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映画『ストックホルム・ケース』(2018年)のザックリとしたあらすじと見どころ

映画タイトル:ストックホルム・ケース
原題:Stockholm
製作年:2018年 カナダ・アメリカ
監督:ロバート・バドロー

映画『ストックホルム・ケース』は、

監禁や誘拐事件の被害者が加害者に対し心理的つながりを持ってしまう”ストックホルム症候群”の語源となった実話に基づくスリラー映画です。

1970年代当時のスウェーデンをボブ・ディランとコメディ要素を効かせて描く1本です。

キャスト

・イーサン・ホーク(ラース・ニストロム/カイ・ハンソン)
銀行強盗犯

・ノオミ・ラパス(ビアンカ・リンド)
人質となる女性銀行員

・マーク・ストロング(グンナー・ソレンソン)
ラースの親友 服役中 ラースの要求で釈放され強盗に加わる

・クリストファー・ハイアーダール(マットソン)
警察署長 

映画『ストックホルム・ケース』の見どころと感想

(C)2018 Bankdrama Film Ltd. & Chimney Group. All rights reserved.

1973年のスウェーデン、ストックホルム。男はロン毛のカツラ、革ジャン、カウボーイハットといったアメリカ人男性のような出で立ちで街の中心にあるクレジット銀行に押し入ります。

カイ・ハンソンと名乗る男は機関銃をぶっ放し女性行員のビアンカら3人を人質に。刑務所に収監されている有名な銀行強盗犯グンナー・ソレンソンの釈放と逃走用の車、金を要求します。

警察署長は強盗犯との仲介役としてグンナーを釈放。グンナーと再会したハンソンの本名はラース・ニストロム。グンナーとは旧知の仲でした。

アレコレと理由をつけ車とお金の要求に応じない警察署長。事態は長期戦の様相を呈してきます。

そんな中、ビアンカら人質とラースとの間に心理的なつながりが芽生えー。

評)実話ものにしては深刻味がない!? あえてのコメディ仕上げか

実際にあった銀行強盗事件ではあるものの、描き方はかなり軽く淡々と事件の様子を映し出していきます。当然現実はもっと極限的でシビアな状況だったでしょう。

この映画は、”ストックホルム症候群”がどういう心理状態かを解釈的に表現したものではありません。強盗犯ラースは冒頭からイイ人とわかる。人質となる女性銀行員ビアンカも面倒見のいいタイプ。こうしたラースやビアンカの人柄から「有り得ること」と読み取るのも違う気がします。

そんな読みをスルーさせるためか、あるいはいわゆるPTSDにこの事件、この土地(ストックホルム)の名がつけられてしまったことへのアンチテーゼか。あえてのコメディ仕上げと思えばなるほど、と。

主演はイーサン・ホーク。ちょっと間抜けな感じの中に「とはいえ、イーサン・ホークでしょうがっ!」という女性行員がああなっちゃう説得力があり過ぎるもの仕方がない。ノオミ・ラパス、マーク・ストロングという共演者も堅調。ボブ・ディランの音楽もイイ。

映画『ストックホルム・ケース』 ぜひ。


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