まぼろしの部屋、詩のホテル
先日、詩のホテルに宿泊してきました。
詩のホテルとは、京都のホテル「HOTEL SHE, KYOTO」と、詩人・最果タヒさんのコラボによって生まれた、期間限定のコンセプトルーム。
結構早くに予約したので宿泊することができたけれど、今はもう予約がいっぱいになってしまって、延長の希望がかなり集まっているとか。
(このnoteを書いたあとにTwitter見に行ったら、詩のホテル延長が発表されてました。やったね!)
当日は早くに京都に着いたので、智積院や鴨川付近のカフェまでてくてく歩いて行ったりしてチェックインまで時間を潰していました。
そろそろチェックインできる時間だな〜という時に、「詩のルームキー」の再生産分が入荷したという情報を入手。歩くのをやめて、電車でびゅーんとホテルへ向かいました。
わくわくしながら部屋に向かい、ドアを開けた瞬間から、しばらく言葉を発せなくなりました。眠っていた詩が、こっちを見ていたから。
「詩に泊まる」とはこういうことか、と、部屋に備え付けのレコードプレーヤーで詩のレコードを聴きながら、しばらくぼんやりとしました。たまにレコードをひっくり返して針を落とす以外は、この部屋の空気の濃さについて考えるばかりでした。
ここに1泊しかできないなんて、そしてこの部屋が有限だなんて、いっそこの部屋に閉じ込められたら、なんてことをぐるぐると考えている間に日も落ちて。
ただ京都に観光に来たのなら、京都でしか食べられないものを食べ尽くそうという気持ちがあるのですが、私が泊まっているのは、詩のホテル。1秒でも長くこの部屋にいたい!
ということで、ホテルの近くにあるおばんざいが食べられる居酒屋さんで少しお腹を満たし、ぴょんぴょんと詩のホテルに戻りました。
眠るのもおしいけれど、青柳いづみさんの声に誘われて夢の中へ。
翌朝、後ろ髪を引かれながら、しぶしぶとホテルをあとにしました。
「この街の全てがぼくのものではないということを、植物のように受け入れたかった。今日は、104号室で眠ります。」
ありがとう、さようなら、詩のホテル、104号室。
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