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マーケティングを知らないでデザインすることの危険性

広告に携わっている方なら、マーケティングというワードは一度は耳にすることかと思います。

今回は、デザインする上でマーケティングの知識を深めることの重要性と、知らないことで陥ってしまう落とし穴について解説してみたいと思います。

まずは、マーケティングの知識を深めることで得られるメリットを見ていきましょう!


マーケティング力を磨くメリット

ニーズに合ったデザインを明確にできる
・ビジュアルに説得力を生むことができる
・デザインを作成する上で、無駄な予算、労力を減らすことができる
・課題を見つけ、その答えを導き出すことができる

これらのメリットが、制作するデザインの価値を大きく高める要因になってきます。


デザインをするうえで外してはいけないことは「クライアントの課題を解決する」ということです。これさえ外さなければデザインは答えにかなり近づけると言えるでしょう。

ただし、これが最も難しいです!

単に美しくセンスのいいデザインを作るだけではどんなに魅力的でも課題解決には繋がらず、デザイナーの独りよがりになってしまうことでしょう。大切なのはクライアントが納得し、ユーザーが魅力を感じて商品を購入する工程が作れるデザインかどうかになります。

そのためにはヒアリングの段階で、

「ターゲットはどこなのか?」
「現状のものはなぜ売り上げに繋がらないのか?」
「コピーは響いているのか?」
「打ち出し方は的確なのか?」
「広告を打つタイミングは間違いないか?」

など、現状に鋭くメスを入れていく必要があります。


クライアントにデザイン部分の喚起をするだけではなく、商品イメージを打ち出す際のターゲットと商品の関係性が正しいのかという所にもメスを入れることがマーケティングの考え方として大切になるのです。

クライアントの意見や主張を鵜呑みに、「作る」ことに意識が集まってしまうと答えはどんどんズレてくることでしょう。まずは落ち着いて情報整理をし、ターゲットを明確にすることが必要です。

メインターゲットを確定することで、デザインも絞られ考えるべき方向もまとまります。より短い時間でターゲットに対して、必要なビジュアルが導き出せます。



【参考例】

例えば、あなたはクイラアントから新しいゲーム機を開発したので認知度を高めるインパクトのあるポスター広告を作って欲しいと依頼を受けたとします。

その際、デザインとして考えるのは商品の特徴・ジャンル・値段・企業のブランドイメージ・ターゲットなどを念頭に置いてクライアントの求める「インパクトのある広告」に向き合っていくことでしょう。

おそらくインパクトのあるデザインのサンプルや媒体、キャッチコピーなどに意識を向ける人が多くなるかと思います。

この時に、まずは「この商品のターゲットは主にどこなのだろう?」ということから考えることが大切なのです。そしてターゲットはこの商品をどのように認識し、購入に至るのかというカスタマージャーニー(※)を検討していきます。

※カスタマージャーニー
マーケティング用語で、商品やサービスの販売促進において、その商品・サービスを購入または利用する人物像を設定し、その行動、思考、感情を分析し、認知から検討、購入・利用へ至るシナリオを時系列で捉える考え方のこと。

ターゲットがどのような過程で商品を認知し、購入の意思を固めるのかという過程を詳細に分析することで、どの媒体にどんな広告を出すかが決まります。

ターゲットを分析した結果、ポスターよりも効果的なアプローチがあれば、それ以外の選択肢があることをクライアントに伝えることも必要になってくるのです。

その上でゲーム機を欲しがる世代を的確に把握し、その年代に向けてもっとも影響力のある形を考えます。子供向けのゲームであれば、子供が欲しがるような期待感の訴求がもちろん必要でしょう。しかし、子供が欲しがったとしても親が購入に対して意欲的にならなくては数万円もするような機械を購入するところに発展しません。この時、子供向けのゲームではあるものの、本当に訴えるべきターゲットは「新しいゲーム機に期待感を持った子供がいる親」になるのです。

ここまでターゲットが絞れることで、広告の打ち出し方はかなり限定的になってくることでしょう。

打ち出すタイミングも、クリスマス前やお正月など子供が親からプレゼントをもらったりお金を出しやすい可能性のあるタイミングに広告掲載日をぶつけていくのです。

ビジュアルも、クリスマスや正月のイベント期だからこそその時期によりインパクトのアイデアの方向性を検討することが可能になるのです。

この際、ゲーム機の購入率が最も高い季節や、子供が実際にプレゼントをもらう可能性が高い時期の数年間のデータを算出できれば、そのデータの説得力はより強いものになるでしょう。

自ずと売り上げの数字に繋がるデザインへアプローチすることになり、総合的な目でデザインを固めることが可能になるのです。


このように、マーケティングの基盤が出来上がってからデザインを固めていくことで、より効果的なデザインで必要なターゲットにアプローチをすることができます。

でなければ、デザインはいいのに売り上げや顧客満足に繋がらない...という事態にもつながりません。

様々なマーケティングの要素を生かしデザイン制作に向き合うことで、デザインの質や価値は更に高いものになります。

皆さんも、ぜひマーケティングの知識を取り入れたデザインワークを実践してみてください。



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