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映画『記者たち 衝撃と畏怖の真実』(2017年)のザックリとしたあらすじと見どころ

映画タイトル:記者たち 衝撃と畏怖の真実
原題:Shock and Awe
製作年:2017年 アメリカ
監督:ロブ・ライナー

映画『記者たち 衝撃と畏怖の真実』は、

2003年3月、イラクの大量破壊兵器の存在を理由に開戦に踏み切ったアメリカを、唯一批判した新聞記者たちを描く実録風サスペンス映画です。

キャスト

・ジェームズ・マースデン(ウォーレン・ストロベル)
新聞社(兼通信社)ナイトリッダーの記者

・ウディ・ハレルソン(ジョナサン・ランデー)
ウォーレンの同僚記者

・ロブ・ライナー(ジョン・ウォルコット)
ナイト・リッダーの局長

・ジェシカ・ビール(リサ・ストロベル)
ウォーレンの妻

・ミラ・ジョヴォヴィッチ(ヴラトカ・ランデー)
ジョナサンの妻

・トミー・リー・ジョーンズ(ジョー・ギャロウェイ)
元従軍記者

映画『記者たち 衝撃と畏怖の真実』の見どころと感想

(C)2017 SHOCK AND AWE PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

2001年9月11日、アメリカ同時多発テロが発生。

新聞社ナイト・リッダーの記者ウォーレン・ストロベルは国務省を取材し、アメリカがイラクに派兵しようとしている情報を入手します。テロの首謀者と目されるのはビン・ラディン。イラクのフセインがビン・ラディンと手を組むことは考えにくく、ウォーレンたちは慎重に取材を進めます。

が、ジョージ・W・ブッシュ米大統領は、イラクが大量破壊兵器を保有しテロ組織を支援していると明言し、大手メディアもこれに追従。唯一異を唱えるナイト・リッダーの記事は紙面に掲載されなくなります。

真実を追うナイト・リッダー局長ウォルコットは、旧知の元従軍記者ギャロウェイに協力を依頼。取材を重ねた結果、イラクには大量破壊兵器はなく作る技術もないことを確信するウォルコット以下。

が、政府は開戦につき進みー。

評)あえて実直に描くジャーナリズムの真髄

映画は、後に大量兵器は発見されなかったという事実とともに、報道の作為の危険性を映し出していきます。

記者たちの動きと並行して描かれるのは、ひとりの若い兵士です。退役軍人公聴会に車イスで出廷したアダム・グリーン兵士が問う「アメリカはなぜ戦争を始めたのか」 映画はここからさかのぼって、アメリカが開戦に向かった内情を描き出していきます。

間違った情報が戦争を引き起こし、そうとは知らず愛国心を持った若者が戦地に赴き傷つく。そんな犠牲を払わせたくないという思いが詰まったウォルコット局長の言葉こそが、ジャーナリズムの真髄ではないかと思わされます。

事実に基づくストーリーと、実際の報道映像なども随所に使われているこの映画。下手に脚色されることなく、実直すぎる作りが少々物足りない感もありますが、2人の記者(ジェームス・マーディンとウディ・ハレルソン)と局長(ロブ・ライナー監督兼ある意味主演)の熱演だけで満足の1本です。


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