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おこっぺ有機⽜乳はなぜ⾼い!?その疑問に、正直にお答えします

こんにちは。牛だけでなく犬も愛してやまない副社長の吉田です。

先日雪の朱鞠内湖に行ってきました。

いきなりですが、「『おこっぺ有機牛乳』って高いですよね!?」
お客さまからしばしばこのようなお言葉をいただきます。

・・・ええ、高い、ですよね。確かに・・・

一般的なスーパーでは、1L200円〜300円くらいの商品が大半を占める中、私どもの牛乳は、900mlで800円〜900円くらい!3~4倍の価格です。

おこっぺ有機牛乳は高いねってよく言われるモー

価格の高い安いは、数字の比較で感じられることですが、乳製品は毎日の食生活に欠かせないものだけに、「高い」と感じられても仕方ないな・・・とは思っています。しかし、みなさまにお伝えしたい。
私たちの「おこっぺ有機牛乳」の価格には、ちゃんとした理由があるのです。

今回は、「おこっぺ有機牛乳」がなぜこの価格になっているのか、たぶん世の中のいろいろな価格設定と同じ理由でしょうが、ご説明したいと思います。

注文があった分だけを製造し
無駄を出さない生産方式

まずご説明するのが、私たちが小規模な生産者で、大量生産ではないということ。
原料の有機生乳の生産量が限られていますし、小さな工場なので製造できる量にも限界があります。ですが、製造に必要な設備とその運用には、生産量にかかわらずそれなりのコストがかかります。

小規模でいろいろつくるミルクプラント

また必要な検査をしたり、設備の維持管理をするなどにも、その都度費用がかかりますが、それらが価格に反映されています。 当たり前ですが、会社の収入は商品の販売代金ですので、商品を作り続けていくことに必要な価格の設定です。

製造方法も、私たちは「受注生産」を行っています。

1個あたりの価格を下げることを第一に考えれば、製造ラインにとって最も効率のよい量を生産するとよいのですが、私たちはご注文いただいた分だけを作るという方式をとっています。

注文数は常に一定ではないので、少ない製造のときでも一定の費用がかかってしまいます。

ですが、この方法ですと、作っている牛乳がどこに届けられるかわかるので、お客様のことを思いながら一つひとつに細かく目配りできるだけでなく、フードロスを出さないという大きなメリットがあります。

食品の価格には、捨てられる分のコストも含まれているという現実がありますよね。それはしたくないです。

牛からもらった大切な牛乳を残さずに使い切りたい

あまり知られていない、
「有機」だと乳量が少なくなりがち問題

もうひとつ、有機による理由があります。
 
「おこっぺ有機牛乳」は、有機JASの規格基準で製造されています。
実は、その規格の環境で育てた牛は、一般の牛に比べて、一頭から搾れる乳量が少なくなりやすいという現実があります。

牛たちが食べている放牧地の牧草もすべて有機牧草

もちろん、個体管理の方法によるのですが、なかなか簡単なお話しではなく、当社の牛たちは有機認証前よりも乳量が減少しました。
ですが、それが無理をさせない飼い方での適量なのかな、とも感じながら、乳量確保のためのいろいろな工夫を続けています。

人間にとっての効率や収入を考えれば、牛一頭あたりの乳量が多い方がいいですよね。酪農の歴史の中では、えさの面で言えば、牧草の品種改良や肥料の開発で栄養価と収量を増やすなどの努力をしてきました。また牧草だけでなく、穀物などを混ぜた配合飼料で乳量を増やすこともあります。

しかし有機の規格では、そういったことにも基準があります。たとえば、牧草を有機的に管理すると、化学肥料などを使う場合に比べ、収量も栄養価も下がってしまいます。単位面積当たりの収量が減るということは、量を確保するために面積を増やしますが、そうすると土地や作業にかかる費用も増えてしまいます。

また、えさは100%有機のものではなくても良いルールなのですが、非有機の割合の上限や使えるものが決められているため、配合飼料などに頼って乳量を上げることもできません。

目指すべきは、より自然に近い状態で、できるだけ牛に負担をかけずに飼育すること。畜産や酪農自体が人類の歴史と歩んできた文化なので、その矛盾に悩むこともあります。その上でできることをするという取り組みです。
結果的に、今のやり方ですと乳量は少なくなってしまうというわけです。

牧草を育てている畑も有機栽培です

そして、有機であることを主眼にするならば、お金をかければいろいろなことができますが、有機は私たちが考える品質の一つで、おいしい牛乳をお届けしたいということを第一に考えています。
ですので、有機ありきではなく、方法や価格のバランスを考えながら、私たちらしい選択をすることを考えています。

原料の生乳が少ない+少量の生産体制→単価が上がる→価格が高めになる
・・・という理屈ですね。他にも、有機規格の飼料が高価なことや、維持するための記録や検査にかかる費用も、大きな要因になっています。

いろいろな牛乳を選べるという
生活の豊かさを目指して

加えて赤裸々にお伝えいたしますと、私たちの給料はオコッペの田舎で暮らすには普通ですが、都会では厳しいレベルです。価格に占める人件費の割合も平均レベル(業界の経営指標参照)です。
本社の社屋も代表の自宅だった建物です。

事務所は、もともとは家です
牛舎もかなり年季が入っていますが大切に使っています

宣伝費もかけていません(ほぼゼロ)。

持続可能な酪農を目指し、手間ひまかけて育てた牛から搾った貴重なミルクを、ご注文数に応じて牛乳に加工し、その過程でかかる諸費用を合算したらこの価格になった・・・ということです。

ただし、なりゆきではなく、生産管理や管理会計の手法を導入し、不必要なコストをかけないようにしています。牧草や牛の管理、製造、販売すべてにまだまだ私たちの努力で改善できることもたくさんあって、それを続けています。

ありきたりの理由だったかもしれませんが、この価格に納得して買っていただくかどうかのご判断は、皆さまに委ねたいと思っています。私たちがご提供しているのは、幅広い選択肢のひとつ。

価格面では手ごろな牛乳も、ちょっと高いのもいろいろあって、それぞれの価値があり、その時々の気分で好きな方を選んでいただける環境があることが、生活の豊かさの一つだと思います。

その選択肢を作ることも、私たちの役目だと思っています。皆さまに喜ばれること、いつまでもこの牛乳が飲めること、そのためにも続けていけることが大切だと思っています。

いろんな牛乳の味を楽しんでいただきたい

私たちの製造理念に、「品質に応じた妥当な価格」があります。
良い食品の4条件の一つとして知られていることです。

安全安心、おいしさ、ごまかさないこととともに、意識していることです。牛乳にいろいろな味や背景のバリエーションがあるって、楽しいですよね。

 大切な方への贈り物に。食育を考えるときに。毎日の食卓に。
さまざまなシーンで、「おこっぺ有機牛乳」を皆さまに選んでいただけますように。

【有機JAS認証】おこっぺ有機牛乳 180ml
【有機JAS認証】おこっぺ有機牛乳 900ml

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