オートファジーは相性が大切!
こんにちは!ノルン鍼灸院・管理栄養士,登録販売者のななむらです!
最近、オートファジーダイエットという言葉をよく目にします。
芸能人やモデルの方なども実践しているという話を聞きますが、実際効果はあるのでしょうか?
私は、このオートファジーダイエットは自分の身体との相性が大切だと思います。
相性が良ければ効果を実感しやすいと思いますし、合わなければ反対に体調を崩す可能性もあります。
今回はオートファジーダイエットの方法から、メリットやデメリット、どういった人に向いているのかを紹介していきたいと思います!
▼オートファジーとは▼
そもそも「オートファジー」というのは、
酵母や植物、動物など、すべての真核生物に備わっている細胞内の浄化・リサイクルシステムのことです。
細胞内の変性たんぱく質や不良ミトコンドリア、さらには細胞内に侵入した病原性細菌などを分解して浄化することで、さまざまな病気から生体を守っています。
また、細胞内で古くなったり、壊れてしまった悪玉たんぱく質をエネルギー源として消費し、新しいたんぱく質を作り出すことができます。
2016年には、東京工業大学の大隅良典栄誉教授が、オートファジーの研究でノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
オートファジーは今、世界中の注目を集めているといえるでしょう。
▼オートファジーダイエットの方法▼
“オートファジーダイエット=プチ断食”のことを指しています。
方法としては、
・8時間以内に1日のすべての食事を済ませる。
(8時間以内なら暴飲暴食してもよいということではありません。野菜やたんぱく質をしっかり摂りバランスの良い食事を心がけましょう。)
・その後の16時間は何も食べない。
(水は飲んでもOKです。どうしても何か食べたい場合は少量のナッツ類にしましょう。ただし、カロリーは高めなので食べ過ぎには注意です。)
と、とても単純です。
食べ物を食べることによって身体の中に栄養が十分にある状態では、オートファジーはあまり働きません。
細胞が飢餓状態になったときや低酸素状態になったときなどの、強いストレスを受けた状態で働きが活発化します。
つまり、空腹時間を長く作らないとオートファジーによって細胞を生まれ変わらせることはできないのです。
具体的な時間を示すと、最後に食事をしてから16時間ほど経過しなければ、オートファジーは活発化しません。
16時間なにも食べられないのは長い…。
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、睡眠時間とうまく組み合わせることで、無理なく実践することができます。
たとえば、1日8時間睡眠という方であれば、睡眠の前後合わせて8時間、食べずに過ごせば、16時間のプチ断食を達成することができます。
▼オートファジーダイエットのメリット▼
① 胃腸の働きを休ませることで、働きが回復する
1日3食で、食べすぎたりすると、前に食べたものが胃や小腸に残った状態で次の食べ物が入ってきます。
胃や小腸は休むことなく働き続けるため、疲れて働きが鈍くなります。
その結果、栄養をしっかり吸収できなくなり、老廃物もきちんと排出されなくなります。
腸内環境も悪化するため、免疫力が低下し、体調不良になったり、病気にかかりやすくなったりすることもあります。
空腹の時間を作ることによって胃や小腸が休まり、働きがよくなります。
胃や小腸の働きが整うことで、下痢や便秘、アレルギーや体調不良などの改善も期待ができます。
② 脂肪の燃焼と分解、血流の改善で、生活習慣病予防に
私たちが食事で摂った糖質は、吸収され血液で身体全体に運ばれ、エネルギーとして使われます。
余った糖質の一部はグリコーゲンとして筋肉や肝臓に蓄えられ、それでも余ってしまった糖質は中性脂肪となり、脂肪細胞に蓄えられます。
空腹の時間が続くと糖質を補給できない為、肝臓に蓄えられたグリコーゲンを利用して、エネルギーが作られます。
そして、空腹の時間が10時間ほど続くと、肝臓に蓄えられたグリコーゲンが無くなり、次に脂肪を分解して、エネルギーに変えようとします。
つまり、空腹の時間が長くなればなるほど、身体の脂肪が分解され、減っていくのです。
③ 若々しく健康な体を手に入れる
オートファジーによって細胞内で古くなったり、壊れてしまった悪玉たんぱく質をエネルギー源として消費し、新しいたんぱく質を作り出すことができます。
そのため、がんや糖尿病をはじめとする生活習慣病、アルツハイマー型認知症、感染症などの予防効果や、肌や筋肉などの老化防止の効果があると考えられています。
また、オートファジーによって、ミトコンドリアも新たに生まれ変わります。
古くなったミトコンドリアは、大量の活性酸素を発生させるのですが、オートファジーによって細胞が新しく生まれ変わることで、活性酸素の量が減り、体へのダメージを軽減できます。
つまり、活性酸素がもたらす細胞の老化や病気を、予防することもできるのです。
▼オートファジーダイエットのデメリット▼
① 一度の食事で食べ過ぎてしまう
16時間の空腹時間を作るため、食事をとれる8時間で食べ過ぎてしまう可能性があります。
一度に食べ過ぎると、血糖値の上昇が急激になり、インスリン分泌量が増え脂肪をため込んだり、空腹感を増す原因となってしまいます。
オートファジーによって一度に摂る食事量が増えてしまっては、効果を実感しにくいということを知っておいてください。
② 筋肉が落ちてしまう
オートファジーは細胞内で古くなったり、壊れてしまった悪玉たんぱく質をエネルギー源として消費し、新しいたんぱく質を作り出すことです。
しかし、十分なたんぱく質を摂れない場合、アミノ酸が足りなくなり新しいたんぱく質を作ることが出来ず逆効果となってしまいます。
普段、あまり運動をしない人では十分なたんぱく質が摂れていないと、筋肉が落ちてしまい代謝が悪くなることもあります。
また反対に、筋肉を増やしたいと考え、激しい運動を日常的におこなっている人にもあまりおすすめできません。
空腹時間が長く続くと脂肪が分解され、次に筋肉が分解されてしまいます。
日常的に激しい運動をして体脂肪が少ない人では、筋肉が分解されやすいということです。
▼オートファジーダイエットとの相性▼
以上のメリット、デメリットから、オートファジーダイエットが向いている人、向いていない人を簡単にまとめたいと思います。
オートファジーダイエットが向いている人:
・生活リズムが規則的で、計画的に動ける人
・適度な運動をしている人
・少ない回数で十分なたんぱく質量を摂れる人
オートファジーダイエットが向いていない人:
・生活リズムが不規則で時間が取れない人
・日常的に激しい運動をしていて筋肉を増やしたい人
・食が細く、少ない回数で十分なたんぱく質量を摂れない人
・消化器官が弱い人
筋肉が減り、代謝が落ちてしまうという点からリバウンドの可能性も高まるため、長期的にみると向いてない人の方が多いのではないかなと感じます。
メリットの①については、もともとの3食の量が多すぎたり、質や内容が良くないことで胃や小腸に負担がかかっているということも考えられます。
そのためオートファジーではなくても、1食の量を減らしたり、質や内容を変えることで改善できる可能性があります。
オートファジーについては注目されてきてはいますが、まだ健康に与える影響については分かっていないことも多いです。
芸能人やモデルの方なども実践していて効果を感じているという結果もありますが、オートファジーを行う際は、自分の身体としっかり相談して行うようにしましょう。
この投稿がその参考になればと思います!
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芸能人や日本代表のアスリートを鍼灸・栄養指導の両方からサポートし続けています。
参考文献:
大型放射光施設. オートファジーが始まる仕組みが構造から見えてきた
http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/research_highlights/no_90/
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