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「古地図に見る岡藩城下町」

「荒城の月」のモデルになった岡城跡がある大分県竹田市。
「荒城の月」を作曲した滝廉太郎は少年時代をこの街で過ごし、
音楽家を志して、上京しました。

城下町の一角にある「竹田市歴史文化館・由学館」で開催されている特別展示を見にいきました。竹田市の城下町は現在も江戸時代当時の町割りが残されていることが古地図から見て取れるという内容。奈良大学通信教育部で自身の卒業論文の中でも取り上げた題材で、とても興味深く見ることができました。

岡城々下家中図(竹田の歴史シリーズNO.2 岡城・城下町絵図より抜粋)

上の写真は天明7年(1787)に描かれた古地図。現在の地図と見比べてみても、中心部の町割りが大きく変わっていないことが見て取れます。JR豊後竹田駅を出て、稲葉川に架かる竹田橋を渡ったところにある古町は江戸時代初期は沼地だったのですが、この時期には整備されています。私も卒業論文作成時には竹田市教育委員会の方のご厚意によって、古地図を見せていただきました。同時に見せていただいた、17世紀半ばに描かれた「城中より各屋敷への道順」という古地図では古町の付近はまだ沼地のままでした。卒業論文執筆時のことを思い起こしながら展示を見学することができました。

岡城跡は標高325メートルの阿蘇溶岩結凝灰岩で形成された台地上にあって、全体の面積は約100万平方メートルに及んでいて何と東京ドーム22個分の広さ。北を白滝川、南を稲葉川が流れる断崖の上に築城されていて、二本の河川が台地の先端部で合流することで天然の堀の役目を果たしているというまさに「天然の要塞」。それだけにお城のすぐそばに城下町を造る土地がなく、離れた場所に城下町が形成されました。

館内の岡城ガイダンスセンターでは、岡城跡の石垣について、わかりやすい解説文と写真があり、さらに10分間の岡藩の成り立ちについて説明するビデオも見ることができます。ここに立ち寄って、岡城跡や竹田城下町を見学すると、よりその魅力を実感することができます。


殿町武家屋敷跡

「古地図に見る岡藩城下町」は令和5年2月12日(日)まで開催されています。「竹田市歴史文化館・由学館」は新国立競技場の設計を手掛けた隈研吾氏による設計。ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

竹田市歴史文化館・由学館
住所:大分県竹田市大字竹田2063番地
開館時間:9:00~17:00(木曜日休館)


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