【読書】「負け犬の遠吠え」酒井 順子(著)
佐藤優さんが紹介されていたので、読んでみることにした。
「負け犬の遠吠え」というタイトル。なにやら陰湿な印象を受けていたが、表紙がピンクで安心した。
ここでの負け犬とは、30代以上・未婚・子ナシを指す言葉らしい。
人の人生に勝ち負けをつけるとはいかがなものかという気もするが、「人は、口に出さずとも、心の中で勝ち負けをつけたがっています。」と著者の世の中への理解は深い。
本書では、負け犬の発生から特徴、処世術など鋭く分析しており、負け犬の趣味や嗜好、発言までをリアルに描いている。何故ここまで負け犬について語るのかというと、著者自身も負け犬であるからだ。だからこそ、読書も安心して読み進められるというわけである。でなければ、単なるお説教本にしかならない。もちろん積極的に自己肯定感を下げようとする人はいないだろう。もし読まれたとしても、炎上必至か。
終わりには、「負け犬にならないための十ヵ条」「負け犬になってしまってからの十ヵ条」が書かれており、最後まで楽しめる。約20年前の本だが、今も納得する部分は多い。
面白かったので、他の作品も読んでみたいと思う。
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