乃下未帆

お歌を歌っています。此処には、自作の歌詞を膨らませたショートショートを書き綴っています…

乃下未帆

お歌を歌っています。此処には、自作の歌詞を膨らませたショートショートを書き綴っています。よしなに。

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FAKE

人の生が終わる時、病室に響く規則的な電子音が止まる。 気がつけば私は無機質な白いベッドに横たわり ぼんやりと規則的な生の音を聞いていた。 わずかに霞みがかる…

乃下未帆
4年前
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JUST GET LOST

真夜中に彼から連絡が入るのは珍しいことではなかった。 その度に私は新しい下着に着替えて入念に化粧をした。 洋服を彼の為に新調することも、量産型のワンピースをまと…

乃下未帆
4年前
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君だけがいない冬

「さようならの日」から一年が過ぎていた。 ユニットバスの入り方にもだいぶ慣れたなあ。 そんなことを思いながらシャワーで寝汗を流す。 付けっぱなしのテレビから天気…

乃下未帆
4年前
9
FAKE

FAKE

人の生が終わる時、病室に響く規則的な電子音が止まる。

気がつけば私は無機質な白いベッドに横たわり
ぼんやりと規則的な生の音を聞いていた。

わずかに霞みがかる視界の端に、キュッと縮こまる彼を見つけた。

あぁ、また私は理想の私になれなかったのね。
あなたから消えてあげられなかったのね。

彼が「ごめん…」と呟きながらキリキリと泣いてしまっているのがわかる。

ううん、違うの。

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JUST GET LOST

JUST GET LOST

真夜中に彼から連絡が入るのは珍しいことではなかった。

その度に私は新しい下着に着替えて入念に化粧をした。
洋服を彼の為に新調することも、量産型のワンピースをまとう事も私の世界にはなくて、ただ「気の強そうな女」「自我が強そうな女」
きっとそんな風に見えるだろう。

でもその「自立した女」という風貌は結局「彼の好み」であり…いや、正確には違ったのかもしれないな。
何もかもを勘違いしていたのかもしれな

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君だけがいない冬

君だけがいない冬

「さようならの日」から一年が過ぎていた。

ユニットバスの入り方にもだいぶ慣れたなあ。

そんなことを思いながらシャワーで寝汗を流す。

付けっぱなしのテレビから天気予報が聞こえて来る。

このお天気キャスターのお姉さんも毎日「なるべく明るく」振る舞っているのだろうか。

そんなことをだらりと考えてしまう。

もし「なるべく明るく」振る舞っているのであればとても親近感が湧くなあ、なんて。

こうし

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