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1年目のCGパースクリエイターが世界と渡り合うスキルを得るまで

建物が完成する前から販売を開始するNOT A HOTELにとって、CGパースは最も重要なコミュニケーションツールのひとつだ。現実離れしていてはいけないが、世界観をしっかりと伝え、見る者をワクワクさせる魅力が必要になる。

そのカギを握っているのが、社内唯一のCGパースクリエイターである牧野ひかりだ。CGパースクリエイターとしては一年目のキャリアだが、すでに世界と渡り合うだけのスキルを持ち合わせていると、周囲から特別な評価を受けている。短いキャリアのなかで、いかに技術を高めていったのだろうかーー彼女が向き合う“常識を超えたパースづくり”に迫る。

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感性を磨き、ディレクションを深めて、いいCGパースを生み出す


ーNOT A HOTELのCGパースは、牧野さんが自ら制作するものもあれば、世界トップクラスのパース制作会社と共同することもありますよね。印象に残っているプロジェクトはありますか。

牧野:ISHIGAKI 「EARTH」は私にとって転機でしたね。 パートナー企業との制作だったのですが、いつもどおり土地が持つ背景や建物のコンセプトなどを伝えたあと、先方から提案されたパースを見て衝撃を受けました。思いもよらないアングルで、まさにその場の体験や感情が伝わってくるビジュアルばかりで…。加えて、つくり手の土地や建築への解像度が上がるよう、“デザイン”ではなく“情報”をうまくディレクションすることの重要性を学びました。

NOT A HOTEL ISHIGAKI「EARTH」のCGパース

牧野:ISHIGAKIで得た経験をもとに取り組んだMINAKAMI「TOJI」 では、“情報のディレクション”という観点を意識しました。MINAKAMIの舞台となる群馬県利根郡みなかみ町は、もともと月夜野町・水上町・新治村が合併して生まれた町です。“月夜野”がその名のとおりとても美しい月を眺められる土地であること。その一帯には、その昔大きく発展した温泉街があったこと…それらの情報をディレクションした結果、満月を思わせる照明がプールの水面を照らす、美しいパースが生まれました。

NOT A HOTEL MINAKAMI 「TOJI」のCGパース

ーそれはパートナー企業との制作だけでなく、自ら制作する場面においても同じですか。

牧野:そうですね。FUKUOKAのCGパースでは、 ISHIGAKIで得た“体験をいかに表現するか”という観点を意識しています。これはレコードでジャズを聴きながら、雑誌を片手にゆっくり過ごすひと時を表現したもの。あたたかみのある夕日がエントランスへ差し込むそのシーンを切り取りました。

NOT A HOTEL FUKUOKAのCGパース

チームの感覚や知識を取り込んで、前に進みたい


ー建築業界出身ではない牧野さんにとって、設計図面を読み解きながらパースをつくること自体、とても難しい作業ではないでしょうか。入社して一年足らず、一体どのようにスキルを身につけていきましたか。

牧野:普段、建築メンバーのみなさんが口にする「ここ、ちょっと気持ち悪い」に注目していますね。一流の建築士や設計者が感じる“気持ち悪さ”には、ちゃんと理由があるんですよ。私のメンターである松井さん(クリエイティブディレクター / 一級建築士)は、「美しい」という表現もします。そういう建築的な視点での「気持ち悪い」「美しい」がすごく参考になって、その感性を吸収しようと心がけているうちに、私も少しずつ審美眼を養うことができてきたというか。

ー建築士や設計者がすぐ隣に座っている環境は、CGパースクリエイターにとって学びある環境とも言えますね。

牧野:本当にそう思います。ただ、私がスキルアップしたと言ってもらえるなら、それは何より社内のみなさんの助けがあったからです。入社当時、建築チームのマネージャーである綿貫さんから「経験やスキルなど関係なく、牧野さんは入社当日からプロですからね」と言われたときはハッとしましたが、その意識も周囲のメンバーからの影響によって養われたと思っています。

牧野 ひかり:CGパースクリエイター。パロマーカレッジ インテリアデザイン学科卒。ジュニアデザイナーとして経験を積んだ後、専門学校で建築ビジュアリゼーションを学び、23年2月よりNOT A HOTEL参画。

臆さずコミュニケーションを取ることが、スピードにつながる


ーマインドの部分も聞いてみたいです。NOT A HOTELはフルリモートの環境で、ものすごい情報量がスピーディーにアップデートされていきますよね。受け身だとなかなか厳しい環境のなかで工夫したポイントは?

牧野:たしかに、入社直後はメンターの松井さんをはじめ、みなさんの影に隠れるようにして気を遣っていました。でも、それってクリエイターとして価値が発揮できていない状態だと、あるとき気づいたんです。それからは、どんどんコミュニケーションを取って疑問を解消しながら、業務のスピードを上げなくちゃって。

ースタートアップのNOT A HOTELで働くうえでは、とても大切なマインドセットですね。では最後に、2024年の“超えていきたい常識”を教えてください。

牧野:“CGパースクリエイターの常識を超えていく”ですね。かっこいいものをつくりたいと思った人たちが、NOT A HOTELをリファレンスにしたくなるようなクリエイティブはもちろん、パースにとどまらずNOT A HOTELの世界観を伝えるために必要なあらゆるクリエイティブを手がけていきたいです。そしていつか「クリエイティブをつくるなら、まっきー(牧野の愛称)!」と言われるくらい頼られる存在になること。これからどんどんレベルアップしていきたいと思います。

採用情報


現在、NOT A HOTELでは全方位で採用強化中です。カジュアル面談も受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。

STAFFTEXT:Sakura Sugawara
EDIT/PHOTO:Ryo Saimaru

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