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「子どものイジメ」に親はどこまで介入すべき?

 今日は、高濱正伸さんの「つぶさない子育て 〜どんな時代でも幸せをつかめる大人にする〜」の一部内容をレビューします。

 この本は、「花まる学習会」を主宰する高濱さんの子育て指南本です。

「子育ては、『伸ばすよりも、つぶさない』」
「自分の幸せくらい、自分の心で決められる大人になれ」

 前書きで、そんな思いを込めて書いたと高濱さんは述べておられます。
子どもの自身の成長する力を信じ、伸ばすよりも親がたくさん出ていきすぎて子どもを『つぶす』ことのないようにする子育て、高濱さんから学んでいきましょう。

1.子育てで「イジメ」にどう向き合う?

 高濱さんが、この章で初めに紹介するのが、新聞に寄稿されたイジメに関するコラムですが、これはさかなクンの朝日新聞への寄稿ですね。

2006.12.2 いじめられている君へ

 どんな世界でも、集団ができれば、多かれ少なかれイジメは起こる。高確率で誰かがいじめのターゲットになる。それは避けようがないということをさかなクンも、高濱さんも述べています。

「愛する我が子がそんな酷い目に合うなんてそんな訳には」
「一刻も早くイジメを止めて、我が子を助けないと」

 そんな気持ちが親に起きるのは当たり前。では、どのように対処したら良いのでしょうか。

・子どものイジメにはできるだけ介入しない

 高濱さんの考えは、『我が子をつぶさないためには、子どものイジメにはできるだけ親が介入しない方が得策』です。

 まず、小学校3年生くらいまでは、いじめられた側もいじめた側もすぐに忘れ、あまり尾をひかないケースが多い。見過ごせないほどの酷い暴力であれば話は別ですが、そうでなければ放っておいても大丈夫です。
 いじめや喧嘩、孤独といったネガティブな感情も含めて経験し強くなっていくことで、自分自身は人に優しくできたり、仲直りや内省ができるようになる。逆に、未然に防ぐだけの無菌主義では、何も育たないと述べています

 思春期に入ってきてのイジメは、イジメられた側の親が出てきて、イジメた側に親が関わってきたことを知られるようになると、「あいつ、ちくったな」という憎悪の火を燃やすことにつながります。良かれと思ってした親の行動がイジメをエスカレートさせることにつながることがあります。

 高濱さんが指摘する、『そもそもイジメではない子どもの喧嘩に親が出てくる』パターン。学校もよく処理することがあります。

 些細なきっかけから始まった子どものケンカに親が干渉し、親同士がいがみ合う。当事者以外がしゃしゃり出て、余計なことをした挙句、大事にしてしまう。最終的には、子どものケンカに親や先生が介入して解決するー。
第8章 「子どものイジメ」に親はどこまで介入すべき?

 このパターンがとても多い。
 これが影響し、学校でも些細すぎる児童・生徒同士のトラブルに学校が敏感になりすぎて、手を入れて指導(→親に報告する)、そんなケースが増えている気がします。

 当事者(子ども)同士が何もしなくても、誰か大人が解決してくれると思ってしまう。自分で責任を全く背負わなくてもよい。そんなの大人になってからの大人トラブルではあり得ないわけです。
 本当にこれは悪質だ、命の危険を考えないと。そういう場合以外は、なるべく手を出さないのが得策という、高濱さんの意見は本当にそうだと思います。

・イジメられた我が子とどう向き合うか

 前述したように、イジメ問題自体には介入しない、ではどうやって我が子を救ってやるのか、高濱さんの考えをレビューしたいと思います。

・小学校3年生以下の場合

 子どもが小学校3年生以下の場合は、ただ単に子どもの話を聞いてやるだけで構わないそうです。

「繰り返す」「言い換える」「共感する」

 この3つがポイントです。

「○○君にほっぺたを叩かれた」

 そう言ってきたら、

「○○君が叩いてきたんだね」(繰り返す)
「○○君が暴力を振るったということだよね」(言い換える)
「痛かったね」(共感する)

 このように聞いてあげます。話を聞き終えたら、ぎゅっと抱きしめてあげる。理解されていると感じ、動物的な温もりを感じることで、子どもの心は安定し、自分で立ち直ってくれるでしょう。

・小学校高学年以降

高学年になれば、「聞かない」が鉄則だそうです。
 それは、親に、自分がいじめられていることを知られたくないからです。辛い状況にあったとしても、なんとか自分の力でイジメの問題を解決したいと思っています。
 自立心が育つ中で、「親に助けられているという事実が、自立できない自分ということを本人に突きつける」「親に頼っている情けない奴と思われるのが恥ずかしい」こんな気持ちも出てくる。親が先手を打って解決に乗り込むことが、子どものプライドを踏みにじる行為になってしまうことがあるのです。
子どもから相談を持ちかけられたら、解決に導くために話を聞いてあげ、方法を一緒に考え、場合によっては学校に連絡するのでも良いが、基本はグッと堪えるのが親の役目だと高濱さんは述べています。そして、とにかく親がすべきことは、『いつも通りの家』『安らぐ家』を作ってあげることだそうです。リラックスでき、たわいもない会話の中に親の愛情が感じられる、そんな環境に子どもたちは救われるのです。

 とにかく、大事なのは「親の愛」「温かい家庭環境」なんですね。
 イジメがあることはもちろん事実としてはよくありません。ただ、それを打ち消す位の大きな愛、存在を認めてくれる場が家庭にあることで、子どもは(いじめなどの)大きな壁に自分で立ち向かう力になるのではないか、と思いました。

 家庭の包容力、大きな存在に気づけるきっかけとして、この本・章を参考にしていただけたらと思います。

2.その他の章の紹介 〜無意識に「子どもをつぶす7つのケース」〜

 他の章にも、子育ての中で親が関わりすぎてしまうことが理由で「子どもをつぶす」結果になってしまう例が分かりやすく紹介されています。
 前書きよりも前のページで、以下の「7つのケース」が紹介されています。

1.なんとなく、小学3年生の2月から中学受験塾へ

2.両親の教育方針が違う

3.誰かと比較する

4.「早く宿題を終わらせなさい」と伝える

5.我が子を「かわいそうな子」にする

6.子どものイジメ問題に親が介入(今回紹介)

7.転ばぬ先の杖を出す

 1つでも心あたりのある方は、子育てのヒントとしてこの本を読んで頂けたらと思います。

 また、他の章についてもレビューできたらと思います。
 もし、この章について書いてほしい!というリクエストあったらコメント下さい。


 最後に宣伝。
 本日、note大学内に誕生した “note大学 教育・子育て部”についてです。

「子どもが笑顔でみんなも笑顔」

 をキャッチコピーとし、note大学内で、子育てや教育についてみんなで考える活動ができたらと思っています。上の記事を読んで共感頂けたnote大学の皆様は、ぜひコメント下さい。よろしくお願いします!

 本日も、ご覧いただきありがとうございました♪

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