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映画『ブーリン家の姉妹』(2008年)のザックリとしたあらすじと見どころ

映画タイトル:ブーリン家の姉妹
原題:The Other Boleyn Girl
製作年:2008年 アメリカ・イギリス
監督:ジャスティン・チャドウィック

映画『ブーリン家の姉妹』は、

16世紀のイングランドを舞台に、 宮廷に上がった姉妹と国王ヘンリー8世の愛憎劇です。賢く野心家の姉アン(ナタリー・ポートマン)と、癒し系の妹メアリー(スカーレット・ヨハンソン)。対照的な2人による王をめぐる確執は国をも巻き込み歴史を動かすことにー。

キャスト

・ナタリー・ポートマン(アン・ブーリン)
ヘンリー8世の王妃となる姉

・スカーレット・ヨハンソン(メアリー・ブーリン)
アンの妹

・エリック・バナ(ヘンリー8世)
イングランド国王

・マーク・ライランス(トーマス・ブーリン卿)
ブーリン姉妹の父

・ベネディクト・カンバーバッチ(ウィリアム・キャリー)
メアリーの夫

・エディ・レッドメイン(ウィリアム・スタフォード)
メアリーの再婚相手

映画『ブーリン家の姉妹』の見どころと感想

(C)2008 Columbia Pictures Industries,Inc and Universal City Studios Productions LLLP and GH Three LLC. All Rights Reserved.

お世継ぎとなる男児が生まれない国王ヘンリー8世のもとに娘を差し出すことにしたブーリン家。父トーマスは姉アンを、と考えていましたが、国王の目に留まったのは妹メアリーでした。

メアリーは既に結婚していたため離婚させられ宮廷へ。一緒に宮廷に上がった姉アンは婚約者のいるパーシーと関係を持ってしまい、このことがもとでフランス宮廷に追放されます。

一方、国王の寵愛を受けたメアリーはめでたく妊娠。が、体調がすぐれず隔離されてしまい国王の気持ちも別の女性に移っていきます。

ほどなくフランスから呼び戻されたアン。洗練された魅力で王を虜にし、自分をモノにしたいのなら妹メアリーと関係を断つよう王に要求します。失意の中、男児を出産したメアリーですが、王の気持ちが戻ることはなく田舎に帰ることにー。

さて、ここからはアンの独壇場です。

王妃の座を狙うアンは、現王妃キャサリンと離婚して自分と再婚するよう国王に迫ります。当時のカトリック教会の教義により離婚は認められず国王は教会(ローマ教皇)に激怒。教会と断絶し英国国教会を成立したイングランドは宗教的にも孤立することに。国を二分してまでもアンを王妃にしたかった国王。

ほどなく王妃になったアンは女児を出産します。が、その後流産を繰り返し「男児を産まなければ!」と焦ります。あげく王以外の複数の男性と関係を持ち(その中には実弟ジョージも)、その罪(姦通罪・近親相姦)と国王暗殺の容疑により斬首刑に処されます。

刑を見届けたメアリーは女児引き取り、軍人と再婚し静かな暮らしに戻ります。

そしてこの女児こそが、のちのエリザベス1世となるのですー。

評)英国史実に脚色を加えた豪華な昼メロ的映画

アンって……。野心もほどほどにしないと、と思いますが、このまっすぐな血がエリザベス1世に受け継がれたとすれば納得です。

ヘンリー8世は、キャサリン、アンのほか、結局6人の王妃と結婚。めでたく男児も誕生(3番目の王妃ジェーン・モアがエドワード王子を出産)しますが、王妃は産褥死。いろいろあったヘンリー8世はシェイクスピアの戯曲にも取り上げられた人物でありながら、この映画ではまったく魅力的には描かれていません。

その甲斐あってか、姉妹2人や脇役(メアリーが離婚させられた最初の夫を ベネディクト・カンバーバッチ、再婚する軍人をエディ・レッドメインって、どんだけ恵まれとんねん!)の魅力が際立つ映画にしあがっています。ぜひお楽しみください。


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