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教育系まとめ

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21世紀の教育はどうなる?(雑談も)
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2020年4月の記事一覧

思考メモ < 暗記は古い >

暗記というものが学習のある部分を締め、「これは暗記しておこう」「要暗記」などという言い方がまかり通っているわけですが、ようやくその部分に適当な言葉で光を当てられた気がする。 のでメモっておく。 例えば数学で、スキルがアップする、ある問題が解けるようになる、ということを考えると、 『問題を見た瞬間にざっくりと解法(その候補)が頭にうかぶ』 という状態が目指すところに思える。 で、瞬間的に解法を思いつくためには頭の中に一定のうまくやれるパターンがストックされていることが必要

月影とhappinesses

入試問題を通じて新たな視点に気付かされる、ということがある。 今年にはいって、高校入試の模試の問題から「へえ」と思ったことがふたつあったのでメモしておきます。 ** 1.月影 国語の問題文から。 要約すると、 ・「月影=つきかげ」というのは月の光のことを指す ・日本では光と影を同じもの、一体化したものとして捉えてきたフシがある。 ・「輝く=かがやく」も「影=かげ」「陰る=かげる」という読みとのつながりがある。 というような内容でした。 へー。 エッシャーの描く白と黒の

『テスト中、フレミング左手の法則に夢中で机からはみ出す奴』

シリーズ「将来なんの役に立つの?」問題を解決しよう(6)

『大人ならクソガキの愚問を一言でねじ伏せられる説』 を検証中の本シリーズ また新たな気づきがありました。ので。 だらだらと続けます。 *** 今回は数学のプロはどういうことを言っているのか、というものを観察していこうと思います。 最近はyoutubeに授業や勉強法の動画がくさるほどupされており「教育系youtuber」なる人もたくさん現れてきております。 数学授業で人気のおじさん、鈴木貫太郎さんの本が1月に出まして(youtube動画が出版されるってそういう時代

シリーズ「将来なんの役に立つの?」問題を解決しよう(5)

中間報告。 ここまでの考察を振り返りながらまとめてみよう。 **** シリーズの目的→ 「これ勉強して将来役に立つんですか?」 という中二病的質問を一言でねじ伏せるアツい回答を見つけること。 回答の方向性 A→「すごく役に立つよ、だから」型 B→「役に立たたないよ、でもね」型 Aタイプ「役に立つ」という回答は、こじつけや限定された場面で、という注釈がつくことが多く、クソガキの反撃をうける危険大 (例)俺、海外行かないから英語つかわない また、大人になってから気づく利

シリーズ「将来なんの役に立つの?」問題を解決しよう(4)

4回目です。 引き続き、 「この勉強、将来何の役に立つの?」 という中二の疑問に対する完全回答を探って行きます。 ***** 中2に理科の授業をしていると、たまに虚しくなったりする。 例えば電流。 「ボルトとかアンペアとかオームとか、ワシらの人生に何の関係がおまんねん?」 という顔で超つまらなさそうに授業を聞いている生徒が一定数いる。 だからといって、 「学ぶの嫌なら電気使うなよ!」 と吠えるのは三流講師で、身の回りのものに電気が使われていることと、電気を学

シリーズ「将来なんの役に立つの?」問題を解決しよう(3)

着陸ポイントがわからないままお話を走らせるのは楽しいね。 本日たまたま↓のような記事があがってた。 工藤さんの本は読んだことがあり、たいへん興味深かった。 麹町中学校には定期テストが無い。 このひとが校長になって廃止された。 そこでふつうに考えられる親からの疑問 ・定期テストをなくして、どうやって子どもたちの学力をチェックし、向上させるのか? ・どんどんアホになるんじゃないか? というのを丁寧に潰していっている。 その先に宿題廃止もあったのだろう。 いったん立ち止

シリーズ「将来なんの役に立つの?」問題を解決しよう(2)

さて、2回目です。 この勉強、何の役に立つの? この知識、いつ使うの? 何で使わないのに勉強させられるの? という中二の疑問を完全にねじ伏せる回答を探るのが本シリーズの目的であります。 はたしてそんな都合のいい返答があるのでしょうかね。 「昔、田中角栄という人が居てだな…」 などと語り出すのは禁止とします。長々と話したら納得させられるはず、というのは話す側の勝手な思い込み。 中二という生きものは同じテーマの話を30秒以上聞かされると死んでしまいます。 また、トンチ

シリーズ「将来なんの役に立つの?」問題を解決しよう(1)

教育の業界にいると、少なからず遭遇するのが 「これ勉強して、将来何の役に立つんですか?」という疑問である。 中二病の代名詞とも言える問いかけですね。 実際の中二が口にすることもあれば、高校生から発せられることもある。 また、講師に直接言うこともあれば、親や兄弟、友達にグチグチ垂れ流されることもある。 私が受動的に受信するだけでも年に数回は聞くセリフなので、間違いなくエブリデイどこかのクソガキが 「こんなこと勉強しても将来使わないじゃん!」 と憤慨しているのである。

国語の選択肢問題の改善方法

新センター国語への記述導入が見送られたが、とりあえずの改善方法として現状5択の選択肢に追加で ⑥ ①~⑤に正答は無い という選択肢を設ける。 これ、どうよ。受験する側からしたら相当嫌だけど、作る側も必死になるよな。 そんで、いまのところ 「最も適当なものを選べ」 という逃げた聞き方をしているので、それも削ろう。 最も適当とかぬるいこと言わずに 「正しい答えを選べ」 でいこうぜ。 5つを比較して一番マシなやつを選ぶゲームはもうやめよう。 5台のジェット機があ

新しい教育観の創造

「新しい教育観の創造」というワードが出てきててアツい。 最新2018のOECD生徒の学習到達度調査(PISA)で、 読解力 数学的リテラシー 科学的リテラシー の3分野でぶっちぎり1位を取った中国の教育に迫る記事。 今回中国は1位をとるために、最も教育熱心な地区を調査対象に選んだそうだけれど。 それにしても大量の15歳(高校1年)に実際にテストを行い、その平均を出しているわけなので、やはり北京と上海周辺部は、ダントツで学力の高い地域なんだと思う。 さて、では、学力が高い

改革と停滞と目の取捨

4日前、大学入学共通テストへの記述式導入が正式に見送られた。これにより、来年度は結局これまでのセンター試験と名前しか変わらないことが決まってしまった。 高大接続改革、大学入試改革、教育改革、150年に1度の大改革だ。と、はしゃいでいたわけですが、なーんか「せやろな」みたいな寂しい結果になってしまいました。 魅力やポテンシャルを感じられない今の日本の教育がついに変わるのか?! と鼻息荒くしてた身としては、ほんと脱力というか、虚しいですね。 裏を返せば、この事なかれ主義とい

大学入試改革の停滞について。

2020年からの大学入試改革に超わくわくしていたので、悲しいです。 内閣人事局長として官僚の人事権をにぎり、『忖度』を誘発した、でおなじみの萩生田氏が、あろうことか9月の内閣改造で文科相になった。 顎がはずれるほど驚いた。と同時につよい失望を感じたものです。 わかっていたことですけど、安倍晋三には教育改革を推し進める気はまったくない。せめて邪魔だけはしてほしくなかったのですが、お友達の萩生田を適当に文部科学大臣に配置したせいで見事に大迷惑なことになっております。 萩生田