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映画『2人のローマ教皇』(2019年)のザックリとしたあらすじと見どころ

映画タイトル:2人のローマ教皇
原題:THE TWO POPES
製作年:2019年 イギリス・アメリカ・イタリア・アルゼンチン
監督:フェルナンド・メイレレス

映画『2人のローマ教皇』は、

現ローマ教皇フランシスコ(ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ)と、先代のベネディクト16世の代替わりの裏側を描いた映画です。かなり脚色はされていると思いますが、実話をベースに教皇の人間性を深く描いた作品です。

キャスト

・アンソニー・ホプキンス(ベネディクト16世)
教皇 現名誉教皇

・ジョナサン・プライス(ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ)
枢機卿 現教皇

・シドニー・コール(ピーター・タークソン)
枢機卿

・フアン・ミヌヒン
若き日のベルゴリオ

映画『2人のローマ教皇』の見どころと感想

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2005年ヨハネ・パウロ2世の死去に伴い、次の教皇を選ぶ手続き(コンクラーベ)が行われます。有力候補の一人であった改革派のベルゴリオは破れ、教皇の座に就いたのは保守派のラッツィンガー(ベネディクト16世)でした。

2012年、バチカンは内部文書の流出や不透明な金の流れや、司祭による性的虐待などのスキャンダルにまみれており批判の声が上がっていました。この状況を変えようとしない教会に対しベルゴリオは枢機卿を辞職する決意。アルゼンチンからバチカンに向かいます。ベネディクトはベルゴリオとの対話に応じますが、ベルゴリオが辞職すれば一層のスキャンダルになると辞職を認めようとしません。

そして話は1956年のアルゼンチンにさかのぼり、ベルゴリオの過去が語られます。

過去に罪の意識をもつベルゴリオ。ベネディクトもまた、スキャンダルに対し適切な対応ができていないことに罪の意識があり、大きな決意をー。

評)宗教クサさもなく、政治的な難しさもない美しい娯楽映画

「教皇といっても普通の人間なんなだな」と、罰当たりなくらい俗な感想を持ってしまいましたが、そういう描き方なんですよ、これは。

神に仕える現役と先代の内なる心なんて想像するのも憚れるのに、ABBAのヒット曲「ダンシング・クイーン」が流れるコンクラーベや、2人がピザを食べながらサッカーワールドカップ(アルゼンチンVSドイツ)をTV観戦するシーンなど、ライトな演出が満載なのです。
一方、若き日のベルゴリオのアルゼンチンのシーンは、胸にグッとくるものがー。

こうした演出(おそらく実話じゃない部分が相当あるのでしょう)が、「教皇も人間」「教皇も罪を抱えて生きていく人間である」ということ、そして「人と人とのつながりが一つの救いになる」というメッセージではないかと思いました。

宗教クサさもなく、政治的な難しさもない美しい娯楽映画に仕上がっています。アンソニー・ホプキンスとジョナサン・プライス。2人のオジイさんのやり取りがなんとも面白い。かわいくて、あたたかくて、頑固で、鋭くてー。ぜひ。




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