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映画『タナー・ホール 胸騒ぎの誘惑』(2009年)の ザックリとしたあらすじと見どころ

映画タイトル:タナー・ホール 胸騒ぎの誘惑
原題:TANNER HALL
製作年:2009年 アメリカ
監督:フランチェスカ・グレゴリーニ

映画『タナー・ホール 胸騒ぎの誘惑』は、

10代後半の少女たちの友情と恋を描いたガールズムービー。人気女優となったルーニー・マーラとブリー・ラーソンがブレイクする前の映画です。10代後半ならではのイタさやモロさを思い出させる作品です。

キャスト

・ルーニー・マーラ(フェルナンダ)
全寮制学校の女子寮で暮らす少女

・ブリー・ラーソン(ケイト)
フェルナンダの友だち セクシーな魅力で教師を誘惑する

・ジョージア・キング(ヴィクトリア)
フェルナンダの幼なじみ 新たに入寮してくる

・エイミー・ファーガソン(ルーカスタ)
フェルナンダの友人 4人の中で最も大人しい

映画『タナー・ホール 胸騒ぎの誘惑』の見どころと感想

(C)2009, BY Two Prong Lesson, LLC

(*写真向かって左からケイト、フェルナンダ、ルーカスタ、ヴィクトリア)

全寮制学校の女子寮で休暇を終えて再会した3人グループ(フェルナンダ、ケイト、ルーカスタ)。そこにフェルナンダの幼なじみであるヴィクトリアが入寮してきます。

フェルナンダは昔からヴィクトリアのことが苦手ですが、成り行きで一緒に行動することに。4人は全寮制の窮屈な生活の中で恋バナで盛り上がったり、男性教師を誘惑してみたり(セクシー担当ケイト)、それなりに女子高ライフを楽しんでいました。

そんなある日、ヴィクトリアが禁じられている夜間外出を計画。唯一の男子生徒である校長の息子から鍵を借りるから大丈夫ー、と、ヴィクトリアはためらう3人をけしかけ外出を決行します。

が、この夜遊びがバレ大目玉をくらうこととなり4人はー。

評)10代後半特有のイタさとモロさがしみる

10代後半といえばいろんな気持ちが悶々としている時期。誰かに恋するとか、好きというわけではないけれどちょっとそういうことをしてみたいとか、友だちうちで「特別」と思われたいとか、親から離れたいとかー。そんな背景がキッチリ盛り込まれた映画です。

窮屈だけどそれなりに楽しかった生活を引っ掻き回してしまうヴィクトリア(ジョージア・キング演)。可愛いルーニー・マーラも小悪魔的なブリー・ラーソンもいいけれど、この映画の見どころは、ヴィクトリアが体現している10代後半特有のイタさとモロさでしょう。「あんな子いたよな」とか「自分にもちょっとあったな」とか思いながら、あの時期特有のモヤモヤとした気持ちがよみがえってきます。

10代後半って大人や体制への反抗心とか子供っぽい残酷さを残しながらも、自分が変わっていくことをジワジワ感じていく年頃。内面はかなりドロドロです。なので、その思い出はこの映画のように「囲われた世界」を作り「美しい映像」で包み込む。そうすることで思い出としてのバランスがとれるわけでしょうな、なんてことを思う映画です。

ルーニー・マーラはこの後『ドラゴン・タトゥーの女』(2011年)でブレイクし、ブリー・ラーソンは『ルーム』(2015年)でオスカー女優に。二人はその魅力がこの映画の時点ですでに完成しています。

一方、大人しくてセクシャリティに悩みを抱えるルーカスタ演じたエイミー・ファーガソンは、すっかり(フツーの)キレイな女優さんになっていて、この映画で見せた中性的ではにかむようなクシュっとした表情が見えない、というかこれといった出演作がない。映画的なオイシイところを持って行ったはずのジョージア・キングも映画ではご無沙汰で、近影はリース・ウィザースプーンと見分けがつかないっ!

この二人のことを思うと、10代後半の限定感がなおさら愛おしくなりますわ。

10代後半のイタさとモロさをぜひ!


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