フリーデザイナーのデメリット
前回のフリーデザイナーのメリットに引き続き、今回はデメリットについて書いていきたいと思います。
あくまで、私個人がデザイナーとして仕事をする上で感じた部分になりますので、少しでも皆さんの参考になればとお思います。
1.収入面が不安定
これについては、独立した人の大半が直面する課題かと思います。
経営者という立場上、決まったところから仕事を定期的に受けるという仕事の流れを作っていない限り、安定して収入が確立されるわけではありません。
そのため、先月100万の売上げがあったとしても、翌月には収入0ということだってありえます。クライアントの都合や予期せぬスケジュールの変更で振り込みが何ヶ月も先になることだってあります。
例え年間の収益が大きくなったとしても、不安定な収入というのは独立する立場としてはなかなか拭えない課題になるでしょう。
対策としては、貯蓄を作って収入が少ない期間が出ても対応できる状態にしておく・副業を許可してくれる会社に勤務しながら自身でも経営する・副収入をえられる収入源を確保しておくなど挙げられるでしょう。
貯蓄については、誰しもが常に意識する必要があるかと思いますが、私が最もメリットを感じたのはその他の収入源を作ることでした。臨時で働ける収入源が一つでもあれば、いざというときにすぐに収益化することができ、生活において危機的な状況を避けることも、余裕を作ることもできます。
その収入源がデザインワークと関係ないモノだとしても、確保しておいた方がフリーで生計を立てるのであればメリットが大きいかと思います。
2.無理難題なオーダーが飛び込む
クライアント側からすれば、フリー最大の魅力は大きな会社に依頼するより低コスト・融通がきくなどのオーダーに対応してくれるという部分かと思います。
確かに、大手の人数も多い会社に個人で差異を作るのであれば制作スピード・クオリティ・コストの部分において個人のメリットを確立しなくてはいません。
本来であれば、企業側も大手のようにしっかりと責任が取れる会社に頼む方が信用的にも良いでしょう。しかし仕事というのは、どうしてもスケジュールが合わない・予算が合わない・クオリティに拘りたいなどの問題が生まれるものです。
そうした経緯から、スケジュール上対応が難しい案件などはフリーに回ってくることも少なくありません。
もちろん、大手から依頼される仕事にはメリットもたくさんあります。ただし、この場合の最大のデメリットは個人で受けるリスクになります。
フリーランスだから個人に全責任があるのは当たり前ですが、会社が間に入り責任を取ってくれるわけではありません。どんなに大きな負債を被っても個人で全て対応しなくてはいけないのです。
もしハードなスケジュール・作業量などの依頼を受けてしまった場合に技術的に対応しきれない事態・納期に間に合わない自体が発生したときは、1人で問題を解決することはとても難しいことを理解した方がいいでしょう。
人数がいる会社であれば、間に合わないとなれば複数の人員を確保してなんとか間に合わせることもできます。「人数でなんとかする」という点も個人ではスキルで全て対応しなくてはいけないのはかなりのリスクだと言えます。
実際に仕事を受ける際は、依頼内容の作業ボリュームや納期に応じて発生するかもしれないリスクに対応できるかという部分も受注するかどうかのポイントになるでしょう。
安易に受注してしまい、自身の首を締める結果にならないような判断はフリーランスとしてとても大切だと思います。
3.作業が重複しやすい
会社員でもそうですが、仕事のスケジュールが重なるとかなり大変ですよね。フリーデザイナーの場合、こういった状況はより一層多くなるかと思います。
デザイナーとして独立している人の多くは、オリジナルのデザインスキルがある人が多いでしょう。
そのため「○○さんだからお願いしたい」という技術面に対しての発注が多いかと思います。
そうなれば、競合が新商品の発売をした・ブランドイメージを一新したい・各季節の変わり目、などの各企業が揃って広告を打ちたいと思う時期に、スキルの高いデザイナーに発注が集中することは必然です。
発注が集中する上に、フリーデザイナーだからと「短納期で!」などの注文も発生してきます。
こうなってくると、当たり前ですが人手が足りない事態が発生するでしょう。1人で対応するには2・3人以上の作業量で仕事を進めていかなくてはいけないです。
体調管理も難しくなり、場合によっては仕事のクオリティが下がったり、事故を起こして信用を下げるリスクも増えてしまいます。
自身のスキルや、1人でできる限界を見極めて受注する判断がとても大切になってきます。
4.規則正しい生活が難しい
いくつかの項目でも書きましたが、スケジュールが重なったり、短納期での依頼があったりと、どうしてもスピードワークを依頼されることがあります。
デザインの仕事はどんなに簡単に終わらせようとしても、アイデアを考えたりバランスを判断したりという細かい作業も多く、深夜遅くまで作業しないといけない場面も少なくありません。
フリーランスはみんなそうかもしれませんが、デザイナーという性質上より拘ったり時間を要する作業が発生してくると思います。
規則的な生活が全くできないわけではありませんが、ハードルの高いオーダーも多いことから、生活リズムが動かされることは本当に多いです。
フリーランスにおいて、規則的なバランスの取れた生活や健康管理はとても重要です。それぞれの作業スキルやボリュームに合わせて無理のない受注を心がけることも品質の管理には大事なことだと思います。
いかがでしたか。
メリットに続いて、デメリットも掲載してみました。
フリーデザイナーをする上でのリスクやハードルは思っているよりも大きいかと思います。個人で全ての責任を受けるということは、それ相応の仕事のスキルや知識が求められます。
その分、会社勤務で仕事をする際には体験できない充実感とやりがいを感じることも多く、思い描く働き方を実践していく楽しさがあります。
大変なことも多いですが、会社員とフリーランスの良いところをしっかりと認識して、あなたに合ったワークライフを検討してみてください。