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<読書録7>コロナショック・サバイバル 日本経済復興計画  冨山和彦

リモートワークやネット宅配の市場が伸びているから何とかなる、みたいなことを言っているお気楽な連中がいるが、リアルなローカルサービス産業が吸収している雇用はまさに膨大で、おそらく二桁くらい違うオーダーの世界を比較して代替を期待する議論はナンセンスである。実はこのようなL型経済圏がGDPや雇用の大半を支える構造は欧米も共通であり、まさに先進国共通のグローバルなメガクライシスなのである。
中略
パンデミック収束その前にシステムとしての経済が壊れてしまうと、パンデミックを乗り越えても多くの人々が人生や生活の再建に苦しむことになる。

手元の現預金は緊急時の酸素ボンベみたいなものである。トンチンカンなアクテビィストの言うがままに気前よく現金を吐き出して配当や株式の買い取り償却をやっていると、いざという時の酸素ボンベがなく、津波の襲来中にあっという間に窒息することになる。歴史的な教訓として10年に1度くらいの頻度で大きな危機はやってくる。経営者は、株主のためにも一部のアクテビィストの愚かで近視眼的な主張に惑わされるべきではない。

「(最悪)想像力」「透明性」「現金残高」「捨てる覚悟」「独断即決」「タフネス」「資本の名人」「ネアカ」

私は、本気で将来マネジメントリーダーを目指したい20代、30代の人間から、務めている会社が再生状態に陥った時に自分はどうするべきか、と相談を受けたら、ほぼ100%、こうすすめる。ぎりぎりまで会社に残って修羅場経験をするように、と。
今どき長期的な視点で本当に安全で将来性が保証されている産業も会社もない。会社が再生状態にあるということは、1人のマネジメントプロフェッショナルとして色々なことが学べる格好の「タフアサイメント」が目の前にあることを意味する。それを若いうちに経験できる千載一遇のチャンスが来ているのだ。

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