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Netflix作品「Tinder詐欺師: 恋愛は大金を生む」に見る、現代ロマンスの光と闇。

Netflixで最近リリースされた作品

Tinder詐欺師:恋愛は大金を生む

をご存知だろうか?

世界的に大流行しているマッチングアプリ
”Tinder"を通じて起こった実際の詐欺事件を追ったドキュメンタリーだ。

実際、私もユーザーだった時期もあるが
今は完全にこちらの市場から離れた。


マッチングアプリにもランクづけがあるが
私が体感した感想としてはTinderはかなりコスパもいいし
写真さえ良ければ流れ作業のように多数の異性とマッチする。

その分品位と敷居はかなり低い。


この作品ではマッチングアプリに潜む詐欺の脅威や
加害者である詐欺師の巧妙な手口を、演出もありつつ見事に魅せている。

しかし、私がより興味を持ったのは被害者となる女性たちの方だ。

先にも述べたように日本でのTinderの立ち位置は
この類のアプリ界隈だとかなりカジュアルだ。
他のマッチングアプリや婚活アプリに比べたらその手軽さ故に
その日にマッチして夜にはもう関係を持ったなんてことは
ザラに起こり得るほどだ。

嘘ではない。
なぜなら私もそういう経験があったからだ。

ただ、この作品を見ているとTinderを通して見える
女性たちの「心の隙」が
より顕著に垣間見えることがとても興味深い。

作品には被害女性が何名か登場してくるが
二人目に登場してくる女性に至っては恋人候補落ちしたにも関わらず
気の許せる理解者や友人としての付き合いを続けることに至った。
その結果、男性と恋愛だけではなく友人関係を築きつつも
後にしっかり詐欺の獲物になってしまうのが何とも切なく哀れだった。


マッチングアプリの目的は
効率よく自分の好みの異性と出会えることが最大の魅力だ。

しかし純粋に愛を求める人もいれば
それをダシに悪い事を考える人が大勢いるのだ。
特に恋愛絡みの問題は
人間関係のいざこざの大半に絡んでくる。

そこを突いてくる犯罪集団はやっぱりどの時代においても凄い。
そして彼らはそんな心の隙をうまく突いてくる。


さらにこの作品で特に露呈している点は
一見成功している女性たち程純粋に白馬の王子様を求めている点だ。

それはなぜか?

女性は”共感”の生き物だからに他ならない。

どんなに仕事で成功し精神的にも経済的にも自立していようとも
恋人や友人として背中を押してくれ
辛い時落ち込んだ時に心の支えになってくれる人を
何よりも彼女たちは必要としているからだ。

そして理解者を得た女性は強い。無敵だ。

その位女性にとって
パートナーや理解者を得ることはプラスなのだ。

だから騙された女性たちも
頭ではどこか「おかしい」と理解していながら
これまで築きあげてきた関係とその相手を失うことに
ものすごく恐怖を覚え詐欺の餌食になっていく。

これは何も映画の世界だけではなく身近にも潜んでいる。

モラハラ気質の男性とそのパートナーだったり
歌舞伎町のホストと客の女の子だったり
心の隙をうまく突いた犯罪すれすれの行為は
ごくごく身近で起きているのだ。


流石にここまで話すと
マッチングアプリに対して警戒心を持つ人もいるかもしれないが
まぁ女はどこまでも諦めが悪い生き物でもある。
作品でもしっかりリベンジした挙句
刑務所に詐欺師を叩き込んだのだから女の執念は恐ろしい。

そしてその後もTinderを再開し
新たな王子様を探し続けるというオチ。
なんとも皮肉だ。


まぁ現代ロマンスには
この様な手軽さ故の光と闇が付き物である。

しかし

”うまい話には裏がある”


この言葉が表す様に
必ず簡単に手に入る幸福の裏には何かある。
100%何かある。

これは時代が変わろうともツールが変わろうとも
不変的な事実なのだ。



Leon



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