
映画『スモーク』(1995年)のザックリとしたあらすじと見どころ
映画タイトル:スモーク
原題:SMOKE
製作年:1995年 アメリカ・日本・ドイツ合作
監督:ウェイ・ワン
映画『スモーク』は、
タバコ屋の店長と書けなくなった小説家、訳ありの黒人青年の3人を軸に、それぞれの過去と現在を描いた群像劇です。
アメリカ人作家、ポール・オースターの書き下ろし『オーギー・レンのクリスマス・ストーリー』を基に映画化され、オースターは映画の脚本も担当しています。
キャスト
・ハーヴェイ・カイテル(オーギー)
ブルックリンでタバコ屋を営む男
・ウィリアム・ハート(ポール・ベンジャミン)
強盗事件に巻き込まれた妻を亡くして以降、書けなくなった小説家
・ハロルド・ペリーノ・Jr(ラシード/トーマス・コール)
ギャングに追われる黒人青年
・フォレスト・ウィテカー(サイラス・コール)
左腕が義手の車の修理屋
・ストッカード・チャニング(ルビー)
オーギーの元恋人。17年ぶりにオーギーを尋ねてくる
映画『スモーク』の見どころと感想

毎日同じ時刻に同じ場所の写真を撮り続けるオーギー。
そのタバコ屋の常連客のポール。
車にはねられそうになるポールを助けたことから親しくなるラシード。
ラシードの蒸発した父であるサイラス。
悪い男や薬と縁を切れない娘を助けるためにオーギーを頼ってくるルビー。
それぞれのつながりを描いたオムニバス形式の映画。派手な見どころこそありませんが、ラストのエピソード「オーギーが写真を撮り始めたきっかけ」は名シーンです。
ここにストーリ-を書いてもその良さがまったく伝わらないと思うので、ぜひ映画を見て「煙具合」を味わってください。
評)嘘によるつながりと見えない時間の温かさ
毎日同じ場所、同じ時間に写真を撮ることで気づく「毎日は同じじゃない」ということ。煙に巻くように「嘘」や「罪」が織り込まれている一方で、「人を思うことでつながっている」と感じさせます。
亡くした妻、失った左腕、絶たれてしまった親子の絆、そして嘘によるつながりと見えない時間ー。
これらはけして「ないのではない」というメッセージが込められているように思えます。
ハーヴェイ・カイテルの渋さが光るこの映画。公開から21年後の2016年にデジタルリマスター版が再上映された、映画ファンに愛される作品です。
◆原作ポール・オースターの原作『オーギー・レンのクリスマス・ストーリー』はこちらに収録されています。
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