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フリック入力はすごい

って思いませんか?

僕は週5くらいで「フリック入力すげぇなぁ」って思ってます。

ごめんなさい。盛りました。月イチくらいです。

でもフリック入力ってめちゃくちゃ凄くて、いろんな奇跡が、本当に上手いこと積み重なってできてるんですよ。

どこか一箇所でも欠けていたら、この機能性も、美しいUIも、存在し得なかった訳です。

ということで、僕が「すげぇなぁ……」って思った点を書き連ねていこうと思います。ほとんど自分用です。

1、五十音表が整備されていた

いや、これでしょ。

ぼくらはもう日本語が、というかひらがなが5x10(10x5かな? 僕は算数が苦手なのでどっちが正しいかわかりません)の二次元的な配置であることを当然のように思っています。

しかしこれほど規則的に扱われている文字というのは、世界を見てもそう多くはないでしょう。

アルファベットなんかはA, B, C...と数珠繋ぎの一覧だし、それに類いする欧米の文字系統もすべてそうです。

ひらがなの元になった漢字(中国語)だってもう訳わかりません。書くの大変すぎる。

アラビア語も繋がりすぎててさっぱりです。草書か?

つまりひらがなは「あかさたな…」という行の代表がいて、そこに「いうえお」だの「りるれろ」だのがぶら下がっている、というある種の階層構造が子供の頃から染み付いているわけです。

だからこそこの

あ か さ
た な は
ま や ら
 わ 

とかいうアルファベット文化圏からは到底馴染みのない理解不能配置ができるんです。

このおかげで、アルファベットより2倍近く多い(濁点半濁点もろもろ入れればゆうに越す)はずのひらがなを、見かけ上わずか10マスに整えられるのです。

すごくね?


2、見た目がきれい

これはほとんどさっきと言ってることが変わらないのですが、フリック入力のキーボード、見た目キレイすぎませんか?

日本人が大好きな3列、行はギリギリ4行になってしまいましたが、それでも一般のキーボードよりは遥かに美しいです。

この機能性を追求した結果美しくなってしまうという、道具にとって一番かっこいい在り方がここに見えます。

いやー、マジ最高。


3、土壌となるフィーチャーフォンの存在

そして以上の2つは、すべてここと共通しています。

つまり日本でのフリック入力の土壌を耕したのは、かつてのトグル入力だったということです。

そもそも、携帯できる小型キーボードで、満足に文字を打つというのは至難の業でした。

海の向こうでは、BlackBerryに代表される「キーボードそのまま載せ」という力技も散見されるほどです。

しかし日本はその言語体型から、狭い筐体に五十音を詰め込む準備がもう整っていました。

あれ? 日本語最強では?


4、タッチパネルの開発

とはいえ、トグル入力も文章如何ではとんでもない量の押下を要求されます。「コモドオオトカゲ」とかクソだるいです。

「コモドオオトカゲの子供と嘔吐」とか死んでも打ちたくありません。

そう、あ段の文字が多く含まれる場合と、お段が多く含まれる場合とで、打ち込みの量に差が生じてしまうのです。

また、「ははははは」とか「おろろろろ」といった同じ文字を連続して打つのもだるいです。

これらは全て「各行に割り当てるボタンが1つしかない」という事に起因しました。

そこで登場するのがタッチパネルです。

タッチパネルの出現により、各行1ボタンという構造から脱し、タップ、フリックという、あ段だろうがお段だろうがほとんど親指の仕事量が変わらず、かつ全体的に見ても難化していないという革命を成し遂げたのです。

もっとも、これによって物理的なフィードバックが得られず誤入力が増えた気もしますが、まあ些事です。

そしてここで、最も尊い奇跡が関与します。


5、この世界が3次元空間だった

これです。

厳密に言えば、「3次元以上だった」というところが重要です。

我々はスマートフォンの表面をスイスイしていますが、スマートフォンの表面、面というからには2次元です。

もちろん厳密に言えばこれも3次元ですが、あくまでも近似としての話です。

我々は3次元空間に住む3次元の生命体であるため、2次元である面を自由に操作できています。

しかし我々が2次元平面に住む2次元生命体だったとしたら、どうでしょうか。

フリック入力は、平面における「縦軸・横軸」の正負方向に指を滑らせることで成立しています。

あ行が5文字から構成されているから、「真ん中のあ」、「左のい」、「上のう」、「右のえ」、「下のお」という洗練された振り分けが可能です。

これとおなじことを2次元人に適用しようとすると、こうなります。


彼らは2次元人ですから、1次元の線を扱うことしかできません。

線ということは、近い・遠いしか無いわけです。

つまり、2次元的な配置が前提であるフリック入力のキーボードは描画できず、距離に割り当てられた1文字を対応させていくという、厄介極まりない操作を強要されるわけです。


分かりますか?

1行が5文字から構成されていること、我々が3次元に住む生命体であること。

この2つが組み合わさって「フリック入力」が初めて成立するのです。


さいごに

フリック入力は便利です。他にも色々と言いたいことはありますが、これ以上書いていると1時間を過ぎてしまいそうなのでこれくらいにしておきます。

実は僕はこういった記事を執筆する時にフリック入力をあまり使いたくはありません。

固まった文字列を出力するにはキーボード(物理的な)を使うべきだ、という先入観がある為です。

これは、フリック入力が生活に食い込みすぎてしまったということが主な理由です。

公私を分ける、ではありませんが、キーボードを前にしないとどうにも書く気が起きないのです。

実際、これまでのnoteは全てキーボードでタイプしています。

しかし、この記事だけは、スマートフォンのフリック入力で執筆しました。

アルファベットの入力もフリックです。やはりアルファベットにフリック入力は合いませんね。

ところがどうしても、キーボードで打つときより誤入力が多くなってしまいました。

やはり、物理フリック入力キーボードが必要です。

三千円ぐらいだったら買うって人、たぶん結構いると思います。

Googleさん、お願いします。


https://www.google.co.jp/ime/furikku/

ここはどこだ