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超常現象研究会 活動記録 ドッペルゲンガー 貳
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not Aflac作
貳.
その日の帰り道、沙織と瞳は二人で新しくできたケーキ屋さんへと足を運んできた。内装は少し古めのデザインで落ち着きがあるものの新店舗特有の真新しさがある。落ち着いた店内の奥では白いフリルのついたエプロンを付けた店員さんが妖精のような手つきでケーキを切っている。
「今日聞いた話でね、少し気になったことがあったの。」
そう瞳が切り出した。その目は真剣なものでふざけて言っているようには見えない。
「気になったことって? 」
どこかいぶかし気に沙織がそう聞き返すと、数日前にあったことを話し始めた。夏休みに入る直前の日。うだるような暑さの中ぼーっと立っている弘の姿を見たそうだ。その時間はいつもなら弘は講義に出ているはずだと思い不思議に思ったらしい。
あんなにチャラチャラした見た目の弘だが講義を休むことなどあまりないことを知っていることもあり、どうしたのかと声をかけようと近寄ったのだがふらりとどこかへ歩いて行ってしまった。その雰囲気はどこかいつもの弘とは違うような気がしてならなかった。
「あれってさ、悟くんが話してたドッペルゲンガーなんじゃないのかな? 」
という瞳の目は真剣そのものである。そんな顔をして突拍子もない話をする瞳のことが面白くなってしまった沙織はクスっと笑いただの偶然なんじゃないかと茶化す。
「瞳は映画の見過ぎなんだよ。そんなドッペルゲンガーなんて本当にいるわけないじゃない。」
と笑いながら沙織がいうと、どこか不満げだった瞳も、そうだよねと頷く。そして、瞳はいつもの優しい顔に戻った。
ドッペルゲンガーなんて、物語の中のお話なんだから本当にいるわけがないよね。と瞳はどこかドッペルゲンガーはいるのではないかと思っている自分を否定するように心の中でつぶやいた。
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