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【初心者向け】伝わる!決まる!資料作成術①~構成編~

はじめに

「資料作成」と聞くと、なんとなく苦手意識が働く方は多いのではないでしょうか?
広告制作会社の編集兼管理職である私も毎週何かしら作っていますが、いまだに慣れず、毎回重い腰を上げています。ひとくちに「資料作成」といっても、顧客向けの企画書や提案書、社内の事業計画書など種類もありますし、スケールの大きなものからチーム共有レベルのものまで、状況によって使い分けもあります。そのたびに「さて」とゼロから考え始めるのはツラく、時間もかかるものです。

提案資料に共通するセオリーはあるはず。あちこちに書き留めてきたエッセンスやこれまでの資料を見返し、一度まとめておこうと思いました。

せっかくまとめるのならば、自分流のラクな覚え方で。あなたの参考になれば幸いです。


構成7割、デザイン3割

構成が大事であることはあなたもご存知だと思います。私の本棚に並ぶ企画書・提案書の中にも、「起承転結」、「空・雨・傘」や「6W2H」「PREP」「主張と根拠」といった、思考手順が唱えられていますし、実際活用もしてきました。提案資料をつくるようになって10ン年になりますが、それらをかみ砕いて、私にとってしっくりくるのは…

Why(なぜ) です。

なぜって?(しゃれです)

「5W1Hとか6W2Hとかって言われても直ぐに思い出せない」
(これと同じ理由で「空・雨・傘」も「雨・傘・空?…アレ?逆?」となってしまいます)

暗記ムリです。

先日、部下の提案書に対しフィードバックをしていた時も「なぜ?でつなげる」と言ったところ、他のどんなアドバイスよりも腑に落ちたようでした。

いけそうです。

できるだけ、平易な、身近な言葉で覚えた方がすぐに起動できます。

例えば、よくある構成要素は

❶ 現状の課題
❷ 原因
❸ 解決策
❹ 施策

ですが、これで考えると

❶ Why(なぜ)提案しに来たの?
→ 先日の打ち合わせで〇〇がうまくいってないと仰っていたので→ 【課題】

❷ Why(なぜ)〇〇はダメなのだと思う?
→ やっぱり先月から◇◇をやってないからですよね → 【原因】

❸ Why(なぜ)これで解決するの?
→ △△のデータから、2年前より利用者が倍増している事実がありまして。また、先日業界新聞で◎◎な使い方をしている会社の成功事例がありました → 【解決策】

❹ Why(なぜ)ウチにはこれなの?
→ 御社シニアユーザーの心理を考えると、このコピーが響くと思います
→ 【具体策】

図にすると、こんな感じでしょうか。

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相手に何を指し示すか考える

そう、Why(なぜ)を、相手の目線で考えることが第一歩です。つまり、提案書を提出する相手について深くイメージし、その人にあなたの言いたい事の主旨が伝わるように…と祈りながら構成を考えます。主旨は、ビジネス書の中ではよく「目的」と言われていますが、そもそも「目的」とは何なのか。「目的」をもっと具体的に言うと「指し示す」。つまり、相手(対象)に指し示す。構成案にとりかかる前に、第一手順として、「どんな相手」にあなたの資料で「何を」指し示したいのかを一度明確にします。はじめに、提案資料には様々な種類があると言いましたが、相手と目的が定まれば、何を選択するかも決まってきます。


構成案は大→中→小で

いきなりパワポを立ち上げる前に、手元で構成案を考えます。
何を、どの順で話をするかが最も成否に影響します。構成案=ストーリー=脚本。「企画書はドラマ」と言ったプランナーがいました。そういう意味では、型通りの、いつも同じ提案書というのはありません。毎回、相手のことを思い浮かべて、その人のその時の課題が解決するように、相手が理解できる流れで、物語のはじまりから、衝撃のラストまで、しっかり脚本を考えるのです。まずはあらすじ(大枠)を考え、次に順番を考えます。(どの話をどこにもってくるか)。そして、中身を考えます。中身を考える際、最初は1話(1ページ)で語ろうと思っていたことが、理解してもらうことを考えたら2話(2ページ)になることもあります。中身が決まったら、最後に、言葉(セリフ)がグッと相手の胸に響くように吟味して絞っていきます。(私の場合はこの「小」の部分はパワポ上でやることもあります)

提案書のタイトルは映画のタイトルと同じように印象的である必要があります。できれば、「ほう?どんな話なのだろう?」と興味を持ってもらえるようなものがいいですね。私の場合は、最初に浮かんで、そのタイトルを基に、それが生きるような構成にする場合もありますし、中身を作った後で命名することもあります。慣れないうちは、目的を見失わないように仮でタイトルをつけ、中身ができてからブラッシュアップするのがおすすめです。



解決策のアイデアは日常から

解決策が先に浮かぶことはあまりありません。やはり課題を意識して普段の生活を送っているなかで、ふとアンテナに引っかかる。そのような経験が蓄積されていきます。考えることを放棄せずにいると、そのことばかりウンウンと考えていなくても、頭のどこかではずっと思考は停止せずに、考え続けているのです。

顧客の先にいるユーザーの事を観察・想像し、

■ ユーザーが気づいていない潜在的なニーズ
■ 社会における近ごろのポジティブな出来事
■ 顧客の会社で伸びている点

をかけ合わせたりします。



それ、本当にできる?

ボツになる提案書は、無理に解決策をでっちあげて、現実には誰もやれないものです。
先日も部下がパワポなのに、まるでグラフィックソフトで作ったかのような提案書を作ってきました。しかし、肝心の中身が、顧客の人員ではとても実現できないものでした。案の定、「やれたらいいだろうけどね…」となりましたが、寛容なクライアントばかりではありません。イヤミと捉えられかねないので、いつも「実効性」は確認が必要です。

さて、次は資料のデザインについて。資料のデザインとは「わかりやすさ」のことです。

最初から最後まで集中して見てもらえて、主旨をしっかり理解してもらえる、「伝わる」「決まる」資料についてもまとめておきました。ふたつ合わせて、完全版です。

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