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映画『FRANK -フランク-』(2014年)のザックリとしたあらすじと見どころ

映画タイトル:FRANK -フランク-
原題:Frank
製作年:2014年 イギリス・アイルランド
監督:レニー・エオブラハムソン

映画『FRANK -フランク-』は、

ミュージシャン志望の青年とバンドメンバーとの交流を描くヒューマンドラマです。バンドのフロントマンは常に巨大な被り物をかぶるフランク。フランクはなぜ被り物をかぶり続けているのか。

実在の”フランク”と一時期活動を共にしたジョン・ロンソンの回想録を基にした映画です。

キャスト

・マイケル・ファスベンダー(フランク)
バンド、ソロンフォルブスのフロントマン なぜか常に巨大なかぶり物をしている

・ドーナル・グリーソン (ジョン・バロウズ)
プロのミュージシャン志望 キーボード奏者

・マギー・ジレンホール (クララ・ワグナー)
バンドメンバー テルミン奏者

・スクート・マクネイリー (ドン)
バンドのマネージャー

・カーラ・アザール(ナナ)
バンドメンバー ドラマー

フランソワ・シヴィル (バラク)
バンドメンバー ギタリスト

映画『FRANK -フランク-』の見どころと感想

(C)2013 EP Frank Limited, Channel Four Television Corporation and the British Film Institute

イングランドの田舎町で暮らすジョンは、ミュージシャンを目指す道半ば。ひょんなことからあるバンドのメンバーに臨時参加することになります。

そのバンドのフロントマン、フランクは巨大な被り物を被っており素顔を見せることはありません。ほかのメンバーとの関係はぎくしゃくするものの、フランクに気にいられたジョンはバンドの正式メンバーとなります。

ファーストアルバムの製作のため山の中にあるキャビンで共同生活を始める一同。製作が難航するなか、バンドのマネージャーで作詞家を目指すドンがフランクの被り物を被った状態で自殺。ショックを受けたジョンはアルバム収録中の映像を独断でネットに投稿します。

そしてこれが話題となりアメリカでライブを行うことに。
しかし、バンドメンバーの仲は険悪な状態となりー。

評) 「わからないでいること」 のやさしさ

インパクトのある被り物ですが、これについてちょっと補足を。

1970年代後半から1980年代にかけて活動していたクリス・シーヴィー。「フランク・サイドボトム」という自ら作り出したキャラクターの被り物をかぶってイギリスでカルト的人気を集めたミュージシャン兼コメディアンです。

この映画の原作者ジョン・ロンソンは、一時期クリス(フランク・サイドボトム)のバンドにキーボード奏者として参加しており、映画はその回顧録を基にしたフィクションです

ジョンの語りによって抒情的に進むストーリーの一方、シュールな笑いとオルタナ過ぎる音楽、そこに加わるネット配信という今風の自己表現が「わからなさ」や「やり切れなさ」を呼び、独得の世界観を生み出しています。

美しいアイルランドの自然風景の中に佇む被り物のフランクをはじめ、どこか閉鎖的なメンバーたち。意味深な台詞や噛み合わない会話で見せていく「わからないでいること」のやさしさが伝わってきます。

なぜフランクは被り物を被っているのかは、ぜひ本編でご確認ください。

映画の大半を被り物で通すという、役者としてはどうなんだ、と思わせる難役を演じるのはマイケル・ファスベンダー。映画『それでも夜は明ける』(2013年)の冷酷な農場主からは想像のつかない繊細なフランクを演じています。

フランクを支えつつも部外者を排除しようとするクララをマギー・ジレンホール。ドーナル・グリーソン、スクート・マクネイリーといった派手さ抑えたキャストもこの世界観にマッチしています。

そしてどう見ても売れそうにない(?)音楽は映画オリジナル。

映画『FRANK -フランク-』をぜひ。


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