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映画『真夜中の虹』(1988年)のザックリとしたあらすじと見どころ

映画タイトル:真夜中の虹
原題:Ariel
製作年:1988年 フィンランド
監督:アキ・カウリスマキ

映画『真夜中の虹』は、

アキ・カウリスマキ監督による労働者3部作の1本です。元炭鉱夫と子持ちの女性警備員が底辺から這い出ようとしますがー。主人公の相棒ミッコネンを演じるペロンパーのメガネ男子ぶりがツボです。

キャスト

・トゥロ・パヤラ(タイスト・カスリネン)
元炭鉱夫

・スザンナ・ハーヴィスト(イルメリ)
警備員ほかいくつもの仕事を掛け持ちするシングルマザー

・マッティ・ペロンパー(ミッコネン)
カリスネンが獄中で知り合う相棒

映画『真夜中の虹』の見どころと感想

フィンランド最北部のラップランド。鉱山の閉鎖によって職を失ったカリスネンとその父。父はカリスネンにキャデラック1台を残し拳銃自殺します。

希望を求め南に向かうカリスネンですが、道中強盗に遭い有り金をすべて失ってしまいます。

そんなある日、駐車違反を取り締まる警備員イルメリと出会うカリスネン。
ひとり息子リキを育てるため仕事を掛け持ちするイルメリに惹かれるカリスネンはキャデラックを売り払いお金を作りますが、安く買いたたかれてしまいます。

落ち込むカリスネンの目の前にあの強盗の一人がー。捕まえようとしたカリスネンですが強盗の持っていたナイフを奪ったところで逮捕。そのまま1年超の懲役刑に。

カリスネンは獄中でちょっと変わった男ミッコネンと出会いー。

評)亡きマッティ・ペロンパーの見どころたっぷりの1本

『パラダイスの夕暮れ』(1986年)同様に、上の世代の唐突な死から始まるこの映画。暗澹たる世界のなか、主人公カリスネンにはこれでもか、というほどの不運が続きます。

が、ちゃんと温かい。

カリスネンがフィンランドを南下する車キャデラックは、なぜか幌が下りないオープンカー状態で激寒。そのキャデラックを二束三文で売り払うものの、相棒ミッコネンとともにディーラーから強奪。ミッコネンの手引きによって国外に逃亡する「オーバー・ザ・レインボー」が流れるラストに向かいます。

乗り込む船の名は「アリエス」 これが映画の原題というのも密かにロマンチック。で、ちょっと『カサブランカ』っぽいハードボイルド感も。

が、そこでなぜか動かないはずの幌が降りて、クスリとさせるところがニクイ!

見どころはミッコネンを演じる今は亡きマッティ・ペロンパー。黒ブチ眼鏡となでつけたボブヘア。マネキンから強奪するスタイリッシュな紳士服に身を包み、仲間のためにー。クーッ!

映画『真夜中の虹』 おすすめです。


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