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連載小説:生まれる前の記憶2

僕は、新しく生まれ変わった。街並みや風景が特別なわけじゃない。住宅街の郵便ポストや本屋の退屈な顔した主人の顔といった見慣れた風景が目に入り込んでくる。5月の風は柔らかで、隣のサッカー場の芝生の匂いを運んでいる。僕は僕であることを自覚している。だから今回もやっぱり「僕」なんだ。

何故?
僕は繰り返し、繰り返し
生まれてきてしまうのだろう

(続く)

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