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映画『サムサッカー』(2006年)のザックリとしたあらすじと見どころ

映画タイトル:サムサッカー
原題:THUMBSUCKER
製作年:2006年 アメリカ
監督:マイク・ミルズ

映画『サムサッカー』は、

17歳になっても親指(Thumb)を吸う(sukc)「指吸」がやめられないジャスティンの成長ストーリー。指吸の原因にあるADHDを治療し、学校生活や家族との関係が変わっていく姿を描いた映画です。

キャスト

・ルー・テイラー・ブッチ(ジャスティン)
高校生 内向的で思っていることを口に出せない性格
親指を吸う癖が治せない

・ティルダ・スウィントン(オードリー)
ジャスティンの母 看護師 ジャスティンを寛容的に支える

・ヴィンセント・ドノフリオ(マイク)
ジャスティンの父 ジャスティンとの接し方に困っている

・キアヌ・リーヴス(ペリー医師)
ジャスティンの担当歯科医

映画『サムサッカー』の見どころと感想

SonyPicturesClassics/Photofest/MediaVastJapan


アメリカ、オレゴン州の高校生ジャスティンは、17歳になっても親指を吸うことがやめられません。

指吸による歯列矯正を診ているペリー医師は、歯列矯正しても指吸の原因そのものを治さなければ意味がないことを指摘します。ペリー医師の心理療法(催眠術)によってジャスティンの指吸はおさまりますが、ストレスを発散させることができなくなり、かえって不安が強くなってしまいます。

ジャスティンはADHD(注意欠陥多動性障害)と診断され、服薬治療が開始。薬の効果により自発性や活動性が増したジャスティンは弁論部の部長になり大会でも活躍。女子との交際も始めます。

しかし、あることから服薬を自己中断。やがてマリファナに手を出し―。

評)必見!キアヌ演じるペリー医師の名言

「ADHDの治療薬でそんなに変わる?」とか「マリファナは禁断症状がないくらいにコントロールしてたの?」とか「そんなんでNY大学に合格?」とか、いろいろツッコミどころはある話ですが、大きなテーマとしてはブレてないのでスルーします。

この映画で悩みを抱えているのはジャスティンだけではありません。

母オードリーも「気分晴らしがしたい」とお気に入りのスターの相手役に応募したり、そのスターが薬物依存で入院する病院に転職。歯科医のペリーも完全に迷走中。ジャスティンにあやしい心理療法をしたかと思えば「あれは間違っていた!」と急に意識高い系になったり、見かけまで変わるのでジャスティンもドン引きです。

そんな中でもっとも冷静なのは、太っちょな弟ジョエル。ナーバスな兄貴に比べ生意気野郎なんですが、コイツが終盤いいこと言うんです。

「家族のみんなが兄貴の心配で忙しいから、僕はしっかりしてなきゃならない」

こうした周りの人々も含めて「成長」していく姿が描かれています。

そして極めつけはキアヌ演じるペリー医師の名言。

「人にできるのは考え、努力し、望むだけだ。自分が”答え”だなんて思うな。大切なのは、答えのない人生を生き抜く力だ」

夢や目標に向かって生きていく人ばかりじゃないし誰だって不安で揺れている。「そのままの自分を受け入れることが大事」という、ストレートなメッセージが心に響く映画です。



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