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Taipei Tea Trip 1 台湾五大銘茶と功夫茶を学ぶ

台北にお茶を飲みに来ています。

日本とまた違ったお茶文化を持つ台湾。

今回は連休を利用して、「ティー・ツーリズム」を目的に、台北へやってきました。


竹里館(ジューリグァン) 茶芸館で台湾茶に親しむ茶芸教室

まず参加したのが、こちらの体験。
1996年創業の茶芸館「竹里館」。

茶芸館とは、台湾の伝統的なお茶が飲めるお店。こちらで、台湾の代表的なお茶の種類と、功夫茶(クンフーチャ)というお茶の作法について体験してきました。

台湾五大銘茶を学ぶ

台湾で主流のお茶は烏龍茶。まず、烏龍茶とはどんなお茶なのか、日本語の巧みな先生が、テキスト、タブレット、スケッチブックを適宜使いながら、非常にわかりやすく説明してくださいました。

緑茶、烏龍茶、紅茶。みな、同じチャの木から作られます。
違うのは、「発酵」の度合い。
(ちなみにお茶で言う「発酵」は、微生物の働きによるものではなく、酸化酵素の働きによる酸化反応を指します。化学の観点で言えば厳密には発酵という言葉が示す現象では無いのですが、お茶の世界では発酵という言葉が一般的に用いられます)

発酵をさせないのが緑茶、完全に発酵を進めたのが紅茶。
そして、発酵を途中で止める、半発酵茶が烏龍茶なのです。

そして非常に奥が深く、興味深いのが、この発酵を止める度合いによって同じ烏龍茶でも
・軽発酵(15%以下)
・中発酵(20〜40%)
・重発酵(45%以上)
と分類され、味わい、香り、色、非常に広いバリーエーションを持っています。

製造工程として
摘採(茶摘み)

日光萎凋(いちょう:日に当て、水分量を減らす)

室内静置・攪拌(静置と攪拌を繰り返し、発酵を促す)

殺青(さっせい:加熱し、発酵を止める)

揉捻(じゅうねん:機械でもみ、茶葉の形を作る)

乾燥(機械で水分を飛ばす)

ここまでで、毛茶(日本茶でいう荒茶)が出来上がります。この毛茶をさらに焙煎し、製品としての烏龍茶が完成します。

焙煎も発酵以上に香り、味に影響を与え、焙煎を行う職人それぞれ自らの仕事に誇りを持っている、というお話でした。

水色の違い

上から
高山茶 →軽発酵
阿里山金萱茶(キンセンチャ) →軽発酵
凍頂烏龍茶 →中発酵
鉄観音 →中発酵
東方美人 →重発酵

講義の次に、これら代表的な5種類のお茶の試飲がありました。

無茶苦茶面白かったです。同じ植物から、ここまで味、香りに違いがあるのかと驚きの連続でした。

高山茶の上品な香り、金萱茶の優しい甘味。
凍頂烏龍茶は、日本人がイメージする烏龍茶のイメージの真ん中かもしれません。
鉄観音は桃のような華やかな香りがあり、東方美人は紅茶に近い味わいとまろやかな口当たりを持っていました。

凍頂烏龍茶の茶葉、日本のお茶と形がかなり違うのは、揉捻の方法の違いよる。
この形によって、お湯を注ぐと葉がゆっくり開くにつれて抽出される味わいが変化する。日本茶は一煎目に一番味わいが出るが、烏龍茶は二煎目の方がより味わいが強く出ることもある。
高山茶の茶葉。お湯をいれて葉が開くと、芽、葉、茎の形が綺麗に残っていることがわかる。

これ以外にも、各品種の歴史や製法の特徴、台湾の地域による特色、生産地の標高による違い等、盛りだくさんの内容で、本当に本当に楽しい体験でした。

功夫茶を学ぶ

功夫茶(クンフーチャ)は、およそ200年前、中国福建省から台湾にお茶の苗木と共に伝わったお茶の淹れ方が由来とされています。同じ発音で工夫茶と書きます。

功夫には「技術、経験」という意味があり、(ちなみに、格闘技のカンフーもこの功夫だそうです)工夫は「時間」を意味します。

ゆっくり、時間をかけてお茶を楽しむ技術、ということですね。

まず、茶器の説明があり、お湯を使って使い方の作法の練習をし、
その後は、好みの茶葉を使って自分でお茶を入れて楽しみました。

細長い杯は「聞香杯(ウェンシアンペイ)」。杯に残った香りを楽しむための器。香りを聞くってオシャレ。
まあまあお湯をこぼす(笑)。

各器、お湯を入れるとかなり熱い&そこそこ重いので、結構大変。ですが慣れてくると、一連の工程を踏むことでなんだか気持ちが整うような感じです。

あと、茶器が小さくてかわいいですよね。
台湾茶や中国茶が好き。という方は女性に多い印象があったのですが、わかる気がしました。

体験の後は、竹里館で食事もいただいたのですが、これも滅茶苦茶美味しかったです。台北への旅行の際は、こんな体験もいかがでしょうか。おすすめです!

というわけで、旅は続きます。読んでくださってありがとうございました。



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