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【読書】「超恋愛論」吉本 隆明(著)

恋愛というのは、たくさんの人にちやほやされるとか、ぱっと会った瞬間に異性に好ましく思われることではない。つまり、見目形のよさや社交性のような表面的なものとはほとんど関係がない。

それよりも重要なのは、お互いが惹かれ合い、精神的な距離圏に入ったときの関係。恋愛は、そのときにはじまる。

著者は、本書のなかで、「現代の若い人の恋愛は、精神の距離が遠い」と指摘していたが、その傾向はますます強まっているように感じられる。簡単に関係を断ち切れる距離があらかじめ取られたままなのだ。

本来は、精神的な結びつきを求めているはずなのに、実際には真逆のことをする。これは一体どういうことだろう。お互いの精神的な距離圏に入らない恋愛は、はたして恋愛といえるのだろうか。恋愛という形式は変わらないが、内容のほうは昔とずいぶん変わってきているらしい。

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