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ぼっち在宅介護 「兄の終い」を読んで

今日は、雨の日だから、、、
読書感想文noteです。2本noteしようかなぁ。で、重いネタは先に…

「兄の終い」 村井理子著

これは…昨年?いや、一昨年?に読みました。
電車に乗った時に、一気に読みました。
涙が出てしまい隠すのに必死になるくらい、ヤバかった本です。

村井理子さんの本は、全部を読めてはいないので、村井さんの文章を語ることは、わたしはあまりできません。

が、どわーっと、一気に読めた記憶があります。ハラハラして読み進めずにはおれない緊迫感がありました。内容は重めです。


村井さんに出会ったのは、『家族』を出版された際に、記事か何かで知りました。

家族の悩みを抱えていた最中で、『家族』を読みたかったのですが…
その当時、節約に徹していたので、読書は古本と決めていまして、新刊を買うのを躊躇し、村井さんの別の古本で読書欲を満たすことにしました。


本の内容は、詳しくは是非読んでいただきたいので、ざっくりとご紹介します。

村井さんには、ご両親とお兄さんと言うご家族がありましたが、さまざまな事情によりバラバラになります。

周囲に迷惑をかけがちなお兄さんのことを村井さんはずっと心よく思えずにいました。

ある日、警察から電話がかかってきて、お兄さんの死をしります。
遠方に、お兄さんを引き取りにいかねばならなくなりました。
たしか、お兄さんには幼い息子さんがいて、二人暮らしをしていたはずでした…


警察から死の連絡をもらうとどうなるのか…
甥っ子はどうしてるのか…
なぜお兄さんは死んだのか…
死ぬ前はどう過ごしていたのか…


当時、村井さん自身にもご家庭があり、お子さんがいて、仕事がある身。
遠方に住んでいたお兄さんの遺体と生活の場を終うと言う任務を突然受け、戸惑いなかまらもすごいスケジュールで一つ一つのミッションを片付けていかれます。
その中で、お兄さんの最後の思いなどを拾い、終っていくと言うお話です。


亡くなってから、

ぁぁぁぁ…
こうしておけば…
ああ言えば…よかった
と思うこととかもおありになったでしょう。


私は、読みながらクタクタになりました。
警察から知らされる死が、どうなるかとかもはじめて知りました。
家族って結局なんなんだろう?とか。
言葉にできない思いでいっぱいになり、自然と涙が溢れてしまいました。



私の家族も…今はバラバラです。
とてもつながる気、つなげる気になりません。
父も私もです。

家族の中に、このお兄さんのような人が現れてしまうのではないか?と思ってしまう私がいます。

頑なで、お金に縁がなく、強がりで…
自分の器以上のことを考えがちで。
結果、わざわざしんどい方へ舵を切ってしまう人。

年々、歳をとり、体も老いていき、病気になっていながら、現実が見えていない…
素直でないから、人に甘えられないし、でも結局人に甘えざる負えなくなって、格好がつかなくなると、連絡を断つ…
人には語る割にルーズ(私もだけど、笑)
その癖、石橋を叩いてたはずなのに、自分で割り落としてしまい、石橋を片付けない(私は片付けてる方ではあるかなぁ…)

プライドが高く、弱音が吐けないため、事態が悪化しているのに、状況を読めない…

プライドを維持するため、悪いことが起きるのは、全て人や周りの環境のせいになるのです…
何度、問題にぶつかっても気づかない。いや気づいても気づいてないふりをしてるのかなぁ…

なんだかなぁ…とつくづく思います。


本を読み進んで、
これ以上は電車で読むのはヤバい…と途中で閉じたのを覚えています。
その日のうちに、家で読切り、泣きました。


ぁぁぁぁ、こんな日が来たらどうしよう…

ただただそれだけを思って夜を過ごしました。



人生には、春夏秋冬があると思うのです。
人それぞれ、持たせてもらえるお金の額も、生涯稼ぐ金額もちがうし、幸福感も不幸感も違うとは思うのですが…

やっぱり、春や秋のように花があり実りの多い時期もあれば、花はあるけど過酷な暑さのある夏、冬のようにただ辛抱強く寒さを耐える日々もあります。

秋のいい時期を過ぎたら、台風も来るし、どうしても冬が来てしまいます。秋からの準備、冬の過ごし方次第で、春が来るまで凌ぐことができると思うのです。

気持ちなのか、お金なのか、環境なのか、人との繋がりなのか…

上手くいかなくなった時、苦労が目に見えた時、どうしますか?
逃げて迂回しますか?
状況と向き合いますか?

歳を重ねると…体を悪くすると…
正直、なかなか厳しい道に飛び出すことができません。向き合いにくい。
周りにも素直にもなれないし。
余計な言葉も放ちがちになります。

亡くなってからでは遅いのです。
わかっています。
でも、難しい時は難しい。
それはお互いさま。
わかるんです…わかってるんです…

ただ、手を差し伸べても意味がない。
本人の意識が変わっていなければ、これまでと何も変わらない。

人って…厄介だなぁ

とつくづく思った作品です。


とは言え、何も手につかない日も大事です。
雨の日は、雨の日の作業を…とも思いますが…

訪問看護が早くきてくださったので、たまには、のんびりした雨の昼一番をすごそうと思います。

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