いつも

猫と一緒に住んでました。
弟分のキジトラは、やさしくて、頭が良くて、争いの嫌いな、つれない、美人でした。

毎朝母に促されて、イヤイヤだけど起こしにきてくれたね。面倒くさくなって、階段の真ん中まで来て起きろって一声鳴いたこともあったね。

姉のお布団には明け方までいるくせに、私のお布団には３分。ウルトラマンだって３分ていいながらもっと長く居るんだよ。

晩酌の時間は父の胡座の中に丸まってた。時々ご相伴。お酒は大嫌いだけど、刺身や焼き魚のおつまみはカモン♪　
帰宅した私のご飯のおかずにお刺身があると、隣に座ってちょっと爪を出した前足でよこせって足を叩いたね。

母が家事してる間は邪魔せずお昼寝してるのに、終わって休憩しようと居間で座るとお疲れ様～って顔を出したんだってね。

外に脱走した直後に見つかった時は、いっつも横っ飛びして見せたよね。あれ、絶対におしりペンペンあっかんべーだよね。
でも、帰ってくる時は細く開けた戸から、すまなそうに入ってきたね。

お帰りのお出迎え。姉と母にはするのに、父と私はされたことないよ。
でも、膝の上のだっこは、誰よりも長く私のところに居てくれた。

荒ぶる声やトゲトゲ空気がキライだったきみ。
ケンカしそうになるとやめようかって、みんながきみを見た。

家族全員にいい顔して、みんなをしあわせにして。
病気の父よりちょうど１週間前にいってしまった。
寂しがり屋の父をほっとけなかったの？

きみを思い出すと、いつもあったかくてやさしい気持ちになる。

ありがとう。ずっと愛してる。