この討論会は September 2007 に Washington D.C. にあった Christopher Hitchens の自宅に4人が集まり行われたものです。
この様子を録画した映像(討議中の会話を文字化したテロップ付き)は youtube のサイトに公開されています。
この討論は Part I & II の2部に分けて文字化されこの本に収載されています。今回の記事で読むのはこの Part I です。
ここに引用するのは「Atheist 達」のいらだちの訴えです。
「Atheist 達」は宗教の Leader 達と議論をして彼らの行為(布教活動がその一例)にまつわる欺瞞を俎上にあげたいのですが、議論が成立しないのです。この本の "A DISCUSSION, Part 1" と題された合計 44 頁には彼ら Atheist 達のそれぞれが繰り返し繰り返し直面したいらだちのシーンが語られます。
1. ぶっつけ本番であるのに、話が始まるや否や、焦点の定まった討論が展開します。
これから読み進める討論、その Part 1 は Dawkins が「我々Atheists に共通する体験・経験は、宗教の信者たちからの攻撃、非難の仕方が無礼でヒステリックで声が大きすぎるなどとの攻撃です。皆さんはこのような事態をどう受け止められていますか?」と最初のテーマを提示することから始まります。以下の引用部分に至るまでのやり取り、この引用箇所の前にどのような話が交わされていたのかなと興味を持たれる方はぜひ原書を手にされる様、お勧めします。
Hitchens が宗教団体の人々から受ける非難・攻撃・侮辱行為について、そして、Atheist たちの発言がことあるごとに宗教家たちをして冷静さを失い感情を爆発させることについて、「相手の感情を逆撫でする行為:Hurting-Feeling 与える行為」という言葉が核となって議論の焦点が定まったのです。
討議が始まって暫くすると Hitchens の訴え、特にその理論的根拠として「彼が例示した事実(イエスの気高さの否定とそれに対する信者の反応)」が有する説得力の大きさに感心させられます。
2. 宗教者を我々 Atheists が非難すると彼らは感情を逆撫でされて怒り狂います。そんな彼らに「怒り狂う必要なんて無いですよ」と追い打ちをかけます。
Hitchens が新しい話題を持ち出します。「the Catholic League なる協会の会長である Bill Donohue が「最近の芸術の世界の出来事、有名人がカトリック教徒を侮辱する絵画を描いたりするようになったこと」に対して怒るのを聞いたが、それには正当性があると Hitchens が言います。そして Harris は次のように続けます。
3. 宗教指導者たちとの議論は成立しません。しかし4人のAtheist 達は、彼らは彼らの世界に生きているのだからと諦めません。宗教指導者たちをそのまま放置することはありません。
「皆さまにお話ししたいと思っていた一件があります。それは自分たちの思想・主張をして原理主義だと呼ぶ人々がいることに関するものです。Dawkins さんと私をして、ロンドンの地下鉄を爆破した犯人達と同じ原理主義者にすぎないとする論文を公表した聖職者のことです。」としてこの討議のテーブルに Hitchens が持ち出したのが次の話です。
4. Study Notes の無償公開
今回 Part 3 の読書対象部分、Bantam Press 社の本、Pages 39-84 に対応する Study Notes を以下に無償公開します。これまで同様に A-4 用紙に両面印刷しステープラーで左綴じすることで冊子状にまとまります。