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映画『ブレイク・ビーターズ』(2014年)のザックリとしたあらすじと見どころ

映画タイトル:ブレイク・ビーターズ
原題:Dessau Dancers/BRAKE BEATERS
製作年:2014年 ドイツ
監督:ヤン・マルティン・シャルフ

映画『ブレイク・ビーターズ』は、

東西統一前の東ドイツ。若者の間に広がるブレイクダンスブームのなか、国公認のダンスグループに仕立てようとする体制側と自由を求める若者の戦いを描いた作品です。

統制がすでに形だけとなった衰退していく社会同様、なかなかユルい仕上がりの1本です。

キャスト

・ゴードン・ケメラー(フランク)
ブレイクダンスの虜になる19歳

・ゾーラ・ゲルハルト(マルティナ)
元オリンピック代表の女子体操選手

・オリバー・コニエツニー(アレックス)
フランクの親友

・セバスチャン・イェーガー(ミヒェル)
チームに加わるブレイクダンス好き

映画『ブレイク・ビーターズ』の見どころと感想

1985年の東ドイツ。19歳のフランクは西ドイツのTV番組で見て以来、ブレイクダンスに熱狂。親友のアレックス、元体操選手のマルティナ、同じくブレイクダンスに魅了されたミヒェルともに路上でダンスを踊るようになります。

が、政府は西側で生まれたブレイクダンスは非社会主義的として、路上で踊るフランクら若者を逮捕。

これに対しフランクは「ブレイクダンスはもともとアメリカの貧しい人々や虐げられた人々の反抗の運動から生まれ、反資本主義の思想を持っているのだ」と説き伏せて釈放されます。

以後、政府は”ブレイクダンスを社会主義化する”という方針のもと、フランクら4人の”ブレイク・ビーターズ”に練習場を与え専任コーチをつけ、国公認のアクロバティックショーダンスチームとして売り出すことに。

ブレイク・ビーターズは国内をツアーで回り人気者になる一方、国の操り人形だとバカにされはじめます。そのことに葛藤を覚えるフランクは、あるステージで思い切った行動にー。

評)形だけの統制の中、夢を追う若者の葛藤もユルい

ユルい。とにかくユルい。
国公認となってからはもちろんのこと、それ以前から「ブレイクダンスってこんなにダサかったっけ? 」と。フランク役のゴードン・ケメラーは長身のダンス経験者なのに、ダンスが驚くほどハマっていないのはなぜ?イケメンが災いしているのか。

当時の東ドイツにはこうした国公認のブレイクダンスチームがあって、動きの揃ったダンス(って時点でブレイクダンスじゃないんだけど)をしていたそうな。ま、この政策に見るように社会主義による統制はもはや崩壊寸前だったと思わせる描写がチラホラ出てきます。そんな社会の中で夢を追う若者のエネルギーも微妙な温度。恋もあり、友情もありなんですがー。

映画全体から漂う不思議なグダグダ感こそが、この映画の見どころなのかもしれません。

映画『ブレイク・ビーターズ』ぜひ、お試しを。


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