見出し画像

【映画日記】発見!ホラーは成長ストーリーと好相性 『ブラック・フォン』 

2024年3月17日

”発見!”などと大きく出てしまいましたが、ホラー映画って主人公ほか、人間の成長ストーリーと非常に相性がいいなと思ったのです。

そう思いながら見た映画はコレ。

映画『ブラック・フォン』(2022年・アメリカ)

1978年のコロラド州デンバーを舞台に、少年が犠牲となる連続誘拐事件が発生。主人公の少年フィニーは大人しくいじめられっ子。家族は精神を病んで亡くなった母と、それがもとで子どもに愛情を向けられなくなった父、そして予知夢を見る妹グウェン。

そんなウィニーが手品師を装う仮面の男”グラバー”にさらわれ監禁される。監禁された場所には繋がっていないはずの黒電話がありー。

という、ホラーです。

で、この弱気な少年フィニーが黒電話にかかって来る電話のメッセージや妹の助けを得て危機を脱し強くなる、というまさに成長ストーリーなんです。ホラーなのにめちゃ気持ちがイイ。

人は危機を経て成長していく

原作はスティーヴン・キングの息子のジョー・ヒルの短編。スティーヴン・キング原作の映画『スタンド・バイ・ミー』(1986年)も”死体探し”というホラー的要素があります。そしてその『スタンド・ー』を彷彿させる映画『サマー・オブ・84』(2017年)、ドラマ『ストレンジャー・シングス』(2016年~)でもかなりの恐怖体験を経て少年少女たちが強く逞しく優しい大人になっていきます。

成長するのは少年少女だけじゃありません。『羊たちの沈黙』(1991年)のクラリスや『エクソシスト』(1973年)のデミアン・カラス神父などの大人たちも恐怖を通して成長していくのです。

そこがホラー映画の見どころの一つ。ホラーの中でもスプラッターや虫系などのグロい映像は苦手ですが、これらと一括りにしちゃいかんな、と思いました。(『ブラック・フォン』はグロさはほぼありません)

成長しない?それはそれで怖い

で、こうした成長ストーリーがあまり感じられないホラー作品はどうなのか、というと、それはそれで怖い。この恐怖体験を通して成長しないどころか、常人の理解が及ばないところに行ってしまう系の『シャイニング』(1980年)や『ミッドサマー』(2019年)はホントに怖いですよね。

ホラーは苦手と言いつつも…。

◆こちらもどうぞ



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?