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【随想】コロナが告げ知らせるもの

自粛生活を始めてから、約二週間が経った。毎日、新しい情報が流れ、人々の本音が交錯するSNSを見る。気晴らしにファンタジー小説を読む。退屈とは程遠いけれど、このモヤモヤ感はいったい何だろう?

久々に、重たい歴史に触れたくなって、『新・映像の世紀』を見返した。

20世紀は破壊の時代だった。途方もない資金と資源を費やし、あらん限りの人力と頭脳明晰な人知を結集して、人類を破壊してきた、戦争に次ぐ戦争。一握りの野心家たちの名誉と莫大な国益が、膨大な死者の骸の上に築かれた。

21世紀には、もうそのような歴史はそぐわない。新型コロナウイルスの出現は、もしかしたら新しい時代を告げ知らせる「何か」のきっかけになるかもしれない。見えない脅威が、人々の暮らしを一変させ、時には破壊もする。それがかえって人間らしさを呼び起こすときもあれば、逆に愚かしさを浮かび上がらせることもある。

過去の価値観と因習が見直され、新しい価値観と生き方が求められる時代の到来を感じる。その波に乗り遅れないように、今こそ生きる真剣さを取り戻さなければ。

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