインの調整を行っていければなと思っております。
とはいえ、1回今どんな感じで設定されているのか、全体像を見てみないと判断つきにくいのかなと思っていまして5時ぐらいまで1回、個人で考え方をまとめる時間をお取りして、その後にお伺いしていけるといいかなと考えています。

(芝池)
「企業評価」と「フード評価」、最低限のラインをフィルタリングした状態で5時5分まで、全体像を眺めていただいた上で、今このラインがちょうどいいかどうか、ちょうどよくないのであれば、高すぎるか低すぎるか。丁度良くするためにはどう調整していくと良さそうかというところをお1人ずつ順番にお伺いしていければと思います。

森枝さんは、5時で抜けられます。

(中西)
私もここで失礼します。自分がちょっと一点思ったことですが、生物多様性の調達方針の項目は人数が少なかったのですが教育的な部分と今年準備しておかないと来年も入っていないことを考えると○はつきにくいかもしれないですが、方針を作っているところに関しては検討いただけるといいのかなと思います。来年から生物多様性の会話は本当に増えてくる可能性があるので、特に海外で展開しているところはそういう影響あるかなと思うのでご検討ください。

(森枝)
僕も生物多様性のところ大賛成です。パームの話とかもそういうところがあったのかなとか思うので、入っているといいと思いました。それ以外はまたメッセージいたします。

(芝池)
5時5分までお時間かお取りしたいなと思うので、1回全体像を見て、考え整理して、後ほど今日いただければと思います。

(芝池)
みなさんお戻りくださったのではじめます。見づらいとこあったと思いますが、全体を引きで見ていただいて、最低限のラインがちょうどいいかどうかというところに関して、順番にご意見いただければと思います。

準備ができた方からお伺いしていければと思いますが、いかがでしょうか?

(井出)
さっき文言が決まらなかった「企業評価」の廃棄と汚染のところです。項目5は、食品以外も含めた廃棄物全体を指しているという認識で、項目6は食品の中で不可食部、例えば卵の殻だとか、リンゴの芯とかそういう部分ですね、魚の骨とか。項目7は可食部というふうに理解をしました。

項目5は、食品だけじゃなくて、例えばそのダンボール箱とか、いろんな容器・包材も含めた廃棄物の削減。項目7は食べられる部分の食品の削減。項目6は、廃棄状況をモニタリングするという文章をリサイクルでもいいのかなと思いました。食品の不可食部の廃棄削減に向けて、できる限りリサイクルする。例えば、とあるメーカーさんで言うと、卵の殻を廃棄せずに、サプリメントとか、いろんなものにリサイクルして活用しています。

豆腐のメーカーだと出てくるおからは、食用としては1%しか使ってないけれども、それを牛の飼料にすることで廃棄をするのではなく、リサイクルして活用するというようなものです。項目6は不可食部で、項目7番は可食部で、項目5は食品だけじゃなくて全部の廃棄物ですよというふうに理解しました。これで伝わるような文章になればいいかなと思います。

(芝池)
こんな感じでしょうか?

(井出)
食品ロス(可食部)にしていただけますか。これにしたらわかるかなと思いますが、不備があるかもしれないので、それはメーカーさんなどにご意見を伺いたいです。

あともう一つ、さっき言い残していかれた中西さんと森枝さんがおっしゃった生物多様性に関しては、食料と農業が生物多様性に与える影響というグラフを出してみたのですけれども、食料と農業は94%となっていて、二酸化炭素の排出量は25%、土地利用は食料と農業が50%となっているので、項目として残しておいていい、というのも確かにそうかなと思います。今年は生物多様性のCOPも開かれますので、残してもいいと思います。

(芝池)
ありがとうございます。全体のこのラインが過ぎないか低すぎないか、バランス的なところに関してはどうでしょうか?

(井出)
全部俯瞰して見て判断するところまでは、いっていないです。

(山本)
「企業評価」の部分は割といいのではないかと印象としては思います。僕の関心は「フード評価」のほうですが「フード評価」を改めて見たときに、調達の部分がすごくコアになってくると思っていて、冒頭の部分で倫理的な調達方針があって、当該商品の主たる原料の調達において、適用されているというのがあるので、必須項目として満たされてれば、他のものは、カバーできているっていう考え方もあります。でもその上で、6a、6b、次6hですね。

ここを見るとJAS有機または同等性を持つオーガニックの製品があって、農産物があって、フェアトレードがあって、RSPOのパーム油があるというふうに見たときに、本当に畜産と水産なしでいいのかなと思いました。

ただ、オーガニックにしろ、そうではない認証にしろ、農産物でそれを作るのと、その農産物を餌にしてまた育てなきゃいけない畜産物、または水産物っていうのは、明らかに農産物よりもハードルは高いわけです。原材料として、倫理性を配慮するハードルは非常に高い。だからやっぱり最初の時点では、畜産物と水産物は外しておくというのは、メーカーからすると妥当なのかもしれないと思いました。今回外すけれども、本当にこの畜産物と水産物に関しては世界的にホットトピック。だけれども、今の時点では日本ではなかなか難しいと思われるので、今回は外しているという見せ方をきちんとしないと、ミスリードさせるような話になってしまうかなというところですね。

(芝池)
山本さんの葛藤がすごく伝わってきました。コミュニケーションの部分に関しては瀧田さんが先ほどの広報の方と一緒に、これにはどういう意味があるかという説明文と補足資料を用意してくださっているのですよね? そこに山本さんがおっしゃっていた「現状では必須じゃないけど、ホットトピックだから忘れないでよ」というのは書けるかなと思っていました。

(瀧田)
そこをどこまで書くかは、結構書きぶり難しいところがあって、なぜなら今後の方針も含めた説明にしなければいけないので。今書こうとしている説明文は、今ある基準についての説明文なので、今後どんな近い将来そこが大切になってくるかまで明確になっているのであれば書けると思うのですけど、そこまで書けるかどうかは正直わからないです。

例えばRSPOでも一番下の「え」が2022年度マストとなりますが、魚と畜産物でそういう考え方は採用できないのかなとか、そういう議論のほうがまだ現実的という気がしました。

(河口)
最初に、「企業評価」ですけれども、すべてのサプライチェーンで森林破壊に関与してないって書いてありますよね。すべて関与してないというのは無理です。自社だけでもわからないので。トレーサビリティをどこまで確保するかはできるかもしれないけれども、二次供給者も含め、全てのサプライチェーンで森林破壊に関与してないっていうのは言明できないです。

例えば大豆、大豆はほとんどアメリカと中国から買っていてトレーサブルだけれどもごく一部、ブラジルの事業で地元で調達しているものがありますが。他の油とも混ざっているものなので完全にトレース出来ない、セラードの森林破壊に100%かかわってないと明言できないとか、そういう話になるので絶対に無理です。ごく一部使う素材でも100%把握できるか、というと、最終食品メーカーは全部把握しているとはとても思えません。

これからトレーサビリティを高めてそこをチェックしにいこうかという段階なので、その調達サプライチェーンにおける森林破壊ゼロの調達方針を持っているかが現実的なところだと思います。

(芝池)
そうすると、この上にある生物多様性保全に向けた調達方針ところには、森林破壊までは入らないのですかね。

(河口)
森林破壊は生物多様性を保全するためのワンオブゼムではあります。森林破壊は残したほうがいいとは思いますが上の生物多様性保全に向けた調達方針があるというところでカバーしてしまうのもあるかもしれません。

(芝池)
今全てのサプライチェーンで森林破壊を防ぐための調達方針があるって修正してみたのですけど、こっちのほうがいいですか?

(河口)
生物多様性保全の調達をしようという可能性もあるので、調達方針があるではなく、トレースするかどうかというのが現実的な段階だと思います。方針がまず第1段階で次は何をするのって言ったら、状況を調べにいきトレースするがあり、トレースした上で、まずいのがあったらそこと取引をやめるというプロセスになるので、一番上は一番ゆるい最初のステップ。下の方になればなるほど厳しいことを言っています。

(芝池)
森林破壊を防ぐためにトレーサビリティを確保する取り組みを行っている。やんわり書いたのですが、河口さんの意図を踏まえられていますか?

(河口)
踏まえているのですが、できている企業はごく少数です。BtoBの会社ならまだしも、BtoCの会社だったら複数の企業から調達をするので、大手の食品メーカーさんはそこまでチェックできるかという話になります。現実的に可能かな?と思います。

「森林破壊に関しての調達削減のための調達方針を持ってサプライヤーに働きかけている」くらいならいいと思います。

(瀧田)
どちらかというと基準を緩くして必須項目にしたほうがいいよということですね。

(河口)
全体像でいうと、「フード評価」の製造のところに、水がないです。考えてみたら、製造工程で水をたくさん使うので、水は入ったほうがいいのではないでしょうか。

化石燃料に依存しない再生可能エネルギーの使用に努めるなど、「電力利用」に環境配慮を行っている。とあるけど電力に限定しない方が良いでしょうね。エネルギー利用。工場なんかでは電力より熱利用をすることが多かったりするので、実は電力で発生させるとかもあるし、太陽熱を使おうという話もあるので「エネルギー利用」にしといたほうがいいと思います。工場の独自のいろいろな工夫があると思います。

包材のリデュースしている、は「3Rの努力をしている」というほうがもうちょっと幅が広がるのではないでしょうか。物によってはリサイクルのほうが早かったりするかもしれないし、リデュースと言われても、物によってはなかなかこれ以上薄くすることができないというもあったりすると思います。その製品によって3Rのどれが一番やりやすいかが違ってくると思うので、リデュースリユースリサイクルの取り組みを進めているとかのほうが、いいのではないでしょうか。

(瀧田)
上から順に高いつもりで書いていますが、今の話をお聞きするとそういうふうに設定しないほうがいいということですね。

(河口)
環境負荷的にはそうかもしれないけれども、リターナブル容器を使う時には水も使うでしょうみたいな話になります。洗うので。ケースバイケースです。

(芝池)
今いただいた「フード評価」の製造の水が必須じゃなくていいのか。また、包材は細かく分けるよりも、3Rに取り組んでいるかどうかのほうが○がつきやすいのではないかを、論点として、ピックアップしておきたいと思います。

(須賀)
論点として挙がっているところですが、「企業評価」の生物多様性のところです。改めてエシカル推進協議会さんのエシカル基準でどういうふうに書かれているか改めて眺めたところ気候変動の緩和や水の持続可能な利用と並列して大きい項目で掲げて、かなり段階的に細かいところを設けていると思います。

先ほど井出さんもご指摘されていましたが、気候変動同様に繋がっている問題であり、食品業界が及ぼす影響が非常に大きいという観点で検討の余地があると感じたというところです。

瀧田さんがおっしゃっていたように、包材のところは極めてわかりやすく企業努力が主体的に行われていると思うと、その全体のバランスの中でシンプルになってしまっていると感じました。バランスとして少ないかもというような印象があります。改めてその点が気になったところです。

(芝池)
「企業評価」のところはさっきご指摘いただいて、生物多様性保全に向けた調達方針を復活させたのですが、同じ観点ですね。フードのところは包材がちょっとバランス的にもうちょっと拾ってもいいのではないかっていうところで、ペオさんまちの項目を整えた結果もう一度それも必須として拾うのはありかなというふうに思いました。論点としてプールしておければと思います。ありがとうございます。

(藤田友紀子)
企業とか環境とか労働に関してはすごく詳しく書いてあり、山本さんのおっしゃっていることにすごく賛同しました。食品製造で、最終的な商品がエシカル商品って言っているにもかかわらず食材についてほとんど書かれていないというのは、私はちょっと不足だなと感じています。おそらく野菜、農産物、畜産物、水産物についてたくさん項目あったと思うのですけど、たくさん項目あったから、その皆さんの○がばらけていただけで、みんな○の数を足したら、フードってもっと注目すべき部分がたくさんあったのではと感じています。本当に農産畜産水産の原材料がすごく大事なのに、原材料のことについてほとんど書かれてないというはどうなのかなと。やっぱりオーガニックのものを調達したりアニマルウェルフェアのものを調達したり、サスティナブルな魚を調達するのが大変なことかもしれないけど、そこの線は最低入れていただきたいです。目標なのか現実なのかちょっと難しいところもありますが。

最初は大企業から小企業までをターゲットにしていたけど、今回の大企業になったので、先ほどお話あったように、大企業は包材から入りますよというお話を初めて知ったのですが、中小企業は原材料から入ります。その後に包材と今なってきているのでまずは食品なので、原材料を重視でやっていきたいなっていうのはすごく感じました。

(佐々木)
そうですね、藤田さんおっしゃったこととすごく共感しています。ただ同時に、なぜ大企業対象でこれだけ項目数が減ってしまったかっていうと、そこが一番難しいからなんだろうなと。みんな現実を見たときに無理だろうという腰が引けた結果こうなったのだと思っております。

でも、ただやっぱり教育ということを考えても、もう少し項目数があったほうがいいのではないかなとは思います。水産に関しては、本当にこれは一番おそらく難しい部分なので、最低のしきい値を設けるのは私自身もすごく迷うところでまだ迷っています。

それとは別にですね、昨日からずっと考えていて、昨日河口さんがおっしゃった、MSCの名前を使っていいのかという問題はおそらく無理じゃないかと思い始めました。

MSCはその商標を使うことに対してものすごくセンシティブなところがありまして、確かに無理かもしれません。生産者だけではなくて加工・一般小売流通すべてなので、ここに例えばMSCの素材を50%使っていますと言って○をつけた人に対して、CoC認証を取ってないのだから主張できませんという可能性はすごく大きいです。なのでちょっと水産の組み直しが必要かなと思いました。河口さんどう思われますか。

(河口)
これに関しては早めに団体と協議したほうがいいと思います。こういう趣旨に賛同してそれならいいよって言ってくれるかもしれないですが、多分グローバルなので、東京がいいと言っても駄目かもしれないし、昨日も言ったようにFSCもロゴの何センチ以内に文字入れてはいけないみたいなのもあります。MSCよりFSCの方が厳しいかもしれません。

(瀧田)
それでいうと認証全部ですよね。

(河口)
全部です。彼らはそれがブランディングなので、マークがついているっていうことは、消費者はそれを見てこれは大丈夫と思って買うわけですから、すごい厳しいです。

(瀧田)
ロゴをつけるというよりも、エシカルフードの考え方として、それを取っているものがいいよというのを基準に入れているだけですが。

(河口)
それなら大丈夫かもしれないけど、絶対に勝手にやらないほうがいいです。共有してこういう形で使いたいがいいかとちゃんと確認しないと。ロゴを使わないなら大丈夫かもしれませんが。

(瀧田)
日本支社がないところもありそうですね。

(佐々木)
講演の中で、ロゴに限らずMSCという言葉を使うときも、事前に申請が必要です。

(山本)
ちなみに有機JASは必要ないと思います。

(河口)
独立系の団体でそれで食べていたりするので、民間企業と同じようにブランドのロゴを勝手に「ネスカフェ」といったものを使わないのと同じ発想で、コントロールしていますね。

(芝池)
これは事務局への宿題ですね。

(ペオ)
認証は本当に厳しいブランディングがあります。例えばシステムの中では今すぐできなくとも、いつか必要と思うけど、そういった認証されている商品を売っている店ならポイントもらうとかですよね?

(瀧田)
現時点では項目に対する基準の中に、第三者認証の個別銘柄があるということについて該当する団体とお互い共有しなければいけないなっていうのは事務局の宿題として理解をしました。

(芝池)
ご意見伺って思ったのは、元々の項目が増えすぎてハードルが高くなるところを事務局が結構心配していたのですが、そんなに今選ばれている必須項目に関して、減らさなきゃいけないというのはないのかなと受け取っています。今日この場で最終決定ではなく、流通さん、あと食品メーカーさんとの次回2月のセッションでいろいろご意見を伺って、その観点も踏まえた上で、最後ちょうどいいラインへの設定ということになります。有識者としてはこう考えていますという部分に関しては、今、必須に皆さんが選んだところはこれで見せるということでいいかなと考えました。

その上で、この項目をもう固定してしまってこれを満たさないといけないとするのか、この数を参考にして河口さんが冒頭でアイディアくださった大項目および中項目に○何個以上というふうにちょっと緩めるのか。

これがぜひ必須で満たしてほしい項目なのだけれども、全部が難しい場合は、この中の80%以上、中項目および大項目ごとにクリアしていたら○にするなど、そのしきい値の置き方はいくつかパターンがあって、そこも最終的には食品メーカーと流通とのセッションで、これをどう受け取るかを踏まえて、皆さんと議論させていただくといいのかなと受け取っています。なので最後、食品流通セッションに向けて帰着させていくという観点では、さっき皆さんから意見いただいたときに特に「フード評価」の調達のところ、畜産と水産を本当に省いてしまっていいのかというところと、製造の部分で水が大事ではというこの二つですね。

抜けてしまっていると流通さんメーカーさんの反応も聞けないので、どれを残した方がいいかをこの時間でもう一度決められればいいなと思います。包材に関しては今入っていない素材の部分も基本的には入れたほうがいいという観点だと思いますが、表現をペオさんに相談するという話があったので、そこまでやりきれるといいかなと思います。

皆さんの総意が必要なのは、原材料の畜産と水産のどこを戻すか。製造の水のどこを必須に戻すかで、包材はペオさんと個別に相談でもできるかなと思っているので、残りの時間は、製造の水と原材料の畜産と水産でどこをすくい上げるかを決められればと思います。

畜産と水産に関してはどうでしょうか。やっぱりここがラインになる感じでしょうか?
1回それで機械的に再設定し直してもらい、全体を見たときに納得感があるかチェックさせてください。製造の水は、河口さんどこらへんでしょうか?

(河口)
洗浄もあるけれど、冷やしたりするのに使ったりとか水がいろいろと使うと思うので、洗浄が多いと思いますが。

(芝池)
原材料の洗浄、薬剤使用の話のあの水資源の持続可能性の配慮の話。製造設備の洗浄機能薬剤使用の話と、水資源の持続可能性の話。あとは排水への配慮という感じで結構水は細かくあります。どの部分を必須でもう1回拾い直してあげられるといいかっていうところ、皆さんご意見いかがですか。

(河口)
もっとこれらを全部まとめたような形で「水マネジメント」に関しての方針に基づいてやっていて、そのマネジメントが製造工程であったり製造設備であったりの排水であったりっていうことだと思うのですが。

(芝池)
今のご意見みなさんどうでしょうか。
製造における水の利用は、結構環境へのインパクトも大きいので、入れたほうがいいのではという部分に関して、現状この赤い色を番号のところにつけているところが水に関する項目で、これのどれを拾うかという話もありますが、細かくわかれすぎているので、そもそも水のマネジメントという一つの項目にまとめてもいいのではないか河口さんからいただいたご意見で、それをどういう方向で帰着させていくといいか、そもそもこの項目作りに携わったお三方からもご意見いただければと思ってお伺いしました。

(藤田友紀子)
水資源の持続可能性に配慮した使用をしているであれば、製造から廃棄、排水まで包含するのかなという感じがします。

(山本)
汚染に関しては、企業項目を廃棄と汚染のところで触れているから、ここでは、藤田さんがおっしゃったように持続可能性への配慮があればいいのかなと思います。
(佐々木)
メーカーさんには、全体像を残しつつ、この別表を見せてこれがしきい値ですというような感じになりますか?

(芝池)
有識者としてはここが2022年基準として考えていいますというふうに、たたき台としてお見せすることになるかなと思います。

(河口)
水は原材料と製造に入っていて、エネルギーはひとつだったりしてバランスが悪いので水も一つにまとめていいと思います。

(芝池)
そこは事務局の宿題にさせてください。3Rでまとめたほうがいいのも宿題となります。

(河口)
原材料の地産地消の観点は落としたのでしたっけ。

(芝池)
原材料調達で地産地消や経済活性化の観点を加味しているかというのがあったのですがそれは「企業評価」の地域社会貢献で拾ったのもあって落ちています。

(河口)
製品で見ると、山形県のだだちゃ豆の商品を作っていたりそれがだだちゃ豆アイスみたいなのが売りだったりすると、残したほうがいいですよね。

(芝池)
一旦、今は観点として落とさないって意味でも拾い上げておきます。

(井出)
エシカル推進協議会のエシカル基準を見ていたら、やっぱり畜産と水産のところで、MSC、FSCという文言は使っていないですね。現実問題、京都の斗々屋(ととや)という、かなりこだわったスーパーを取材したときに、やっぱり肉と水産はものすごく難しい、方針にかなうところも少ない、とおっしゃっていました。ましてや量を調達しないといけない大企業になったら難しいですよね。でも、だからこそ、入れたほうがいいのかなというふうに考えました。

(須賀)
次回のメーカーさんや流通さんとのセッションで、もしかしたら私が聞き漏らしてしまったかもしれないのですが、どういった方々が参加されて、どんな進行で合意形成を経て、バランスだったり、偏りがない形で着地させるのかを、もしも現時点で進行が見えているようでしたら教えてもらえたらと思います。

(瀧田)
理想的には流通2社、食品メーカーさん2社に参加をいただきたいと思っています。食品メーカーさんはサステナビリティ推進の管轄の執行役員の方のご参加が確定しています。もう1社は、まだ悩まれている途中で回答待ちです。流通さんに関して言うと、大手スーパーの商品開発部長の方にご参加をいただきます。商品開発の目線もお持ちですし、もちろんバイヤーの目線もお持ちというところです。流通さんももう1社お誘いしたいのですが、いろいろと難航しているような状況で18日までにどこまで合意形成を取り付けてご参加いただく、お返事をいただけるかはまだ未定です。最低流通1社、食品メーカー1社ということになろうかと思います。

(芝池)
進め方のルールに関しては今日どういう結論に至るかによっていろいろ変わるなというところがあったので、細かい設計まではできてないのですけれども、基本的には有識者としては今、エシカルフードの基準を受ける設けるうえでこういう項目で、こういうしきい値、今回だと、ここら辺が2022年度必須ではないかと考えている、というのを一度共有した上で、それに対して食品メーカーさん、流通さんが参画する立場で、フィージビリティの部分ですとか、いろいろとご意見を伺う中で、どこのラインに設定をするとハードルが高すぎなく参画もしやすくなる、かといって低すぎず、ちゃんと教育的効果も踏まえて訴求をしていけるか、促進していけるか、まさにそのラインが、みんなわからないところなのでそこについてディスカッションしていければなとトピックスとしては考えているような状況です。

時間がもう既に6時を5分押していて、皆さん次のご予定はあるかと思うので、1回ここでしめさせていただく感じでしょうか。

(瀧田)
今日も本当に頭をフル回転させた4時間だったのではと思います。皆さんからのいろんな観点、お一人お一人からご意見伺えてすごくよかったと思います。今日良かったことは、今時点で皆さんの共通の見解でのしきい値というところのゴールにはたどり着けたかなと思います。
一方で事務局のほうでも宿題はいくつかありますので、いかに社会実装していくかという観点でまだまだやっていかなくてはいけないことがたくさんあるというのを再認識しつつ、頑張っていきたいと思っています。
2月18日はみなさんと流通さん、食品メーカーさん交えてというところで、より現実的に社会実装しやすい基準にというところを対話ができればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

詳細はまた決まりましたらメールでいつものようにTカードみんなのエシカルフードラボ通信のメールで送らせていただきますので、よろしくお願いいたします。

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