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映画「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」

女の子の女の子による、女の子による映画。
監督も脚本家も女性で、よくこういう感じに振り切ったなあと、感服しました。

きもいおっさんの思考や視点が消去され、最初から最後まで、隅々まで女子女子した感じに満ちており、この映画を心から楽しむ女の子は多いだろうなあ、と思いながら観ておりました。

ま、わいの中にも女子要素はあるんだけど、とうぜんおっさん要素のほうが多いので、楽しめはしたが心から染みるものではなかった。

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悪者と、ハーレイクインと、謎の暗殺者と、刑事と、スリの女の子と、わちゃわちゃと絡み合うドライブ感は、最近見た三池崇史の「初恋」に近いか。
圧倒的にこっちのほうがかっこいいけれども。

ラストバトルが、夜の遊園地からの霧のかかる橋、だから、それはホームセンターよりは全然興奮するよね。

ひとつ残念だったのは、徹底して女の子映画なので、キングスマンの教会バトルや、ラストバトルみたいなどぎつい敵の倒し方をしない。
ハンマーみたいなので、ポコポコ殴っていく。
まあ、骨を折ったりナイフで刺したり銃で撃ったりもあるけれど、結局は「ごっこ感」が漂ってしまう。
バットもいいんだけどね。

やっぱどうせ男をボコボコにするなら、切り刻んでミンチにしたり蜂の巣にしたりのほうがスッキリはするんだけど。
そのへんは女の子感覚では却下されるんだろうね。

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アナ雪あたりから、「わたしたち女の子は王子様のキスを待っているお姫様じゃない。自立して自分の足で生きていくの!」
的な、女性の自立、自由、選択、みたいな映画がとても増えてきていて、それ自体は悪いことではない。

が、上手にバランスをとらないと
「女性の開放にめちゃくちゃこだわっている層」
以外にはそんなに刺さらないものになってしまう気もします。

本作はラスト、女子がチームを組んで、男性のチンピラ悪役どもをボッコボコにしていく映画なので、

・普段、キモい男性上司にセクハラまがいの嫌味を言われ、女性は女性らしく、的に抑圧されている女性

とかにはぶっ刺さるだろうなあ、と。
(まだまだ男性社会なので、そういう層は多いだろうから、映画としては成功なんでしょう)

残念ながら私はキモい男性上司にセクハラされて生きているわけじゃないし、
ありがたいことに、性差別的なうっぷんがたまっているわけじゃないので、
超爽快!ってわけでもないのでありました。

※脚本はバンブルビーの人なのね。たのしい脚本だったなあ。

※びっくりするぐらいつまらなかった「スーサイド・スクワッド」の700倍おもしろかったね!

[2020.03.24 facebookから]

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