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傷つけて知った見えない気持ち

誰でもひとつはある、恋焦がれ、本当に焦げたお話。

ミスタードーナッツにお昼を食べに行きました。

そこには前に見かけたかわいい子がいたのですが、今日はその子はおらず、代わりにどこかで見たことある子がいました。

なんとその子は中学のときに傷つけてしまった子に瓜二つだったことから、わたしの回想が始まりました。


小学生から中学生にかけては、心は未熟でも身体だけは時間とともに発達し、大人が被せてくるいらぬ心配や懸念に惑い、信じる・裏切る・好く・嫌う・無関心の感情を一緒いっしょくたにして学ぶという、いわば心と体の修行とでもいうか、そんな時代だったと今になって思う。

ひたすら自分の感情に忠実に行動していたけれど後悔はなかった。ただ、

「あのときこうしてればどうなったか?」

という思いだけは、後悔というよりも単純に気になり続けることとして今でもある。

心が未熟だったせいか、自分の思いを優先するあまり、人を知らぬ間に傷つけてしまっていた。その子を見て思い出した。

中学の3年間、ずっと同級生のC子のことが好きだった。クラスも同じ。部活も同じ。部活は吹奏楽部。だから必然と一緒にいる時間が増える。

傷つけてしまったA子は部活が一緒。1年後輩だ。

C子はバリトンサックス、A子は弦バス、わたしはチューバ。全員楽器は違うけれどみんなBassパートだ。だからパート練習は3人一緒。中学3年間の最初の1年はC子と、あとの2年間はC子とA子と一緒だった。

私がC子を好きだったことはA子は裏で知っていたよう。C子に告白などしたこともなかったけど、どうやら態度でまわりにバレバレだったらしい(笑)。それはA子も気づいていたのだろう。それがわかったのはある日、A子の友達から「先輩、話があります」と言われたからだ。

聞いてみるとA子はずっとわたしのことを好きだという。

ただ、A子はとても恥ずかしがり屋で自分の気持ちを出せないから、私から付き合ってあげてほしいと。いや~まさか自分がそんなに想われるなんてありえない!と軽くあしらっていた、そう、半ば逃げるようにして。

バレンタインでも、誕生日でも、A子は何かとアプローチをして来た。そしてA子の後ろには常に応援している友達がいた。そんな組織的?な恋愛アプローチに嫌気がさし、好きだったC子のことしか考えなくなった。

でもA子はBassパートだ。パート練習は一緒。そして後輩。後輩には教えないといけない。なんか嫌だな~といつも感じつつも、教えるときのA子の眼差しはとても真剣でどこかかわいかった。「こんな子がどうして自分なんかを…」といつも思っていた。

時はながれ、中学卒業が迫ってきた。卒業式は吹奏楽部が送り出し演奏をする。3年生も普通は引退するのだが吹奏楽部だけは例外だった。自分の卒業式で卒業演奏する。部の仲間たちとは本当に最後の演奏だ。

演奏は無事に終わり、仲間とは最後のお別れとまたな~と軽い挨拶をして、夕日が傾く音楽室にひとり片づけに戻ると、そこにA子が待っていた。

いつもいる友達がA子の後ろにはいない。A子の楽器は大きいのでずっと前に片づけているはず。「どうした?」と声をかけると「第二ボタンをください」と小さくか細い震えた声で、下を向きながら言った。「どうして?」と小さく答えたらA子はすっと前を向いて、「先輩のことが好きでした!先輩に教えてもらっているときだけが幸せでした。でももう困らせないので最後だけ言わせてください。ありがとうございました!」

そう言い残し、彼女は深々と頭を下げ、目に涙を浮かべながら笑顔を作ってわたしに見せて、手を振りながら小走りに去っていった。

A子を見たのはそれが最後だった。彼女はあと1年中学生活がある。Bassのリーダーとしてやってくれるだろう。教えるべきことはすべて教えた。

ミスタードーナッツで見かけた店員さん、そのA子がそのまま目の前に現れたと思うくらい目を疑った。しばらく声もでなかった。

あとから考えれば考えるほどA子には申し訳ないことをした。彼女の気持ちを受け止めてやることさえできていなかった。最後の別れでさえわたしは彼女の声に応えることから逃げてしまった。

A子の友達がそっと教えてくれた。
A子はわたしのことを本当に好きだったらしい。そしてそれを必死で表そうと恥ずかしがりの性格を直し、一人で自分が思ったことを言えるようになり、わたしの前に今日卒業で別れるその日に現れた。

そのときの彼女の言葉が忘れられない。

「先輩を困らせたくないけど、好きでした」

こんな言葉、今まで長く生きてきたけれど、聞いたのはそのときの1回きりだった。



とまぁこんな回想をミスタードーナッツでご飯食べながらしていました。

本当にそのときに戻れるなら自分を殴ってやりたい。それくらいに、あのとき断るにしてもA子の気持ちを受け取ってからにしてやれなかったのか。

この体験がず~~~っと尾を引いているので、今はもう人の想いを受け止めることを一番最初にすることに心がけている。

A子が勇気を出して告白してくれなかったら、今のわたしのこの想いはない。

どこかで幸せになってくれてたらいいなぁ、と思います。

ちょっと #なんのはなしですか  的なただの体験ですが(笑)

人を傷つけて知る相手の見えない気持ち
人を傷つけないとわからない自分の気持ち

こんなもの神様みたいに正解を見越して行動できればいいのでは?と思ったりするけど、これがあるから人間なのかもしれません。

人間は不完全。不完全だからいろんな失敗をし、そこから何かを知る。

いや~いま思い出しても涙でてきますわToT。。。

こんな駄文を読んでいただきありがとうございました。
ちょっと今日はお昼ご飯戦を書くよりもこちらの想いが頭に出てきてしまって、どうしようもなかったので、こちらに残しておきました。

#心理学 #中学生活 #青春 #人を傷つけること #恋

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