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映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』(2019年)のザックリとしたあらすじと見どころ

映画タイトル:レイニーデイ・イン・ニューヨーク
原題:A Rainy Day in New York
製作年:2019年 アメリカ
監督:ウディ・アレン

映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』は、

マンハッタンを舞台に、若いカップルが次から次へと思わぬ事態に巻き込まれるコメディです。

ウディ・アレン監督の養女に対する性的暴行疑惑により、アメリカでは無期限上映延期となっている本作。そんなドロドロの裏側を払拭する(したい?)ロマンチックな1本です。

キャスト

・ティモシー・シャラメ(ギャツビー・ウェルズ)
大学生

・エル・ファニング(アシュレー・エンライト)
ギャツビーの恋人 ジャーナリスト志望

・セレーナ・ゴメス(チャン・ティレル)
ギャツビーの元カノの妹

・ジュード・ロウ(テッド・ダヴィドフ)
脚本家

・ディエゴ・ルナ(フランシスコ・ヴェガ)
スター俳優

・リーヴ・シュレイバー(ローランド・ポラード)
映画監督

・レベッカ・ホール(コニー・ダヴィドフ)
テッドの妻

映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』の見どころと感想

Photography by Jessica Miglio (C)2019 Gravier Productions, Inc.

大学生のギャツビーは、学校の課題で著名な映画監督にインタビューをすることになった恋人アシュレーに同行し、週末をニューヨークで過ごすことに。

ニューヨーク生まれのギャツビーは、アシュレーにニューヨークを案内しようとあれこれ計画を立てていますが、アシュレーの取材の都合で予定変更の連続。元カノの妹、チャンとの再会もあり、事態は思わぬ方向へー。

評)ティモシー・シャラメが好演 ウディ・アレン監督、晩年の会心の出来

ウディ・アレン作品ではおなじみの「すれ違う」設定。スマホがある現代ではなかなかすれ違うことも難しい状況ですが、この映画は破綻することなく「すれ違う」ストーリーを展開しています。

文字通りの「すれ違い」を繰り返し、ギャツビーとアシュレーそれぞれに訪れる変化にも大きな「すれ違い」の仕掛けが。

現実的なアシュレーに訪れるロマンチックな展開に対し、ロマンチストのギャツビー(←名前はもちろんフィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』へのオマージュでしょう)が直面する現実はけっこうシビアなもの。(母親の告白はやや強引な気もしましたが、尺の短いウディ・アレン作品ではままあること。)

これまたおなじみの「雨」を印象づける演出や、ジャズを中心とした音楽、ジュード・ロウ、ディエゴ・ルナらの豪華な脇役もいい。

が、なんといってもティモシー・シャラメです。良くも悪くもあの顔が目立ってしまうシャラメ。そのシャラメがウディ・アレン的屈折キャラをがどう演じるかが気になりました。

近年の作品では大物役者を配しながら( 『マジック・イン・ムーンライト』のコリン・ファース、『教授のおかしな妄想殺人』のホアキン・フェニックス)、どうもしっくりいっていない。が、これはなかなか良かった。やりすぎず、あのイケメンの風合いをうまく消しているシャラメ。元カノの妹(セレーナ・ゴメス←こちらも好演。『僕のニューヨークライフ』のクリスティーナ・リッチ風のキャラでも個人的にはセレーナの圧勝)とのタクシーのシーンで見せる早口の詭弁もうまくハマっています。

ついつい過去の作品と比べてなんだかんだ言ってしまいましたが、これはウディ・アレンの晩年の作品では間違いなくイチ押しの1本です。ぜひ。

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