日用品のJIS規格を読んでみたら面白かった
本日は今までの記事とちょっと変えて、久々に「読んでタメになる」記事を書こうと思います。
本日のテーマは「JIS規格を読む」です。結果的に、読んでて「あ、そういう基準だったの!?」と驚きました。どんな製品でも必ず「JIS規格」というものが定められています。製品のパッケージにこういうマークを見たことありませんか?
JIS規格とは
どんなものでも作る際に「何かしらの基準」が必要です。
その「何かしらの基準」を設けないとどうなるでしょう。基準がなければサイズや大きさがバラバラになってしまい、メーカーによっては使えないといった不便なことがおこります。
だから、「サイズは〜〜で」と統一してあげれば、どんなメーカーでも使えるというわけです。つまり、規格化されていると他社のものを買っても大丈夫というわけです。
どんな製品でもこうした基準が設けられているのです。それが「JIS規格」というやつです。
実際に「JIS規格」が読めるサイトがあるので以下に紹介します。
JIS規格をHTML化してくれているサイト(文章のみ)
またJIS規格をPDF付きで見たい人はこちらのサイトから
では実際に日用品のJIS規格を読んでみよう。
トイレットペーパーは水への「ほぐれやすさ」が大事
毎日、自宅や会社で使っているトイレットペーパーだが、実際にJIS規格ではどのように規格化されているか見てみよう。
トイレットペーパーの最大の用途はお尻をふくためにある。そして最も大事なのは「水に流せるかどうか」にある。海外のトイレでは、基本的に水には流さず、ゴミ箱に捨てるところが多い。しかし、日本のトイレットペーパーは水に流せる。それは様々な試験や実験を経て規格化されているからである。
「紙及び板紙のミューレン低圧形試験器による破裂強さ試験方法」や「紙のメートル秤量測定方法」といった試験が行われているとのことだが正直なところよく分からない。
日常的に使っていると「トイレットペーパーはこういうもの」と感覚でわかっていても、JIS規格を読んでいると「たしかにそう」と思うところがある。
もちろん、「水へのほぐれやすさ」も大事だし、1ロールの流さ、芯の内径、1ロールの径を定めてあげないと、自宅や会社のトイレットペーパーホルダーに設置できない事態が起こるわけである。こうして規格化してあげることによって、どんなメーカーの(エリエールやnepia)トイレットペーパーを買っても、家や会社のトイレットペーパーホルダーに設置できるようになっているわけである。あくまで、消費者の使いやすさを前提とした規格化なのだろう。
とくに面白かったのは「ほぐれやすさ」の試験方法だった。
意外と原始的な方法でやってんなぁ〜〜〜と思った。おそらく「試験片」はここでいうトイレットペーパーのことだと思われる。ちなみにマグネチックスターラーというのがこれ。
実験するとなったら、容易に行える方法で客観的なデータをもって証明しなければならないので、こういった試験方法をとったのでしょう。モノづくりに携わる人は本当に偉い。
ホッチキスの正式名称は「ステープラ」。そして、とにかく頑丈に綴じたい。
続いて紹介するのは、紙を束ねて綴じたい時に使用する「ホッチキス」。JIS規格上での正式名称は「ステープラ」という。最初「ステープラ」とみたとき「そんな文房具あったっけ?」となった。
まず、ホッチキスってそんなに種類ってあんねや…という感じ。アンミカの「白って200色あんねん」といった具合に…。
JIS規格上にある「3号」という種類は、私たちがよく見るタイプのこれである。
ここでも実験は非常に簡素である。PPC用紙(コピー用紙)を10数枚束ねて、10回パチンパチンした時に「ちゃんと綴じられているかを確認する」方法をとっている。
消費者目線にたったとき、ちゃんと閉じられていないと意味がない。そこでJIS規格ではこういった試験方法をとるところに思想を感じる。
ガムテープは粘着力と引っ張っても切れないか
ガムテープに求める一番の性能といったら粘着力である。
ガムテープが果たすべき役割としてはやはり「粘着力」である。もちろん、それも試験をやっているのだが、意外だったのが「引裂強さ試験」をやっているということ。
どれくらいの強さで引っ張ったら切れるのかという強さをはかる試験である。つまり耐久性である。あー、なるほどと思った。僕はこのJIS規格を読むまでは、ただ粘着力があるかどうかだけだったけど、「引っ張っても切れない」ことも大事だなと思った。やっぱりJIS規格を定める人もモノづくりに携わる人も偉いなーと思いました。
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