見出し画像

ロストボール回収業者

ゴルフボールダイバーは漁師に似てるなと思う。漁船の帰る港町には決まって食品加工所が立ち並ぶ。そこで旦那さんの帰りを待つ奥さんなんかが働いていたりする。
ゴルフボールダイバーも、回収や洗浄などの力仕事は男性が担当し、仕分けや検品、袋詰め、出荷、経理なんかはパートの主婦さんが担当してる。

僕はこの、女性、特に子育て中の方が活躍できる場を創出してる状況がやりがいだなと思った。ここの社長は能力で時給を上げる。また出勤時間も自由。ロストボールを拾った場合、拾わなかった場合に比べて、世の中には仕事が増える。

単純に仕事…だけならコンビニチェーンとかにもある。が時給の相談だったり、より働きやすいを目指した時、この仕事の方が環境が整っている。

女性と子供を養える男性の割合が減り、男女共働きが望まれる現代において、子育て中の女性の、能力によって時給が上げられる環境、仕事の創出の為に、重い荷物を運び、濁った池に潜り、時には宿泊先に当てられたラブホの床に、ベッドが足りず雑魚寝する意味もあるかなと思った。

でもおそらく辞める。千葉に行かなきゃ行けなくなりそうだから…。僕は西を目指してるんだ。期待に添えられなくてごめんね。

ロストボールの回収業者という特殊な仕事をいろんな角度から覗いていきたい。

中古のものを販売するという点で、ブックオフに似ている。

話は逸れるが、ブックオフって面白いなと思う。一時期、中古の本・漫画の売買が流行り、ブックオフが書店の脅威になったりしたが、インターネットの発展と共に、メルカリ・漫画村などが台頭し、徐々に力を無くしてゆく。今ではkindleなどの電子書籍が流行り、作家、作者を守ろう。書店で本を買おう。出版社を守ろうという方向に社会が動いている。

ロストボールの回収。ゴルフ場側のメリットとしては景観が良くなる点だ。あと水深何メールもある池や、勾配の急な場所に容易には入れない。無断で盗る人の死亡例もあるらしい。

安全のために専門の回収業者を。全てのゴルフ場が自分たちで洗浄から販売までボールを捌けるわけではないので、拾ったものは持ち帰ってください…となるみたい。捨てると産業廃棄物扱いでお金もかかる。

極端な話だが、ロストボールを放置し続けた場合、池がゴルフボールで溢れ、地層を作り、元が池だったのか、山だったのか分からないくらいの山盛りのゴルフボールの溜まり場に…なる?
自然環境的には捨てるより、拾って売った方がリサイクルではある。

ボールが貯まる場所にはおおよそ1年周期で貯まるらしい。ゴルフ場に対する挨拶の意味や、景観を整える点で、定期的に回収できるので、ゴルフする人がいる限り続く仕事ではある。(池回収では3人2日で2万球以上、陸回収では1人1日3千球くらい回収する。綺麗なボールだと最終的に1個100円を超える値段で卸せるので、商売としては成り立っている。)

買う側としては高価なゴルフボールを中古だが、安く手に入る。嫌がるのは製造しているメーカーだろう。ゴルフボールはゴム製なのでブリヂストンなどが代表的だ。ナイキなんかも作ってる。

まぁゴルフは比較的、お金に困っていない人がよくするイメージなので新品が売れなくなるということはないのだろう。

ゴルフはスポーツの一つであり、起源は諸説あるが15世紀のイギリス。日本では1900年代からゴルフ場が造られ始め、今では全国に2442ものゴルフ場がある。近年人気が落ちてきているが、新型コロナの影響を受け、人気が再燃している…らしい。

スポーツが仕事を生み、人の暮らしを支える側面もある。日本では野球だと想像しやすいが、プロ選手やそのスポンサー、試合観戦、クラブ活動する少年少女の監督やトレーナー、ミズノやゼット等の道具を作っているメーカーやその工場で働く人々、野球場の管理人など、そこに多くの経済活動が生まれる。ロストボール回収もその一環と見なすことが…出来なくもない。スポーツに準拠した職業だ。

ロストボール回収業者において最も重要っぽいのが、ゴルフ場のオーナーとの繋がりと、販売経路の確保…だと思う。
全国にひしめく2442ものゴルフ場を制す回収の最大手などは聞いたことがない。単に僕の無知かもしれないが。様々な人たちが各々の地域や繋がりを持って、事業拡大を目論んでいるのだろう。社長を見た限りでは、人からの紹介が重要そうだ。あとは銀座での飲食や、各地でのプレゼン、ゴルフの接待プレーなど。

東京のタクシー運転手時代に聞いた、某冷食大手の人の話を思い出した。アメリカの某会員制倉庫型スーパーに流通経路を作った話。
休みの日に人と野球観戦しながら一緒にビールを飲まないと始まらないのだと。襟足立てた会議室では、話は進まらないらしい。重要なのはコネクションを作ること…的な話だった。

一言で言うと利権をめぐるコネ…まぁどの業界でもそうなのかな…。重要なのは人と人との繋がりってことで!これは国と国にも言えることだろう。UAEの人、ガソリンの値段が上がり出した時怒ってたもんね、日本人全然我々に会いに来ない、我々と親しくしない!って。

政治が外向き、または内向きの代表的な繋がりの場として重要視されるのも、人と人との繋がりを重んじた結果なのだろう。

食品でも、ITでも、建設でも、ロストボール回収でも、政治でも、タクシーでも、会社であれば職業において行き着く先は変わらないのかもしれない。

ビジネスとは、業界ごと、または業界を超えた、利権をめぐるコネクション獲得のための人と人との(多少語弊を含むが)政治的な繋がりの場の創出…という、実際の肉体労働や頭脳労働などとは1つ次元の違った社会的行動を指す…のかな。僕からしてみればそれらに貴賎はないが、拝金主義とは別に、地位至上主義的な思想を持ってる人もいそうだと思った。こんな言葉があるのかは分からない。
あと否定したいわけでもない。僕自身が、社会を形作ってるものの解像度を上げたいだけだ。

ここでいうビジネスはカタカナ英語のことで英語のbusinessではない。(いわゆる意識が高い…とされるビジネスという言葉の使われ方について言語化したい…がおぼつかない。ビジネスホテル、ビジネスクラスとか他にもさまざまな使われ方がされている言葉ではある。)
ビジネスという言葉は、実際にはもう少し広い概念が内包されているように思う。
コネクションを作ろうとすること、市場において消費され利益を得ようとすること、これらをひっくるめてビジネスと言っているような。

仕事はいろんな場面で使われる言葉だと思う。プライベートと公的な行動を分ける意味での仕事(子供は遊ぶのが仕事)や、賃金を得ようとする行為など。

労働は雇用者と被雇用者がいる中の、被雇用者に使われるイメージの言葉だ。肉体労働、頭脳労働など。

業務は仕事より、実際の行動や具体的な内容に、より紐づいているような気がする。

この記事が参加している募集

#転職してよかったこと

5,956件

#仕事について話そう

109,902件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?