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新しい教育観の創造

「新しい教育観の創造」というワードが出てきててアツい。

最新2018のOECD生徒の学習到達度調査(PISA)で、
読解力
数学的リテラシー
科学的リテラシー
の3分野でぶっちぎり1位を取った中国の教育に迫る記事。

今回中国は1位をとるために、最も教育熱心な地区を調査対象に選んだそうだけれど。
それにしても大量の15歳(高校1年)に実際にテストを行い、その平均を出しているわけなので、やはり北京と上海周辺部は、ダントツで学力の高い地域なんだと思う。

さて、では、学力が高い、とは、それはそのまま喜んでいいことなのか、というのが本記事の主眼で面白い。

以下抜粋。

★中国は「科挙」というエリート選別のための過酷な筆記試験を約1300年にわたって経験してきた。
★高得点のためには一切の犠牲を顧みず模擬テストを繰り返し入念に準備する文化は、他国には無い。
★そんな中国の教育とは何か?

★「人間性の育成」という教育的プロセスより、点数を取らせて合格という結果をだすための組織で、限りなく「予備校」的。
★教育システム全体が受験という競争を勝ち抜くためのシステムになっている。

★その背景には、約14億人と世界最多の人口を抱える中国ならではの事情がある。
★一人一人を大切にするという発想は乏しく、自ら実力を証明した「強者」だけが認められるのを当然とする、競争主義が深く根付いている。
★この競争主義に、教育現場も支配されている。

★例えば、教師の人事評価とそれに伴う昇給は、自身が担当するクラスのテストの平均点と直結している。
★他教師との競争に勝とうとする余り、生徒に勉強を強制するほか、点数の悪い生徒に圧力をかけて転校させる極端なケースも起きている。
★中学や高校の中には、予備校さながらにテストの成績をトップからビリまで公表するだけでなく、成績順に座らせる学校もあるという。
★中国教育の伝統的スタイルを端的に表現すると、反復と量、大量の模擬テスト。
★学校全体がテストの目先の点数向上に集約され、予備校化、「テスト工場」化。
★教育の公平性や多様性、創造性、バランスの取れた全人格的成長、ひいては心身の健やかさなどは犠牲にされている。

★しかし、人工知能(AI)技術が飛躍的に発達した結果、丸暗記など機械的なことは機械に任せ、人間独自の知性や感性が求められるようになってきた。
★中国はPISAを極めたが、「ポストPISA」の教育観の創造こそ重要。

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そうなんよね。

確かに読解力も数理リテラシーも、無いよりは有る方がいいんだけど、
読解力が高くても、反応が幼かったり、型にはまっていたりすると、そこからなにを創造できるのか、という部分に疑問が残る。

普通に想像したらわかると思うが、学力が低くてもコミュ力が高い学生はうじゃうじゃいる。

彼らは文字に起こされた大量の文章を正確に読み取る力は無いけれど、会話している相手の表情や仕草を「読解」し、(何なら、言葉にされなかった部分までをも汲み取り)、相手を喜ばせ、自分も楽しめるリアクションをとって、スムーズにその場を回す技術を持っている。

そういった力はPISAではチェックできない。

まあ、でも
短絡的に「心の教育」だとか「豊かな情緒を育む」とか言うのも頭の悪い話で。
具体的な手法のほうが大切だとは思います。これからの課題ですね。

[2020.01.07 facebookから]

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