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映画「マイレージ、マイライフ」を観た

こんばんは、たまです。
今日も東京地方は、快晴ながらも春夕立があったりして、
(夕立は夏ですので、この時期、夕立のような雨を「春夕立」と
表現するそうです。ちなみに「夕立」は夏の季語)
あまり天気は安定していないのでしょうか。
現在午後8時14分。外気温は15.7℃、風はほとんどないようです。
そんな5月3日、
今日は、ジョージ・クルーニー主演の「マイレージ、マイライフ」(米国公開2009年)を観たので、そのあらすじと感想のお話を。ちょっと長い
**

ライアンは、解雇宣告人。
しかし企業人事ではなく、人事に代わって解雇を言い渡す、
解雇宣告代理会社の優秀なエージェント。
常に世界中を飛び回り、解雇を言い渡している。
彼は一年の大半は出張先、もっといえば機上で過ごしている。
それゆえに、彼はその航空会社ではたった6人しかいない7人目になることを
目標としていた。それは1000万マイルを貯めること。
そのために出張先では一流ホテルに泊まり、マイルを貯めることを生活としていた。
出張先で、同じように世界中を飛び回っているビジネスウーマンのアレックスと出会い、出張生活はより楽しいものとなっていった。
そんな中、社長からライアンにオマハの会社へ戻るよう連絡がある。

久しぶりに会社へ帰ったライアンの前に、一人の23歳の新人社員が現れた。
出張先から呼び戻されたライアンをはじめ、社員たちの前で、
社長に促され、その新人社員ナタリーはプレゼンを始める。
その内容とは、現地に赴いての解雇通告を撤廃し、すべてオンラインで解雇宣告をするというもの。事前に資料は先方へ送っておき、すべてオマハの社内で行うことができるため、出張費を大きく削減できるというものだった。

真っ先に反対をしたのはライアンだった。
彼は「解雇をするこの仕事の大事な部分をまったく理解していない!」と
言い放った。
自分のオフィスで怒りを抑えようとしていると、社長が現れ、次いでナタリーも現れた。
ライアンは彼女に「俺を解雇しろ」と模擬で解雇を言い渡すよう命ずる。
やらなくていい、と言う社長を制して、ナタリーはライアンへ「解雇通告」をする。再三ダメ出し、ライアンは良しとしない。
社長は彼女に下がるように言い、「しばらく出張は続けてもいいが、一人ではダメ、彼女を連れていくこと。彼女は「この仕事を理解していない」んだろ?」と言った。
仕方なしにライアンは、ナタリーとともに解雇宣告をしに出張に出たのだった。
***

ライアンには姉と妹がいる。その姉から電話があり、妹が結婚をすることになったと告げる。そして妹とその彼のパネルを送ったから、
そのパネルで写真を撮ってきてほしいと言われる。
ライアンがあちこち飛び回っていることを知っているからだ。実家にはまったく顔を出さないことを知っている姉だが、妹のためにお願い半分命令半分でライアンに伝え、ライアンも渋々了承した。

出張当日、慣れない出張スタイルで空港に現れたナタリーを、快適に出張できるよう指南をする。機内でも鬼の形相で仕事をするナタリー。それをたしなめるライアン。
現地へ到着し、仕事場へ向かう二人。
最初は自分がやるから黙って資料を渡すだけにしろとナタリーに告げるライアン。
次々と解雇を言い渡していく。
黙って成り行きを見守っていたナタリーだが、「子供になんて言おう」と肩を落とす社員に対して、あまりにもマニュアルどおりの言葉を投げかけてしまう。
親子ほど年の違う若いナタリーに諭されるように説かれても、
反論しか出てこない年配の社員。その反論に言葉が詰まったとき、ライアンはその年配の社員に対して、気持ちが切り替わるような話をし始めた。
突然の解雇に納得できないであろう人々に対して、ライアンの話には、説得力があった。ナタリーは彼の話をじっくりと聞いていた。

数社回り、ナタリーもだいぶ慣れてきたころ、
今度の社員への通告は自分がやりたいと言い、ライアンもこれを了承する。
告知相手は女性社員。
冷静に聞いている。大丈夫そうだ、と思ったとき、その女性社員がこう言った。
「私の家の近くにきれいな橋がある。そこから飛び降りる」

会社を出たナタリーは動揺し、手が震えた。
ライアンは、人それぞれいろいろな反応があるんだ、と言い、
ナタリーを慰める。ナタリーはこの仕事はどういうものなのか、
だんだんとわかってきた様子。

そしてまた別の会社へ解雇通告のため出向いた。
が、その部屋にはPCが設置してあり、ライアンの上司(社長)がオンラインで映っている。オンラインでの解雇をやってみようというものだった。
そしてそれをナタリーにやらせるというのだ。
このシステムを考え出したのはナタリー。そしてそれに反発をし、
できるものならやってみろ!とシステムを否定したのはライアン。
しかし、この出張でナタリーは解雇告知の難しさを知り、それを察したライアン。
彼は社長に、ナタリーにオンラインで解雇通告をさせるのは時期尚早だと告げる。しかし「私できます!」と。
果たして57歳男性社員への通告は事なきを得た。一安心だ。
ライアンは社長へ「別室へいれば、いざと言いうとき・・」と、オンラインは良いが条件付きで、と進言したが。

出張は終わり、二人は空港にいる。もう告知はオンラインに決定した。
オマハに戻る予定だったが、ライアンはナタリーに先に戻るように告げ、
妹の結婚式へ出ることにする。ひとりではなくアレックスに連絡をして。

結婚式前日の食事会で、妹と再会をする。
兄が現れたことに大喜びの妹。ライアンは頼まれた写真を彼女に渡そうとする(二人のパネルを入れた写真)。「そこに貼って」と言われた壁を見ると、すでにあちこちで撮影された二人の(パネル)写真が貼ってある。いろいろなことにお金はかかっているから、新婚旅行に行けないって話したら、周りが協力してあちこちで写真を撮ってきてくれた、とのことらしい。本当に旅行に行けなくても二人は幸せそうだった。

しかし結婚式当日、ジム(妹の彼)が突然結婚をやめると言い出した。
姉のカーラは、ライアンに説得をするように言う。
「ビロードうさぎ」を読んでいた彼に声をかけた。
ジムの不安をじっと聞いていたライアンだったが、昨夜のことを尋ねる。
一人で寂しくなかったかと。「寂しかった」と答えるジム。
二人のほうがいいだろう、副操縦士が必要だ、とライアンが言うと、
ジムは立ち上がり、もう一度プロポーズをする。
***

ライアンは講演会の講師として壇上に立っていた。
いつもと同じように。
人生をバックパックにたとえ、自分の人生にはいろいろなものが詰まっているという内容の話。
しかしこのとき「自分の人生は」と考えると、会場を立ち去り、
彼は空港へ向かい、アレックスの住むシカゴへと向かっていた。
レンタカーを借り、一心不乱でアレックスの家へと向かい、
ベルを鳴らす。
玄関の扉が開いて、驚いた表情のアレックスがそこにいた。
そして彼女の背後には、子供たちの姿、そして男性の声。

アレックスは結婚をしていたのだった。

「あなたは現実逃避」


アレックスに電話でそう告げられたライアンは
茫然としながら機内にいた。
そしてそのとき機内アナウンスで自分が1000万マイルに到達したことを告げられた。
夢にまで見た瞬間だ。機長が自席にやってきた。
そして「お住まいは?」と聞かれ、
「ここです」と答えるのだった。
***

オマハに戻り、ライアンは妹夫婦に世界一周ができるだけのマイルを譲渡する手続きをしていた。そのとき社長に告げられた。
「解雇告知された女性が自殺した。近所の橋から飛び降りて」
あの女性だ。ナタリーが告知したあの女性・・・・
ナタリーはどこか聞くと、辞めたという。
***

ナタリーはサンフランシスコに戻って、とあるオフィスで面接を受けていた。首席で大学を卒業しているのに、なぜ解雇をするような会社へ入ったのか、「挑戦です」と言いながらも、実は男性を追いかけてオマハへ行ったことを正直に話していた。怪訝な顔の面接官だったが、
「強い推薦状をもらっている、彼を信用しよう」と採用になった。

ライアンは空港にいた。
発着の案内掲示板を見つめていた。
彼はスーツケースを手から離した。

*****
【感想】
推薦状を書いたのはライアンなので、きっと辞めたと聞いたときに、
彼はナタリーに連絡を取ったんだと思う。
そして、推薦状を書いた。
空港で掲示板を見つめるところで映画は終わっているが、
作中、貯めたマイルのことで「私だったら便を選んで飛行機に乗る」というナタリーのセリフがある。貯めることが目的だったライアンだったけど、
きっと今の彼は、ナタリーの考えと同じことをしたんだろうって思う。
そしてスーツケースを手から離したのは、
彼の講演会の「バックパック=人生」を肩から降ろした描写かと。

最初ライアンのオンライン解雇の反対は、マイルが貯められなくなるから?と思ったのだが、それもそうだけど、それだけではない。
アレックスとどうかなりたいのか、旦那がいたことはショックだけど、
本当のショックはそこではないのではないか、など、
それぞれの形を借りた「人生」がテーマなのか、この映画は。
う~ん、哲学のようだ。

結婚前に、ジムが「ビロードうさぎ」を読んでいたシーンがあるけれど、
絵本の内容が、そのままライアンだなって思えたことも
この映画が哲学のように感じるところなのかもしれない。
Wikiにも同じようなこと、書いてあった(笑)。

今休職中なので、解雇される人が人ごとに思えなかったけど、
(解雇じゃないけどね)
そこじゃなくて、人生を考えるときに観ると良い映画、と思う。
ぜひ、我こそは「大人」と思うアナタ、このGWにぜひご覧ください。

◆おまけ◆
この映画を観たら、「ビロードうさぎ」読みたくなってポチった。
「ビロードうさぎ」のあらすじが知りたい方はこちら
(号泣注意。私だけ?)



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