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ぼっち在宅介護 『日曜の夜ぐらいは…』を見てる話

この春の民放ドラマで好きだったのは、『日曜の夜ぐらいは…』と、先日終わった『だが、情熱はある』

どちらも若い青年たちが、悩み苦しみ、大人になっていくもの。
私もこれくらい頑張ったらよかったのかなぁなんて、今ならイライラもせず、「頑張れ!」と気持ちよく応援できる。

いつからだろうか。
介護をはじめて、いくらか年数が経過してからだと思う。

「いいものはいい」
「すごい人はすごい」

世間だとか、親の感性とか、自分の意地やプライドなんかはもうおっぽいといて、

「あー、この人すごいなー」
なんて思えた時は、

その人が
若かろうが、年寄りだろうが
いいとこの出だろうが、
はたまた大変な家の出身だろうが、
病気でも、
怪我でも、
そうでなくても、

もう一切合切は置いといて、

素直に「すごい」「素敵」と思おう!

と思い、
するんとそうなっていけた。


きっと、
母のいろんな姿を見て、
母の荷物からゴミになってしまったものをとりのぞいて、
母の母や、母の姉へのがんじがらめの思いなんかもガッツリ見えて、
苦しみ悩み、
でも、散々遊び、与えてもらい、

あー、母の意見、好み、考えは、母のものであって、私のものではないし、私が準じる必要はないのだとわかったからかもしれない。


父もそうだ。
父のことは、そんなに好きではなかった。
テレビで見るような素敵なパパではなかった。
運動会にはきてくれなかったし。
喋る時は「うるさい!」とか「テメェのことはテメェでしろ!」と言ったセリフしか聞いたことがなかったし。
家事を手伝うとか、子供の面倒を見るとかも、一切から手をひいていて偉そうにしていた(ように見えた)
だから、話し込むこともなかったし、何を考えてるのか一切わからなかった。


けれど、なんとなーく、そう言う人に仕上げていったのが、母でもあることに、介護で気づいた。どっちもどっちだった。

父にもそう言う素質があったと思う。
で、母はそこに苦労した。昔ながらの男尊女卑に、うんざりしていた人だったから。
そのうち、それを利用して周りのいい評価を母自身に集めていった感じもする。
世にも難しい夫がいて大変だ!と言う刷り込みを世間にも子供にもしていった。
そして、みんなを味方につけていった。


そうされたら、父もいちいちいい訳しないで、仏頂面をしている。その方が、母も機嫌がいいし、自分も楽なのだ。
向き合わずに済む。


介護をはじめて、それぞれのいろんな思いを知ると、自分のいろんな気持ちも見えてくる。

「いいものはいいし、悪いものは悪い」

この気持ちがしっかり見えてきた。
自分の物差しみたいなものが。

父のでも母のでもない物差し📏


世には、大谷翔平君のように、全世界を幸せにするような人もいるが、、、

半径5メートルくらいの中の人をものすご〜く幸せに愛せる人もいる。


私は、その半径がかなり狭い方だとわかったし、その内容はものすご〜く特殊に濃いと言うことにも気付けた。
それを受け入れる側にも、特殊技能が必要で、誰でも受け入れられないこともよくわかった。


介護したからだと思う。
介護じゃなくてもわかる人はわかるだろうけど。

母というタガ(箍)を外してはじめて、
ぁぁぁぁ!なるほど!と感じたのだ。

で、今、この特殊な半径に入ってくれている主人と父には感謝している。

で、きっと彼らもなんらかの輪っかをはめてくれている。


先週の『日曜の夜ぐらいは…』で、
岡山天音君演じるみね君が仲間に言った。

「僕は、大切な人を守りたいです。そう思っています。そうするつもりです。皆さんを傷つけたり嫌な思いをさせる人は、僕にとっては敵です。それぞれには、それぞれの事情や歴史があって、冷たくできなかったり…いろいろあるんだと思います。どこかで自分が悪かったのかもと思ってるのかもしれない。でも、大切な人を苦しめる人は、敵とみなします。すいません、心が狭くて…。全ての人を守れるとは思えないので。大切な人だけ守ろうと思います。なので、大丈夫です。ご心配なく。」

あー、やられた…
みね君…全部いっちゃった…

でも、大事かも…と思ったりもして。
言葉にしないとわからない人もいるから。

母はそう。言葉にして欲しい人。
父は、言葉にできないけど、思ってる人。

うーん!難しい!

せん妄の時、父は言った。
「(母が)偉そうないい方をする時がある。が、それはそれでいい。いいんだ。」と笑っていた。
「何?偉そうに好き勝手タンカ切るのが可愛かったってこと?」というと、笑ってみせた。

何何何?
そんなに好きで可愛かったなら、言葉にしてやればよかったのに…


言葉にしないといけない時、あるよねぇ…

しらないうちに、親だとか先祖とか世間とかにがんじがらめになって、気持ちがわちゃわちゃしちゃって…
目の前の大事な人に大事なことを伝えそびれてしまう。

いつでもいつまでも伝えるチャンスがある訳じゃないから、、、

これからは、できるだけ、
伝えたい人にハッピーな気分を伝える時間に費やしたい。ほかの言葉にさく時間は勿体無い。


そう思えたドラマ、今週末、最終回だー!

『日曜の夜ぐらいは…』の最終回は、
今週末の 7月2日(日) よる10時00分 から

前回のみね君の長台詞回は、関西なら土曜日夜に再放送があります。

ハンカチ用意しとこう!

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