黒歴史のフラッシュバック


さっきまで小中学校の時の仲良しメンバーと電話をしていて、各自の近況や彼氏とどうだとか逆にできなくて困ってるとか、そんな話をしていた。

「なんだかんだ身長高い人好きなのかもな〜私、」
と言った時に不意に「Mくんじゃん、」と中学の同級生の男の子の名前を返された。

忘れかけていた中学校時代のことをまた思い出してしまった。


正直私にとって中学時代、特に中学1年生の時期は嫌な思い出がいっぱいで、今まで生きてきた中でも特に上手く生きれなかった時期だと思っている。
その闇の中学1年生の時期に一緒のクラスだったのが出席番号で後ろの席に居たMくんだった。

忘れたいと言いながらも私は結構あの時期のことを覚えている。
忘れ去りたい思い出ばっかりの時期だと思いながら1番後悔が多い時期だったからだと思う。
今の感情のままあの時をもう一度やり直せるなら、もう少し上手くやりたいと思うし、今だになにかと思い出すのはやっぱり中学1年生の頃だと思う。

もう学生でもないし、今更あの時期をやり直せないし、それなのに私の傷は消えず、今だに引きずり続ける重い足枷になっている。
せっかく文章を書く場を得たので、もうここら辺で全部書いてしまって楽になりたい。


小学校高学年の時、私はある男の子に告白した。
それをなぜか言いふらして嫌がらせしてきたのが当時同じクラスになったことが無く、話した事すら無かったMくんだった。なぜそれを彼に言われるのか意味がわからなかったし、酷い人だなと思った。

噂なんてすぐに旬が去るものなので、大した騒ぎにもならなかった。
でも私はその出来事をものすごく根に持っていた。



中学に入学した日、自分の後ろにその言いふらした張本人が居て、存在だけで嫌だったのをすごく覚えている。

結論から言うと、私はMくんと学級委員をする事になる。

自ら立候補した女の子と一緒に委員会活動をやるのが嫌だったMくんは、前にいた態度の気に入らない私に嫌がらせをする為に指名したらしい。
彼も彼で私の態度が気に入らなく、嫌だったと後から周りの友達に聞いた。

私は人の前に立つような人間じゃなかったので拒否したけど結局は空気感に負けてしまい、断りきれなくなって引き受けてしまったような気がする。


前期はMくんが私に歩み寄ってくれようとしていた。
私はとにかく態度が悪かった。

プライドが高くナルシスト気味で、顔の良さを鼻にかけるMくんがどんなに向き合おうとしてくれても、ひたすらに嫌いとか仲良くしたくないとか、話しかけないでほしいとかそんな気持ちだった気がする。


後期は私が歩み寄った、もう遅かった。
プライドの高いMくんの感情をズタボロに踏みぬいた私は今更和解を求めるには遅すぎた。

委員会の仕事では人前で話したり、仕切ったり、それまでの私が避け続けてきたことばかりをやった。
他人からどう見えてたかは分からないが、あの頃の私は常に漠然とした何かから来るプレッシャーに押し潰されそうだった。

見るからに言い返さなそうで、実際に他人から強く何かを言われると言い返せないような人間だったので、自分よりも体格の良く男らしさが出てきた周りの男の子たちがとても怖かった。

当時クラスの男の子たちからよく言われた言葉は

「あの人怖いよねー、」だった。

あの時期の私は何をすべきなのか分からず、どう動くべきなのかも分からなかった。
多分高圧的な態度を取ることでしか従ってもらえないと思っていた。

委員会の仕事に力を入れすぎてる間に、所属していたバスケ部の子たちとは少しずつ技術に差が開き、心も離れていった。
「私はこんなに葛藤してるんだよ!!」と言いたい気持ちだったが、委員会も運動部も全部自分で選んだものだったので理解してもらえるはずもなかった。

仲良い友達は居たけど、当時はこの感情を全部打ち明けられるような友達は1人もいなかった。
委員会が大変な事も、一緒に委員会活動をしているMくんと仲良くなれない事も、高圧的な態度を取ることでしか学級委員感を出せない事も、部活で練習についていけない事も、サボりだと嫌味を言ってきた部活の友達も、私は全てを溜め込んで、全て解決方法が分からなかった。

朝練の為にセットした目覚ましのアラームが鳴るのが怖くなり、それより早く目が覚めてしまうようになった。
アラームに使っていた曲は聴くだけで部活を思い出すようになり、嫌いな曲に変わった。


ある時、本当になにもやる気が起きなくなって、勉強も手につかなくなった。

学校にも行きたくなくなった。

ぼーっとしている間に目から自然に涙が出た。

今思うと十分すぎるぐらい鬱症状だったと思う。
でも、親はズル休みを許さないタイプだったので「休みたい」だけでは休ませてもらえなかった。
いわゆる「思春期」とか「多感な時期」とか言われる時期に不安とストレスと悩みを抱えすぎてた気がする。

結局、全ての限界値を迎えた私はぴったり1年間でバスケ部を退部して、1年の終わりと共に学級委員も辞めた。

最後までMくんとは仲良くなれなかった。
お互い素直じゃなかったなと思う。

2.3年生でもMくんと同じクラスになる事はなく、成人式の同窓会も同級生に会いたくなくて欠席した。

その時一緒に食事会をしてくれたのが3年生の時に仲良くなって、今も仲の良いメンバーだった。


1年生の時に同じクラスだった子も居るのでたまにこの話をするけど、その子たちから見ても当時の私はそこまで悩んでいるようには見えなかったらしい。

今でもこんなに鮮明に覚えていて、今だに自分の中にこんなに深い闇を生み出して傷になっているのに、他人からすると案外なんてこと無いことなのかもしれない。

中学の時も、成人式の同窓会でも、逃げずにちゃんと向き合おうとしておけばよかった。
最後のチャンスだった同窓会も逃げてしまった事で、私は今だにこの出来事を引きずり続けている。


「あの時はごめんね、」って話しかけに行っていれば、ここまでになっていなかったかもしれない。

友達の1人がMくんのインスタをフォローしているらしく、女の影が全く無いと言っていた。
彼は私とは違う人間なのでただ静かに上手いことやっているだけかもしれないが、もしかして私と同等の傷を負ってまだそのままなのかもしれない、と心の汚い妄想すらしてしまう。

正直顔はかっこいいと思っていたが、好きになった事はなかった。
でも当時好きだった人よりもMくんの事をよく思い出すので、後悔や心の傷の方が後に残るんだなと今だに実感している。


たらればな妄想しかできないけど、私は彼と直接話すまではずっと、いつかどこかのタイミングで和解し合えたかもしれないのにな、と思い続けるんだと思う。

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