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Notting Hill は何度観ても最後のシーンで感動してしまう

上記の画像はNetflix.comより引用

#映画感想文

ロマンティック・コメディ映画は何度観ても
ストーリーがわかりきっていても
毎回、観ているこちらの気持ちを
温かくしてくれる。
ノッティング・ヒルもそんな映画の一作品だ。

初めて観たのはおそらく公開された年の
1999年か2000年ごろ。
それ以降、テレビで放送されるたびに
チャンネルを合わせてきた。

そしてサウンドトラックに含まれている
“SHE”の曲が流れると
目鼻がツーンとしてしまうのだ。

ヒュー・グラント演じるちょっと
人の良さそうなウィリアムと
実生活でも映画スターのジュリア・ロバーツ演じる
女優アナが恋に落ちるなんて、
作り話過ぎて一度観たら充分だと思うだろう。

おそらくイギリス映画作品ゆえに、
ハリウッド作品より展開が微妙に派手すぎないのが
この作品の魅力になっているのかもしれない。

まだご覧になっていない方、
あるいは昔に見た事があるなあ、という方も
ぜひもう一度ご覧いただきたい。
1人で観ても、家族と観ても
楽しめる作品だと私は思う。

イギリス製作映画としては最大ヒット作の記録を保持。

1999年5月21日に公開。
映画批評家からも好評な評価を受け、
今を持ってもイギリス映画作品の中では
最大の興行記録を保持し続けている。

当時のゴールデン・グローブ賞ではベスト映画、
それぞれの主演俳優部門でジュリア・ロバーツ、
ヒュー・グラント双方ともノミネートを受けた。

ウィキペデアより参照

旅関連のみを扱う本屋のオーナー、
バツイチ男であるウィリアムと
たまたまロンドンに映画のロケに来ていたアナは
ちょっとした運命の気まぐれで出会う。

出会い頭でぶつかりオレンジジュースを
彼女のTシャツにぶっかけてしまったのが
全ての始まり。

ウィリアムは、ぼくの家がすぐ近くなので、
そこで着替えませんか?と何度も謝り、
申し訳なさそうに大スターを誘うのだ。

怪訝そうな顔をするアナ。
でも白いTシャツにオレンジ色の
染みをつけながら歩くのもなんだから、
と疑念暗鬼つつ
彼の家で他のTシャツに着替えさせてもらう。

そして別れ際になぜか、
彼女から彼にキスをするのだった。。。

この映画を初めて観たら、きっとこう思うだろう。

“なぜに、ここで彼女がキスをするんだ?“って。
無理に物語を展開させようとしていませんか?と。

つい先日もネットフリックスで観た時に
正直、このシーンに関して
そう思ってしまったのは事実。

多分、売れない本屋を経営するバツイチ男が
純粋で無防備に見えたその瞬間、
彼女に魔が刺したのかもしれない。

ローマの休日をハッピーロマンティックに

全く住む世界が違う人たちが出会うには
運命の悪戯が必要だ。
オードリー・ヘップバーン演じる王女が
新聞記者と出会う“ローマの休日”もそうだった。
でもハッピー・エンドとはならない。

アナとウィリアムの場合は少し違う。
アナは自分の行動を謝罪するために、
彼に会う必要があった。

自分の作品の記者会見を行なっている
ホテルへと彼を案内するのだ。
そうとは知らないウィリアムは
期待と緊張でホテルへと出かけていく。

そしてアナを自分の妹の誕生日パーティへと
招待するのだった。

この時点を物語の第一ステージと私はよんでいる。
映画の中では彼らの関係は数週間とかではなく
数年かけて展開していく。

きっとそこが数日で終わってしまった
ローマの休日の物語りとは
異なって行く点なんだと思う。

ちなみにノッティング・ヒルは実際に存在する。
カフェやアンティークショップなどが立ち並ぶ
トレンディなロンドンの街だ。
この映画のおかげで知名度も
きっと飛躍的に上がった事だろう、と想像する。

Street of Nothing Hill 

イギリスではアパートのことを
フラットと呼ぶようだ。
日本でよく言うマンションは英語圏では
非常に大きなお屋敷という意味で使われる。

この映画で出てくる“FLAT”(フラット)は
日本で言うところのマンションに
あたるのかな、と思う。

爽やかな気の優しい男を演じきったヒュー・グラント

ウィリアムという男性はどこにでもいそうな
隣のちょっとハンサム君というキャラである。

赤字だらけの本屋を経営し、
仕事場からすぐのアパートに
住んでいる。
唯一の従業員はとても暇そうにしているし、
かなり風変わりなルームメイトがいる。

アナを妹の誕生日パーティに
誘ってみたウィリアム。
予想を裏切って、アナは快く招待を受けた。
そんな事情は全く知らない友人たち。

パーティを主催した友人カップルは
得意の肉料理を振る舞うのだが、
彼女はベジタリアンだった。

でも彼らの好意を傷つけないように
自分はベジタリアンであること隠すアナ。
そんな彼女の優しさに
ますます惹かれていくウィリアム。

そんな彼の気持ちを知ってか、彼女は
自分のスキャンダルから隠れるため、
彼のアパートへと数日滞在することから
物語は少し複雑な感情へとなっていく。

ここを私は第二ステージと呼んでいる。
彼の気持ち、優しさを知りながらも
アナはその後展開する自分の気持ちを制御できず、
ウィリアムに暴言をぶつけるのだ。
その様な状況となったのは彼のせいではないのに。

さすがのウィリアムもここでは落ち込む。
誰だって一方的に怒鳴られたら
悲しいに決まっている。
そして彼女はアメリカへと帰っていく。

彼の友人たちは色々と励まそうとするが、
彼の気持ちはなかなか晴れない。

Image is from IMDb.com

SHEの曲が涙腺を刺激する

いよいよ物語は最終段階である
第三ステージへと移行する。
彼女は住む世界が違いすぎるんだ、と
アナのことが吹っ切れたタイミングで、
また彼女がロンドンで映画のロケを
していることを知るウィリアム。

その様子を見に行くと、
彼女と目が合ってしまった。
少しだけロケの様子を
見学することとなった彼だが、
彼女の言葉にまたも傷つけられてしまい、
その場を静かに去った。

そんなこととは知らないアナ。
そして彼への気持ちを精一杯
こめたギフトと共に
彼の本屋へ立ち寄るのだが・・。

さてそろそろ、SHEの曲がぐぐぐっと
入り込む場面が近づいて、
目頭が熱くなる終盤へと繋がっていく。

もし、ここまで読んで頂いて
この映画をネタバラなしで観よう!と思われたら
ここで、この先進むことをストップ!
していただきたい。

さて改めて私がこの映画のファンになった
第三ステージのクライマックスへと
誘導させて欲しい。

アナは彼の本屋に立ち寄った時、
精一杯の告白を彼にぶつける。

I am also just a girl standing in front of a boy asking him to love her.

From nothing hill

私を一人の女性として愛して欲しいだけなの、
という心からの告白だ。

しかしもう傷つきたくなかった彼は
彼女の申し出を断ってしまう。

すぐに彼は自分が取り返しのつかない
間違いを犯したことに気がつく。

諦めきった表情でため息混じりに
いつもの友人達に語っていると
ここで諦めてはいけない、と
彼らは行動を起こすことにした。

何とかアナが開いていた記者会見へ
ギリギリで間に合わせるのだ。

そこで彼も同じ気持ちであることを
大勢のプレスの前で打ち明ける。

嬉しさで頬を紅潮した面持ちのアナと
照れ臭そうに立っているウィリアム。

驚きと歓喜に湧く会場では
眩いばかりのカメラのフラッシュが
二人をいつまでも照し続ける。

そしてラストでは二人が最初に出かけた後に
立ち寄った公園のベンチに座り本を読む彼。
彼の膝を枕としてお腹をさすりながらながら横たわる彼女。

その優しく静かに流れる場面は、
見ているだけで幸せな気持ちにさせてくれる。
またこの映画が観たくなった。


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