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【読書】「暮らしの哲学」池田 晶子(著)
池田さんが亡くなる最後の一年に書かれた本。
さすが哲学者池田晶子。迫り来る死の訪れを予感しつつも、そこに悲壮感はない。
以前読んだ「無敵のソクラテス」もよかったが、本書はまたさらにいい。特に文体が美しく、心が癒される。放たれる言葉の切れ味は、相変わらず鋭いけれど。
乾いた身体が水を求めるように、心もまた言葉を求める。いや実際は、その奥にある意味を求めている。意味が心を癒すならば、心より意味のほうがより優れていると言える。
恐らく池田さんは、そのことを知っていたのではないか。だから、言葉を人間の道具だとは決して考えなかった。池田さんの作品が今も多くの読者に読まれているのは、普遍性の境地にたどり着いた当然の帰結によるものだろう。
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