見出し画像

どうしても食べたかったレバーを求めて「モツヤキ酒場MottO」の鶏の日にたどり着く。〈モツヤキ酒場MottO_小平市花小金井〉

鼻歌交じりにねぎレバとハミングする妻の絶望をすくうヒーローのような「モツヤキ酒場MottO」でレバーにあれやこれやで満足した夜の話。

GWの話。

妻が唯一休めたこどもの日。朝から花小金井の「やきとん夕焼け」のねぎレバが食べたいと洗濯物を干しながら鼻歌のようにハミングしてる。

良いねそうしようと電話をするもつながらない。しつこく何度かかけるもダメ。お休みだねと諦めるも悲しげな妻。たしかに頭の中はねぎレバ。

そうだあそこと同じく花小金井にある気になっていた「モツヤキ酒場MottO」はどうと電話をしてみる。

繋がる電話。
17時から2名で大丈夫ですか。
大丈夫ですよー。
良かったとお願いする。

ただ、食肉市場がお休みなので豚ではなく鶏の日ですけど大丈夫ですか。
そうか、それでやきとんはお休みなのか。
納得する。

花小金井駅北口の駅前通り。
町中華と飲むとこにスナックが混在するプリンスマンションの1階のちょっと猥雑な雰囲気が残るプリンスプロムナードを進む一番奥。

少し前に改装されて広くなった間口にかかる大きな生成りの暖簾。
その暖簾には豚さんの線画に「MottO」。
モノトーンを木の質感の柔らかさで抱擁するいい意味でこんなところにのオサレなお店。

店頭の立て看板には「チョット一杯どうですか」と、にわとりのイラストに小料理屋「ChottO」。

豚の日が「MotttO」。
豚が休みの日は鶏の日で「ChottO」。
豚も鶏も休みの日は魚の日で「WottO」として営業。

このセンスが好き。

小さなテーブル席と6席ほどのカウンター席の小さなとこ。
どうぞと通されるカウンター席に座るとその狭さゆえに埋まるという感じの安心感。

もう立てない。

明るく元気な鶏の日の女子店主さんからおすすめと注文の仕方を教えてもらう。こちらに注文を書いてと手渡された豚さんの顔の形のポストイット。

生ビールを頼んで眺めるメニュー。
あれか、それか、これも食べたい。悩む優柔不断ズ。

セロリキムチ
ナンコツポンズ
レバー刺し
もも肉のたたき
せせりとレバーの串を2本ずつ
と書いて、すいませーん。

ビールを飲んでたわいもない話しをしていたら、ぽつぽつと料理がやって来る。

キムチの辛みがほんのりと交じる爽やかなセロリの繊維な食感。
おいしいと箸と酒が進む。

ポン酢の柑橘の旨みが沁みるむっちりと肉を纏うナンコツ。
こりこりと楽しむ歯応えは極上。

そして焼石で炙れるますとトロケルレバサシ。
ゆっくりと頬張るとトロットロのレバ。
荒めの塩とごま油と微塵の葱の絶妙のバランスがレバの旨みを引きたてる。
うひょーと至福。

ただその素材とその魅力を引き出そうとする思いに触れるしあわせ。

ふわふわでぷっくらとしたレバ串とこりっとしたせせり。
塩と焼きの絶妙な加減に悶絶。

軽く炙られた柔らかなもも肉のたたきにもやさしくポン酢。うん、ポン酢って最強だよねと浸る夫婦。    

梅シソサワーを頼んだら、梅潰していいですかとお姉さん。
がっつり潰して下さいとお願いすると梅の酸味とシソの青臭さい爽やかが溢れるサワー。
これ好き。ぐびぐびと飲みおかわり。
同じグラスに梅とシソを増して帰って来る。

豚さんのポストイットで追加するつまみ。
煮厚揚
2度目のレバー刺し
銀皮ポン酢

ほふほふと頬張る濃い汁に沁みる黒く染まる厚揚げ。
こういうのが良いんだよと悦に入るオーバー50ズ。

昆布レモンサワーを頼んだらグラスに浮く塩昆布。
その非日常感にびっくりする。
シュワシュワとレモンに交じる細切れの塩昆布の塩気と佃煮感。
飲み心地は異次元。

最後にやって来た砂肝の皮というピンクな銀皮。
こりこりこりっとかなり強めに噛みしめる不思議な珍味。

どれもこれも丁寧な下処理と調理があってのそれ。
ここでその次元を楽しめるに感謝。

気を緩めていると常連さんが立ちで良いからとおもむろに陣取る斜め向かい。
自由な空間。

横目に入る貫禄ある常連さんを眺めながら飲み干す昆布レモン。

ご満悦な妻。(は)も満足。
居心地よく楽しい宴。
ごちそうさまでした。

※「WottO」は8月18日に保谷でサカナ酒場「WottO」としてオープンしています。

(は)

【モツヤキ酒場MottO】
  東京都小平市花小金井1丁目12−2


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?